こんにちは、ドラム講師の川島です。
ドラム初心者の方から、バスドラムについてこんな質問を受けることがあります。
「バスドラムのペダルって、どこを踏めばいいんですか?」
バスドラムのフットペダルを見ると、足を乗せるフットボードが縦に長くなっています。
そのため、初心者の方は「前を踏むの?」「真ん中?」「それとも後ろ?」と迷ってしまうことがあります。
先に結論から言うと、バスドラムペダルには、ここだけを踏めば正解という位置はありません。
踏む位置によってペダルの感触やビーターの動き方が変わるため、演奏するフレーズや欲しい音に合わせて足の位置を変えていくことが大切です。
この記事では、バスドラムペダルの踏む位置を大きく
- 前側
- 中央付近
- 後ろ側
の3つに分けて、それぞれの特徴を初心者向けに解説していきます。
実際にはこの3か所だけを踏むわけではありません。まずは大きく3つに分けて違いを理解し、最終的にはフットボード全体を使えるようになっていきましょう。

バスドラムペダルは踏む位置で感触が変わる
バスドラムペダルは、同じペダルでも足を置く位置によって踏み心地が変わります。
特に変化を感じやすいのが、次のような部分です。
- ビーターを打面に押し付けやすいか
- 足をどれくらい大きく動かす必要があるか
- 音量を出しやすいか
- 素早い連打をしやすいか
- 踏み込んだ状態で安定させやすいか
ここでいう「前側」とは、ビーターやバスドラムに近い側です。
反対に「後ろ側」は、ドラマーの体に近い側になります。
この前後を逆に考えてしまうと分かりにくくなるので、まず位置関係を確認しておきましょう。

① バスドラムペダルの前側を踏む
まずは、フットボードの前側を踏む場合です。
前側を踏むと、ビーターをバスドラムの打面に押し付けた状態を作りやすくなります。
比較的軽い力でも踏み込んだ状態を維持しやすいため、安定感を得やすい位置だと考えることができます。
特に、ビーターを打面に押し付けたまま演奏する場合には使いやすく感じることがあります。
前側を踏むメリット
- ビーターを打面に押し付けやすい
- 踏み込んだ状態を維持しやすい
- 足元を安定させやすい
- 力強く踏み込む演奏に使いやすい
一方で、大きな音を出すためにビーターをしっかり振りかぶらせようとすると、ある程度足を高く持ち上げる必要があります。
バスドラムの音量は、単純に力を入れれば大きくなるというより、ビーターをどれくらい振りかぶり、打面まで動かせるかも重要です。
前側を踏んでいると、小さな足の動きではビーターを大きく後ろへ振りかぶりにくいため、大きな音を出すには足の動作もある程度大きくなります。
前側を踏むデメリット
- ビーターを大きく振りかぶるには足の動きも大きくなりやすい
- 大きな音を出そうとすると足をある程度持ち上げる必要がある
- 速い連打では動作が大きくなりすぎる場合がある
例えば、力強いバスドラムをしっかり踏み込みたいハードロック系の演奏では、前側が使いやすい場合があります。
ただし、「ロックなら必ず前側」という意味ではありません。
あくまで演奏方法によって選べる位置のひとつと考えてください。

② バスドラムペダルの中央付近を踏む
次は、フットボードの中央付近です。
中央付近を踏むと、前側ほどビーターを打面へ押し付けやすいわけではありません。
それでも、ある程度踏み込めばビーターを打面へ押し付けた状態を作ることはできます。
そして前側よりも、足をそれほど大きく持ち上げなくてもビーターを振りかぶらせやすくなります。
つまり中央付近は、安定感・音量・動かしやすさのバランスを取りやすい位置だと考えると分かりやすいでしょう。
中央付近を踏むメリット
- 前側と後ろ側の中間的な感触になる
- 音量とコントロールのバランスを取りやすい
- 足を極端に大きく動かさなくても演奏しやすい
- 普通の8ビートなど幅広い演奏に使いやすい
中央付近を踏むデメリット
- 前側ほど踏み込んだ状態の安定感に特化していない
- 後ろ側ほど小さな動きやスピードプレイに特化していない
ポップスなど、極端にパワーを必要とせず、極端に速いバスドラムも必要としない演奏では中央付近が使いやすいことがあります。
初心者の方が最初にペダルの感覚を確認するときにも、中央付近から始めると違いを感じやすいでしょう。

③ バスドラムペダルの後ろ側を踏む
3つ目は、フットボードの後ろ側です。
後ろ側を踏んだ場合、ビーターをバスドラムの打面に押し付けた状態を維持するには、前側よりも力が必要になりやすくなります。
そのため、ビーターを打面に押し付けながら安定させたい場合には、少し難しく感じることがあります。
これが後ろ側を踏む場合のデメリットです。
その一方で、後ろ側では少し足を動かしただけでもビーターを大きく動かしやすく感じます。
足を高く持ち上げなくてもビーターと打面の間に距離を作りやすいため、小さな動きから音量につなげやすいのが特徴です。
後ろ側を踏むメリット
- 足を大きく持ち上げなくてもビーターを動かしやすい
- 小さな足の動きで音量につなげやすい
- 足の上下動を小さくしやすい
- 速い連打などに使いやすい場合がある
後ろ側を踏むデメリット
- ビーターを打面へ押し付け続けるには力が必要になりやすい
- 踏み込んだ状態で安定させるには慣れが必要
例えば、バスドラムの速い連打やスピードを必要とするフレーズでは、足を大きく持ち上げていると次の一打に間に合わなくなってしまうことがあります。
そのような場合に、少し後ろ側を踏んで足の動きを小さくすると演奏しやすくなることがあります。

前・中央・後ろの違いを比較してみよう
ここまでの違いを、一度整理してみましょう。
| 踏む位置 | 特徴 | ビーターの押し付け | 足の動き | 向いている演奏の例 |
|---|---|---|---|---|
| 前側 | 安定・踏み込み重視 | 比較的しやすい | 大きな音を出す場合は大きくなりやすい | 力強い一打、ハードロック系など |
| 中央 | バランス重視 | ある程度しやすい | 中程度 | 8ビート、ポップスなど幅広い演奏 |
| 後ろ側 | 小さな動き・スピード重視 | 力が必要になりやすい | 小さくしやすい | 速い連打、スピードプレイなど |
ここで覚えておいてほしいのは、この表は「ジャンルごとに踏む位置が決まっている」という意味ではないということです。
同じ曲の中でも、力強いバスドラムを踏むところもあれば、細かい連打をするところもあります。
そのため、曲の途中で踏む位置が少し変わることもあります。
一番大切なのは「正しい位置を1つに決めない」こと
初心者の方ほど、
「結局、どこを踏むのが正解なんですか?」
と考えたくなると思います。
しかし、バスドラムペダルでは1つの踏む位置ですべての演奏をしようとしないことが大切です。
例えば、演奏の中では次のように求められることが変わります。
- 力強く1発を踏みたい
- 普通の8ビートを安定して踏みたい
- 小さな動きで演奏したい
- 速く連打したい
- ビーターを打面に押し付けたい
- ビーターを打面から離して演奏したい
これだけ違う動作を、まったく同じ足の位置だけで行う必要はありません。
例えば、力強さや安定感が欲しいときには少し前へ。
普通の8ビートなら中央付近。
速いフレーズになったら少し後ろへ。
このように、演奏に合わせて足の位置を微調整していきます。
もちろん実際には、前・中央・後ろが完全に3つに分かれているわけではありません。
前と中央の間を踏むこともありますし、中央よりほんの少し後ろを踏むこともあります。

実際の演奏ではフットボード全体を使おう
今回「前・中央・後ろ」と3つに分けたのは、初心者の方に違いを理解してもらうためです。
実際には、フットボード全体のさまざまな位置を使います。
ですので、
「前から○cmの場所を踏まなければいけない」
といった形で細かく位置を決める必要はありません。
足の大きさによっても変わりますし、履いている靴でも感触は変わります。
さらに、ペダル自体の設定によっても踏み心地は変化します。
- スプリングの強さ
- ビーター角度
- ビーターの重さ
- フットボードの長さや形
- ペダルそのものの構造
こうした条件によって、「この位置が踏みやすい」というポイントは人によって変わります。
ペダルのスプリングやビーター角度について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
バスドラムが踏みにくい場合は位置以外も確認しよう
バスドラムがうまく踏めないと、「足を置く位置が悪いのかな?」と思うかもしれません。
もちろん踏む位置も重要ですが、それだけが原因とは限りません。
例えば、踏んだ瞬間に足へ強く力が入ってしまうと、次の動作へ移るのが遅くなることがあります。
バスドラムを踏むと力が入りすぎてしまう方は、こちらも参考にしてください。
また、演奏しているうちにつま先が少しずつ前へ進んでしまい、いつの間にかフットボードの前側を踏んでいるということもあります。
足が前へ移動してしまう方はこちらで詳しく解説しています。
速いフレーズを踏もうとしたときに、バスドラムのダブルがうまくできない場合は、足首の力みなど別の問題が関係していることもあります。
バスドラムに関する悩みをまとめて確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
初心者におすすめの踏む位置を確認する練習
では最後に、前・中央・後ろの違いを実際に体感する練習をしてみましょう。
この練習の目的は、どこが正しいかを決めることではありません。
足を置く位置によってペダルの感触がどう変わるのか、自分の足で覚えることが目的です。
ステップ1:前側を10回踏む
まずフットボードの前側へ足を置き、ゆっくり10回ほどバスドラムを踏んでください。
ビーターの動きや、踏み込んだときの安定感を確認します。
ステップ2:中央を10回踏む
次に中央付近へ足を移し、同じように10回踏みます。
前側よりもビーターがどのように動くのかを感じてみてください。
ステップ3:後ろ側を10回踏む
続いて後ろ側を踏みます。
足を少し動かしたときに、ビーターがどのくらい動くのかを確認しましょう。
ステップ4:できるだけ同じ音量で比較する
前・中央・後ろで、できるだけ同じ音量になるように踏んでみてください。
同じ音量を出すために、足をどれくらい動かす必要があるかを比べると違いが分かりやすくなります。
ステップ5:8ビートで試す
次は実際に8ビートを叩きながら、少しずつ足の位置を変えてみます。
どの位置なら自然に演奏できるかを確認してください。
ステップ6:少し速い連打で試す
最後に、少し速いバスドラムの連打でも比較してみましょう。
前側・中央・後ろで、足の動かしやすさがどのように変化するのかを確認します。
この練習をすると、「バスドラムペダルは踏む場所によってこんなに感触が変わるんだ」ということが分かってくると思います。

まとめ|バスドラムペダルはフットボード全体を使おう
今回は、バスドラムペダルの踏む位置について解説しました。
大きく分けると、次の3つの特徴があります。
- 前側:踏み込みやすく、安定感を得やすい
- 中央:音量と操作性のバランスを取りやすい
- 後ろ側:小さな足の動きや素早いプレイに使いやすい
しかし、一番大切なのはどこか1か所だけを正解にしないことです。
力強い一打を踏むときと、普通の8ビートを踏むとき、速い連打をするときでは必要な動きが違います。
そのため、演奏するフレーズによって足の位置を少しずつ変えていきます。
そして最終的には、前・中央・後ろという3か所だけではなく、フットボード全体を使いながら自分が演奏しやすいポイントを探せるようになることが大切です。
まずは前・中央・後ろを実際に踏み比べて、自分の足でペダルの感触の違いを確かめてみてください。
ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。
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