現代の子どもに足りない“本能”とは? 脳幹・身体・リズムが育てる「生命力」の話

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はじめに:なぜ今、「本能」が大事なのか

近年、日本の子どもたちの自殺率が上昇し、少子化は加速しています。
その背景には、
“本能より文化が優先されすぎている社会”
という大きな問題が存在します。

本能とは、危険を察知し、身体を動かし、仲間とぶつかり合いながら、
「生きる力(生命力)」 を育てるための脳の基本システムです。

しかし現代は、

  • 危険な遊具の撤去
  • 冒険や川遊びの禁止
  • 情報過多・スマホ依存
  • 管理されすぎた教育
  • 正解探しばかりの学習

これらによって、子どもが“本能を使う機会”をほとんど奪われています。

その結果、
脳幹や小脳が十分に育たず、生命力が弱くなる。


昭和・平成・令和で脳の発達バランスがどう変わったのか

昔の子どもと今の子どもの決定的な違いは、
「使う脳の割合」がまったく違うことです。

■昭和の脳のバランス

  • 脳幹:7
  • 小脳:2
  • 大脳:1

危険・自然・仲間・外遊び・喧嘩・冒険など
“生きる脳”が徹底的に育った時代。


■平成の脳のバランス

  • 脳幹:4
  • 小脳:3
  • 大脳:3

安全の価値が高まり、習い事や勉強が増えた。
しかしまだ遊びと自然が残っていた時代。


■令和の脳のバランス

  • 脳幹:1
  • 小脳:2
  • 大脳:7

スマホ・情報過多・室内生活・管理教育。
生きるための脳(脳幹)がほとんど使われない。


この変化こそが、

  • 生命力の低下
  • 自信の欠如
  • ストレス耐性の弱さ
  • 自殺の増加
  • 社会への適応困難
  • 子育てへの不安
  • 少子化の加速

につながっています。

脳幹が育たなければ、子どもは本来の力を発揮できない。


ドラゴンボールで考える“脳幹の育て方”

ここで非常に分かりやすい例があります。
ドラゴンボールの ピッコロと悟飯の関係 です。

実はあれ、科学的に見ても完璧な「脳の育て方」なのです。


① ピッコロが悟飯を最初に“厳しく育てた理由”=脳幹を鍛える

ラディッツ戦後、悟飯は最初の数ヶ月間、一人ぼっちにされ、
ピッコロから「まずはタフさを身につけろ!」と言われ、生きるための厳しい訓練を受けます。

  • 自分で食べ物を探す
  • 危険を察知する
  • 夜一人で過ごす
  • 恐怖を乗り越える
  • 自然の中で生きる

これはまさに 脳幹(生命脳)を鍛える行動です。

脳幹が育つと:

  • 生存本能
  • 危険察知能力
  • 自信
  • 生命力

これらが強くなる。


② その後に“技術”を教え始める=大脳を鍛える

脳幹が育ったあと、やっとピッコロは悟飯に戦闘技術を教え始めます。

技術を学ぶのは 大脳の領域

ここで大脳がどんどん育っていきます。

子どもの成長過程において、本来の順番はこうです:

  1. 脳幹(生命力)
  2. 小脳(身体能力・感情バランス)
  3. 大脳(技術・戦略)

現代は順番が完全に逆。
技術から始まり、本能が空っぽになっている。


③ ナッパ戦でピッコロが悟飯を守る=“愛情が生命力を完成させる”

悟飯がナッパに殺される寸前、
ピッコロは悟飯をかばい、自分が傷ついてでも守ろうとします。

これは 大脳辺縁系(愛情・絆) を育てる行動。
まさに親子の関係です。厳しく育てても最終的には親は子どもを必ず守ります。これにより子どもは親からの愛を強く感じます。

本能 → 身体 → 感情 → 技術
すべてが統合されて、初めて“強い子”が育つ。


④ サイヤ人設定=「死の淵を乗り越えた者は強くなる」

これは科学的に完全に一致します。

  • 失敗
  • 恐怖
  • 危険
  • 修羅場
  • 困難
  • 冒険
  • 心が折れそうになる経験

これらはすべて
脳幹・小脳・自律神経を強くし、生命力を爆発させる刺激。

人間も同じです。
守られすぎた子は弱くなる。
乗り越えた子は強くなる。


子どもの脳が育つには「順番」が大事

人間の脳は本来、

  1. 脳幹(生きる力)
  2. 小脳(身体の制御・情緒)
  3. 大脳(論理・技術・勉強)

この順番で発達するように設計されています。

昭和はこの順番が自然に育った。
しかし令和は完全に逆転している。

だから、
子どもは賢く見えるのに、生きる力が弱い。

人生で一度も傷つかず、生きていけるなら脳幹など鍛えなくてよいと思います。残念ながら現実はそうではありません。


本能を取り戻すために必要な体験

脳幹・小脳を鍛えるための体験はとてもシンプル。

  • 木登り
  • 高いところから飛び降りる
  • 泥んこ遊び
  • 川遊び
  • 喧嘩
  • 暗闇
  • 走る
  • 泳ぐ
  • 自分で決める
  • 仲間と揉まれる
  • 危険を体験する
  • 自然と向き合う

これらは全て、
生命力を育てる“本能の教育” です。

現代ではこれらが禁止されたり、なくなってしまいましたが、例えば川遊びであればスイミング、自然で遊ぶ場合は、フォレストアドベンチャーなどのアスレチックやジップライン体験などがあります。これらで代用できるでしょう。


リズム・ドラム教育は「脳幹・小脳」を育てる

現代ではドラムは音楽のための楽器ですが、本来は言葉以外で意思を伝える行動を応用した楽器です。

  • 叩く
  • 揺れる
  • リズムに乗る
  • 体で感じる
  • 五感が開く
  • 感情が動く

歴史的に見ても、これらは人間が言葉を発する前から使われていた行動です。
また赤ちゃんが言葉を発するまでの意思の伝え方です。
これは脳幹・小脳を直接刺激し、
子どもに生命力と自信を与えます。

ドラムには、

  • 自己効力感
  • 自信
  • 心の安定
  • リズムの調和
  • 感情コントロール
  • 身体の発達

を同時に鍛える力があります。


まとめ:本能が文化に負けてはいけない

文化が本能を抑えつけた社会は、
どれだけ豊かでも、どれだけ便利でも、弱くなります。

  • 本能(脳幹)が育つ
  • 身体性(小脳)が育つ
  • 感情が安定する
  • 心が折れにくい
  • 自分で決められる
  • 生命力が強い

この順番で育つ子が、
“本当に強くて優しい子” です。

そのために、
自然・危険・身体・冒険・リズムの教育は欠かせません。

そしてその一部を、
ドラムという体験が確実に育てることができる。

現代にこそ、本能を取り戻す教育が必要です。

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