■ 導入
「ドラムのリズムが走るんです。」
これは、私の教室に来られるドラム初心者の方が本当によく口にする言葉です。
気づいたら速くなっている。
メトロノームと合わない。
バンドでテンポが合わない。
録音を聴いたらどんどん速くなっていた。
一生懸命練習しているのに、ドラムが安定しない。
その結果、
「自分にはリズム感がないのでは…」
「才能がないのかもしれない…」
と、不安になってしまう。
ですが、私ははっきりお伝えします。
それは才能の問題ではありません。構造の問題です。
ドラムのリズムが走るのは、センスではなく「練習の順番」「テンポ設定」「身体の使い方」「心理状態」などが絡み合った“構造的な現象”です。
この記事では、
- なぜドラムのリズムが走るのか
- テンポが速くなる本当の理由
- 正しいテンポキープの練習法
- 具体的なBPM設定
- 実際の生徒改善例
を、体系的に整理していきます。
読み終わる頃には、
「なんとなく不安」だった悩みが
「なるほど、ここを直せばいいのか」
という“地図”に変わっているはずです。
リズムが走るとはどういう状態か?
「ドラム リズム 走る」と検索する方の多くが、
- 自分では安定しているつもり
- でも録音すると速くなっている
- バンドで「走ってるよ」と言われる
- メトロノームと合わない
という状況にいます。
リズムが走るとは、
自分の体感よりも、実際のテンポが速くなっていく状態
のことです。
特に多いのが、
・サビに入ると速くなる
・フィルイン後に速くなる
・16ビートになると速くなる
・バスドラムが連打になると速くなる
というパターンです。
これは「テンポキープできない」というより、
“無意識に前のめりになっている”状態なのです。
テンポが速くなる本当の原因
テンポが速くなる原因は、ほぼこの4つに集約されます。
① テンポ設定が速すぎる
多くの人が最初からBPM100以上で練習します。
しかし、安定を作るテンポは BPM40〜60 です。
正しい段階は:
BPM40 → 50 → 60 → 75 → 90 → 110
110は「結果」であって「スタート」ではありません。
私は昔、BPM30で8ビートを2時間叩いたことがあります。
最初は遅すぎてイライラします。
しかし2時間後、BPM30が心地よくなりました。
その後にBPM45で叩くと、異常に速く感じるのです。
本来BPM45は遅いはずなのに、速く感じる。
これは“走る余地がない状態”ができている証拠です。
② 耳より先に手足が動く
リズムが走る人は、耳より先に身体が動きます。
「次はスネアだ」
「次はキックだ」
と、先回りして動いてしまう。
これがテンポが速くなる原因です。
③ 分解練習不足
いきなり両手両足で叩いていませんか?
右手だけで安定させる
足だけで安定させる
右手+右足で安定させる
左手だけで安定させる
という分解練習をしていないと、テンポは安定しません。
④ 焦りと心理的緊張
バンドでテンポが合わない原因の多くは「焦り」です。
遅れたくない。
置いていかれたくない。
その心理がテンポを前に押します。
心拍数が高い状態ほど走りやすくなります。なのでライブで緊張すると走りやすいのです。
間違った練習法
以下は危険です。
・最初からBPM100以上
・いきなり両手両足
・曲ばかり練習
細かいところに目を向けないと走り続けます。
正しいテンポキープ練習法
① BPM40(8分)で8ビートを1分間安定
② メトロノームを4分で練習
③ 4分を8分裏で捉える練習
④ メトロノームを2分で練習
⑤ メトロノームを全音符で練習
メトロノームを減らしてもキープできるようにします。
どんどんメトロノームを減らしていき最終的にはなしでキープできるようにします。
バスドラムが走ると全体が走る
右足が走ると、全体が崩れます。
・踏み急ぎ
・足首の力み
・重心が前に出る
バスドラムが速くなる原因は、単なる筋力不足ではありません。
構造的に“待てていない”状態です。右足が走ると上半身も引っ張られます。
特にダブルや連打では顕著です。まずはBPM60で単音キックを安定させることが重要です。
8ビートが安定していない可能性
8ビートはすべての土台です。
ここが曖昧だと、テンポキープはできません。
拍を2分割する世界を正確に理解することが最優先です。
16分音符が走る理由
16分音符は拍を4分割します。
ここで力むと一気に走ります。
右手だけ速くなる人は、分解練習が不足しています。
実際の生徒エピソード
● 16分で走っていた社会人
BPM95で練習していました。
BPM60に下げ、右手だけ練習。
2週間で劇的に安定しました。
● バンドで走っていた高校生
本番でテンポが速くなる。
裏拍クリック練習を導入。
1ヶ月後、バンドメンバーに「安定した」と言われました。
リズムは“才能”ではなく“構造”
安定とは再現性です。
基礎は遠回りではありません。
最短ルートです。
焦らなくていい。
待つ勇気があれば、必ず安定します。
■ 最後に
ドラムが安定しないと悩んでいる方へ。
構造を整えれば、必ず変わります。
千葉県船橋市で、初心者専門のマンツーマンレッスンを行っています。
あなたのリズムは、必ず変わります。
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