フィルインで体が固まってしまうのはなぜ?
ドラム初心者の方や、ある程度パターンは叩けるようになってきた方の中には、
「フィルインになると急に体が固まる」
「練習ではできるのに、テンポが上がると崩れる」
「休符が入るフィルで動きが止まってしまう」
このような悩みを感じている方も多いのではないでしょうか。
フィルインには本当にたくさんの形がありますが、特によく出てくるのが16分音符と8分音符を組み合わせたフィルインです。
たとえば、
- タカンカ|タンタカ
- タカタカ|タカトン
- タンタカ|ウカタカ
- タカンカ|タンタカ|ウカタン|タタタタ
このようなフレーズは、実際の曲の中でもよく使われます。
ただ、こうしたフィルインを練習していると、ゆっくりでは叩けるのに、速くすると急に体が止まることがあります。
その大きな原因のひとつが、休符を感じすぎることで体の流れまで止めてしまうことです。
今回は、なぜフィルインで体が固まるのか、そしてどう練習すれば自然に流れるように叩けるようになるのかを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
フィルインで体が固まる原因
ゆっくり練習では「休符を感じること」が大切
フィルインの練習は、最初はゆっくりしたテンポから始めるのが基本です。
この段階では、音を出す場所だけでなく、休む場所をしっかり感じることがとても大切です。
たとえば、頭に休符が入るフレーズでは、音が鳴っていない瞬間も含めてリズムとして捉える必要があります。
そのため、ゆっくり練習しているときは、
- どこで叩くのか
- どこで休むのか
- どの長さで次の音に入るのか
を丁寧に確認することが必要です。
この練習自体はとても大切で、決して間違いではありません。
速いテンポになると「休符を感じる感覚」が強すぎることがある
ただし、ここで気をつけたいことがあります。
それは、ゆっくり練習で身につけた“休符を強く感じる感覚”を、そのまま速いテンポまで持っていってしまうことです。
テンポが上がってくると、音と音の間隔はどんどん短くなります。
そのときに、ひとつひとつの休符を強く意識しすぎると、体の中で一瞬ブレーキがかかってしまいます。
すると、
「休む」→「止まる」→「次の動きが遅れる」
という流れになりやすくなります。
その結果、フィルイン全体が遅れたり、リズムが重たくなったり、スムーズさがなくなってしまうのです。
早いテンポでフィルイン行う場合、休符と言うのは休むということではありません。音を鳴らさないと言うことです。
特に固まりやすいのは「頭に休符があるフィルイン」
音がない瞬間を強く意識しすぎると遅れやすい
たとえば、
- タンタカ|ウカタカ
- タカンカ|タンタカ|ウカタン|タタタタ
のように、フレーズの頭や途中に休符が入るフィルインは、特に体が固まりやすいです。
なぜかというと、音が鳴っていない瞬間を「しっかり待とう」としすぎることで、待つ意識が強くなりすぎるからです。
もちろん、休符は適当にしてよいものではありません。
ですが、速いテンポでは“待つ”というより“流れの中に休符がある”と捉えることが大切です。
休符を点で強く感じるのではなく、全体の流れの中の一部として感じることが重要です。
ドラム初心者によくある間違い
1. 休符を「止まること」だと思ってしまう
もっとも多いのが、休符=完全停止という感覚になってしまうことです。
しかし実際には、ドラム演奏は音が鳴っていない瞬間でも、体の中の拍や流れは続いています。
休符があるからといって、体の流れまで止めてしまうと、次の一打が遅れやすくなります。
休符は音を鳴らさなければいいのです。
2. ゆっくりの感覚をそのまま速いテンポに当てはめてしまう
ゆっくり練習は大切ですが、テンポが変われば必要な感覚も変わってきます。
低速では確認を重視し、
中速ではつながりを重視し、
高速では流れを重視する。
この切り替えができないと、いつまでも“確認のための叩き方”から抜け出せません。
3. 手順ばかり気にして体の流れを見失う
フィルインが苦手な方ほど、
- 右手
- 左手
- 足
- 休符
- 次の音
と、細かく考えすぎてしまうことがあります。
もちろん最初は整理が必要ですが、考えることが多すぎると、かえって体が固まりやすくなります。
フィルインは“点の集合”であると同時に、“流れ”でもあるということを忘れないことが大切です。
ゆっくりな時は、フィルインを1拍ずつ捉えても問題はありませんが、テンポが速くなってくると、1小節のフィルインであれば1小節丸ごと覚えてしまうような感覚で叩いた方がやりやすいです。
正しい考え方は「休符を感じる」から「流れを止めない」への切り替え
フィルインを自然に叩けるようになるためには、テンポに応じて意識を変えていく必要があります。
ゆっくりでは休符をはっきり感じる
最初の段階では、
どこで休むのかを明確にすることが大切です。
これは譜面を正しく読むためにも必要ですし、リズム感を育てるためにも重要です。
テンポが上がってきたら休符の意識を少し薄くする
少しずつテンポを上げていくときは、休符を「強く止める感覚」ではなく、流れの中にある空白として感じていきます。
ここで大切なのは、休符をなくすことではなく、休符への力みを減らすことです。
速いテンポでは体の流れを止めないことを優先する
速いテンポになると、細かい音符をひとつずつ止めて確認している余裕はありません。
この段階では、体が流れている中で音が並んでいく感覚が大切になります。
つまり、
「休符を強く意識する」よりも「流れを止めない」ことを優先する
という考え方に切り替える必要があります。
フィルインで固まらないための具体的な練習方法
ステップ1:ゆっくりなテンポで休符をしっかり意識する
まずはゆっくりなテンポで、フレーズの構造を理解します。
たとえば次のようなフィルを使ってみてください。
- タカンカ|タンタカ
- タンタカ|ウカタカ
この段階では、
- どこが音なのか
- どこが休符なのか
- 次の音にどうつながるのか
を丁寧に確認します。
ここでは正確さを優先して大丈夫です。
ステップ2:少しずつテンポを上げながら、休符への意識を薄くする
次に、メトロノームを少しずつ上げていきます。
ここで意識したいのは、
休符を“待つ”のではなく、“通り過ぎる”感覚です。
おすすめは、5〜10ずつテンポを上げながら、
- 体が止まっていないか
- 次の一打が遅れていないか
- フレーズ全体がつながっているか
を確認することです。
もし体が固まる感覚が出てきたら、テンポを少し戻して、流れを保てる速さで練習し直しましょう。
ステップ3:速いテンポでは「動き続ける感覚」を優先する
ある程度テンポが上がってきたら、今度は細かい確認よりも、全体の流れの中で叩けるかを重視します。
このときのポイントは、
- 体の動きを止めない
- 休符の瞬間に固まらない
- 次の音へ自然につなげる
ということです。
特に、頭に休符があるフィルインでは、音がない瞬間も拍の流れは続いていることを感じてみてください。
練習するときのコツ
声で言いながら叩くと流れがつかみやすい
フィルインは、口でリズムを言いながら叩くと理解しやすくなります。
たとえば、
- タカンカ|タンタカ
- タンタカ|ウカタカ
のように、声で流れを途切れさせずに言えるかを確認すると、体の流れも整いやすくなります。
足で拍を感じるのも効果的
手だけに集中しすぎると、休符で止まりやすくなります。
そんなときは、足で拍を軽く感じながら練習すると、流れが切れにくくなります。
体全体で拍を保つことが、フィルインの安定につながります。
「正確さ」と「流れ」は段階ごとに優先順位が変わる
ずっと同じ意識で練習するのではなく、段階ごとに優先順位を変えることが大切です。
- 低速:正確さ重視
- 中速:つながり重視
- 高速:流れ重視
この切り替えができると、フィルインはかなり安定しやすくなります。
よくある質問
Q1. フィルインで休符を感じること自体は間違いですか?
間違いではありません。
むしろ、最初の段階では休符をしっかり感じることはとても大切です。
ただし、その感覚を強く持ちすぎたままテンポを上げると、体が止まりやすくなります。
テンポに応じて意識を変えていくことが大切です。
Q2. 速くなると毎回フィルインが遅れます。どうしたらいいですか?
原因のひとつとして、休符や次の一打を意識しすぎて体が一瞬止まっている可能性があります。
まずはテンポを少し落として、流れを止めずに叩ける速さを見つけてください。
そこから少しずつテンポを上げると改善しやすいです。
Q3. 頭に休符があるフィルインが特に苦手です
とてもよくあることです。
頭の休符は「待つ」意識が強くなりやすいため、体が固まりやすいからです。
そんなときは、休符を“空白”として感じるのではなく、拍の流れの中の一部として捉えるようにすると、自然につながりやすくなります。
まとめ|フィルインで体が固まるのは、休符を感じすぎて流れが止まるから
フィルインで体が固まってしまうのは、技術がないからというより、テンポに対して意識の置き方が合っていないことが多いです。
今回のポイントをまとめると、次の通りです。
- ゆっくりなテンポでは休符をしっかり意識する
- テンポが上がるにつれて休符への意識を少し薄くする
- 速いテンポでは体の流れを止めないことを優先する
- 特に頭に休符があるフィルインは固まりやすいので注意する
- “止まらずに流れる感覚”を育てることが大切
フィルインは、ただ音を並べるだけではなく、流れの中で自然に入っていくことがとても重要です。
もし今、
「フィルインになると体が固まる」
「速くすると遅れる」
「休符が入ると急に難しくなる」
と感じているなら、今回の考え方を意識して練習してみてください。
少しずつでも、感覚は確実に変わっていきます。
フィルインの悩みは、一人で抱え込まなくて大丈夫です
ドラム初心者の方にとって、フィルインはつまずきやすいポイントのひとつです。
ですが、原因がわかれば、練習の方向性もはっきりしてきます。
川島広明ドラム教室では、初心者の方でも無理なく理解できるように、
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