こんにちは、ドラム講師の川島です。
現在はAIやインターネットを使えば、曲の中からドラムパートだけを分離したり、演奏を楽譜に変換したりできるようになりました。
叩き方が分からなければインターネットで調べられますし、YouTubeを開けば、実際の手足の動きまで確認できます。
ここまで便利になると、次のように思う方もいるのではないでしょうか。
- AIで楽譜を作れるなら、わざわざ耳コピする必要はないのではないか
- YouTubeを見ながら叩けるようになれば、それで十分ではないか
- 何日もかけて一曲を聴き取る練習に、本当に意味があるのか
- AIが作った楽譜は、そのまま正しいものとして使ってよいのか
もちろん、AIやインターネットを使うことが悪いわけではありません。ライブまで時間がないときや、短期間で何曲も覚えなければならないときには、とても役立ちます。
ただし、ここで知っておきたいことがあります。
短時間で楽譜を完成させることと、自分の耳や演奏能力が育つことは同じではありません。
昔ながらの耳コピでは、単にドラムの音符を調べるだけではなく、実際のドラマーが出している音を何度も聴きます。
スネアがどのような音をしているのか。ハイハットはどのくらいの音量で、どのような音質なのか。バスドラムは強く前に出ているのか、それとも楽曲の中へ自然になじんでいるのか。
そうした情報を繰り返し聴くことで、楽譜には書き切れない音のイメージが自分の中へ入ってきます。
今回は、最も原始的で時間のかかる練習が、なぜ深い能力を育てることがあるのかについてお話しします。また、AIを使った効率的な練習と、自分の耳を鍛える練習をどのように使い分ければよいのかも解説します。
現在はAIで耳コピや採譜を短時間で行える
現在は、ドラムの耳コピを始めるまでの準備がとても簡単になりました。
インターネットですぐに音源を探せますし、曲の一部分だけを繰り返し再生することもできます。再生速度を落としたり、聞き取りにくい数秒間だけをループさせたりすることも可能です。
さらにAIを利用すれば、ボーカル、ギター、ベース、ドラムなどを分離し、ドラムパートだけを聴くこともできます。
サービスによっては、分離したドラムパートを解析し、音符や楽譜へ自動的に変換することもできます。
分からないフレーズが出てきた場合は、曲名や演奏箇所を検索します。それでも分からなければ、YouTubeで演奏動画や解説動画を確認できます。
現代の練習では、次のような流れを短時間で進められます。
- インターネットで音源を探す
- AIでドラムパートを分離する
- 自動採譜機能で楽譜を作る
- 分からない奏法を検索する
- YouTubeで手足の動きを確認する
- 完成した楽譜を見ながら練習する

非常に効率的ですし、限られた時間で一曲を完成させるためには優れた方法です。
好きな曲を早く叩けるようになれば、練習も楽しくなります。ライブの日程が迫っている場合には、使える道具を積極的に使った方がよいでしょう。
ただし、この方法ではAIが多くの作業を代わりに行ってくれるため、自分の耳を使って考える過程が少なくなることがあります。
昔の耳コピはもっと原始的だった
昔は、現在のように音源や楽譜を簡単に手に入れられるわけではありませんでした。
まずCDショップやレコードショップへ行き、練習したい曲が収録された作品を購入します。それを家へ持ち帰り、CDプレーヤーやレコードプレーヤーで再生します。
楽譜が販売されていなければ、自分でドラムの音を聴き取るしかありません。
一小節だけ曲を聴いてプレーヤーを止め、聞こえたドラムの音を楽譜へ書きます。分からなければ同じ場所まで戻し、もう一度再生します。
それでも分からなければ、さらに繰り返します。
バスドラムがどこに入っているのか。スネアは何拍目なのか。ハイハットは8分音符なのか16分音符なのか。シンバルと同時にどの太鼓が鳴っているのか。
一つずつ音を探しながら、少しずつ楽譜を作っていきます。

一度聴いただけで、すべての音が分かるわけではありません。何度聴いても判断できないこともあります。
それでも、自分なりに予想して書きます。そして翌日にもう一度聴いてみると、前日には分からなかった音が突然聞こえることがあります。
1日目は1番、2日目は2番、3日目はCメロ、4日目は最後のサビというように、少しずつ進めていきます。
曲によっては、一曲のドラム譜を完成させるだけで1週間ほどかかることもあります。

とても時間がかかりますし、根気も必要です。できるだけ早く曲を叩きたい人から見ると、効率の悪い方法に思えるでしょう。
しかし、この一見すると遠回りに見える時間の中で、ドラムに必要なさまざまな能力が育っていきます。
原始的な耳コピで育つ6つの能力
自分の耳だけを頼りに、一小節ずつ楽譜へ書き取る作業では、単に音符を確認しているわけではありません。
耳、記憶、知識、判断力、想像力、身体感覚など、複数の能力を同時に使っています。
1.ドラムの音を聞き分ける能力
曲の中では、ドラムだけが鳴っているわけではありません。ボーカル、ギター、ベース、キーボードなど、さまざまな音が同時に鳴っています。
その中からハイハット、スネア、バスドラムなどを探すには、聴きたい音へ意識を向けなければなりません。
最初は、すべての音が一つのかたまりに聞こえるかもしれません。しかし、同じ曲を何度も聴いているうちに、それぞれの音の輪郭が少しずつ分かるようになります。
「この低い音はバスドラムかもしれない」「この鋭い音はスネアだろう」と考えながら聴くことで、ドラムの音へ意識を向ける習慣ができます。
曲を聴くときに、どのようにドラムやリズムへ意識を向ければよいのかについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
2.曲の構成を覚える能力
一小節ずつ書き取るためには、曲がどのような順番で進んでいるのかを整理しなければなりません。
イントロ、Aメロ、Bメロ、サビ、Cメロ、間奏、最後のサビなど、曲の区切りを確認しながら楽譜を作ります。
同じ曲を何度も聴くため、楽譜が完成する頃には、曲の構成も自然に頭の中へ入っています。
ただ音符を覚えるのではなく、「この歌詞の後にフィルインが入る」「次のサビでクラッシュシンバルを叩く」というように、音楽の流れとドラムの演奏が結びついていきます。
3.音を音符へ変換する能力
聞こえた音を楽譜へ書くためには、その音が拍のどの位置にあるのかを考えなければなりません。
バスドラムが1拍目の頭にあるのか、8分音符の裏にあるのか。スネアが2拍目と4拍目にあるのか。それとも16分音符の位置に細かく入っているのか。
耳で聞こえたものを、拍や音符として整理する作業が必要です。
最初は分からなくても、何度も繰り返しているうちに、「この音の間隔は8分音符だ」「この細かさは16分音符だ」と判断できるようになります。
4.分からないことを自分で調べる能力
昔は、分からないことがあっても、すぐに動画で答えを確認できるわけではありませんでした。
楽譜の読み方が分からなければ、ドラム譜について書かれた教則本を探します。知らない記号が出てきたら、参考書のページをめくりながら意味を調べます。
調べて、試して、間違えて、もう一度確認する。この過程を繰り返すことで、知識が単なる情報ではなく、自分の経験として残りやすくなります。
5.頭の中の音を身体で再現する能力
耳コピは、楽譜を書いて終わりではありません。
聴き取った音を頭の中でイメージし、その音になるように手足を動かします。頭の中で鳴っているリズムと、実際に自分が叩いたリズムを比べながら修正します。
この「聴く・理解する・動く・確認する」という循環が、演奏能力を育てていきます。
6.ドラマーが出している音を感覚的に取り込む能力
ここが、今回特にお伝えしたい大切な部分です。
耳コピの目的は、音符の位置を調べて楽譜を作ることだけではありません。
同じ演奏を何度も聴くことで、実際のドラマーがどのような音を出しているのかを感覚的に取り込めます。
同じスネアでも、叩き方や楽曲によって音は大きく変わります。
- 硬く鋭い音なのか
- 太く深い音なのか
- 短く歯切れのよい音なのか
- 余韻が長く残る音なのか
- 強く前へ出ているのか
- 楽曲の中へ自然になじんでいるのか
ハイハットも同じです。
音符としては同じ8分音符でも、音質、音量、開き具合、アクセントの位置によって、聞こえ方やグルーヴは変わります。
細く繊細な音で刻んでいるのか。力強く前へ出すように叩いているのか。すべて同じ音量なのか。表拍と裏拍で音量に差をつけているのか。
こうした情報は、通常の楽譜だけでは完全に表現できません。
バスドラムについても、単に「この位置で踏む」という情報だけではありません。アタックの強さ、音の長さ、ベースとの重なり方などを何度も聴くことで、曲の中でどのような役割を果たしているのかが分かってきます。

原曲を何度も聴くと、実際に練習するときにも「どの位置を叩けばよいか」だけではなく、「どのような音を出せばよいか」を考えられるようになります。
楽譜を正確に再現しているのに、原曲と雰囲気が違うことがあります。それは、音符は合っていても、音色、音量、アクセント、余韻などが違っているからかもしれません。
ドラムの上達には、目から得る情報だけでなく、耳や身体の感覚を使うことが大切です。形だけを覚える練習の問題については、こちらの記事でも解説しています。
楽譜が完成しても、音のイメージがなければ演奏は変わらない
AIが正確な楽譜を作ってくれたと仮定します。
その楽譜を見れば、バスドラム、スネア、ハイハットを叩く位置は分かります。しかし、それだけで原曲と同じような演奏ができるとは限りません。
楽譜に書かれているのは、主に「いつ」「どの楽器を」叩くのかという情報です。
実際の演奏には、それ以外にも多くの情報が含まれています。
- どのくらいの強さで叩くのか
- どのような音色を出すのか
- 音をどのくらい伸ばすのか
- どこにアクセントを置くのか
- リズムをどのように流れさせるのか
- ほかの楽器に対して、どのくらいの音量で演奏するのか
AIに音源の分離から採譜までをすべて任せ、完成した楽譜だけを見て練習すると、原曲を注意深く聴く過程が省略されることがあります。
その結果、音符の位置は分かっていても、どのような音を目指せばよいのか分からない状態になってしまいます。
もちろん、AIを使った人が原曲をまったく聴かないという意味ではありません。AIを利用しながら原曲を何度も聴き、音色や音量まで確認している人もいます。
問題はAIを使うことではなく、楽譜を完成させることだけが目的になり、実際の音を深く聴く時間がなくなることです。

頭の中に音のイメージがなければ、自分が出した音と目標の音を比べられません。
反対に、「原曲のスネアは、もっと太くて強い音だった」「ハイハットはもう少し小さく、軽い音だった」というイメージがあれば、自分の演奏を修正できます。
頭の中に取り込んだ音を実際の演奏として出力する流れについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
曲を早く完成させることと能力を育てることは違う
AIで作られた楽譜を見ながら練習すれば、短時間で一曲を叩けるようになる可能性があります。
これは決して悪いことではありません。好きな曲を早く叩けるようになれば楽しいですし、練習を続けるモチベーションにもなります。
ただし、完成した楽譜を最初から見てしまうと、省略される過程があります。
- どこでバスドラムが鳴っているのかを探す
- スネアの位置を予想する
- ハイハットの細かさを判断する
- 曲の構成を自分で整理する
- 聞こえたリズムを音符へ変換する
- ドラマーが出している音色や音量を記憶する
- AIの採譜が正しいか判断する
完成した楽譜を読む練習では、すでに整理された答えを身体で再現することが中心になります。
一方、自力の耳コピでは、答えへたどり着くまでの過程も自分で行います。
そのため、一曲を完成させるまでには時間がかかりますが、耳、記憶、理解、判断、演奏という複数の能力をまとめて使えます。
私は、ドラムの音を優先的に聴き取り、その音を感覚的に理解できる状態を、分かりやすく「ドラム脳」と表現することがあります。
これは医学的な意味で脳が特別な形へ変化するという話ではありません。
普段からドラムの音へ意識を向けることで、曲を聴いたときにドラムの細かな音、音量、音色、演奏の流れへ気づきやすくなるという意味です。
一見すると遠回りに見える基礎練習が、結果的に上達への近道になる理由については、こちらの記事も参考にしてください。
AIによるドラムの採譜は完全ではない
もう一つ大切なのは、AIが作成した楽譜が、必ずしもすべて正しいわけではないことです。
AIによる楽器分離や自動採譜の精度は進歩していますが、使用するサービスや音源によって結果は異なります。
例えば、次のような部分では誤認識が起こることがあります。
- 音量の小さなゴーストノート
- ベースの低音と重なったバスドラム
- 細かなハイハットの開閉
- スネアとタムが同時に鳴るフィルイン
- 複数のシンバルが重なった音
- 残響が長く残っている部分
- ほかの楽器の音が大きい部分
AIがスネアとして認識した音が、実際にはタムかもしれません。バスドラムが鳴っているのに、ベースの低音へ埋もれて採譜されないことも考えられます。
また、音符の位置が合っていても、ゴーストノートとアクセントの強弱が正確に反映されていない場合があります。
そのため、AIの出力は「完成した正解」ではなく、「耳コピを助ける参考資料」として利用するのがよいでしょう。
AIの間違いを修正するのも人間の耳
AIが作った楽譜に間違いが含まれていた場合、誰がその間違いを見つけるのでしょうか。
最終的には、原曲を聴いた人間が判断する必要があります。
ところが、自分でドラムの音を聞き分ける練習をほとんどしていなければ、AIの採譜が間違っていても気づけない可能性があります。
画面に表示された音符をすべて正しいと思い、そのまま練習してしまうかもしれません。
AIを上手に使うためにも、人間側に一定の知識と判断力が必要です。
これはドラムだけに限りません。便利な道具が出した答えを利用するには、その答えが正しいかどうかを確認する能力も必要になります。
AIが発達するほど、自分の耳で聴き、自分の頭で判断する力が重要になるとも考えられます。
何度も原曲を聴き、自分なりに採譜し、AIの結果と比べる。この作業を繰り返すことで、AIの間違いに気づける耳も育っていきます。
AIを使った練習と自力の耳コピを比較する
AIを利用する方法と、自分の耳で一小節ずつ聴き取る方法には、それぞれ異なる長所があります。
どちらが正しく、どちらが間違っているということではありません。何を目的に練習するのかによって、適した方法が変わります。
| 比較項目 | AIを活用する方法 | 自力で耳コピする方法 |
|---|---|---|
| 完成までの時間 | 短時間で進めやすい | 数日から1週間以上かかることがある |
| 手軽さ | 音源分離や採譜を簡単に試せる | 繰り返し再生と書き取りが必要 |
| 音を聞き分ける力 | 分離音源に頼ると使う機会が減る | 原曲から音を探すため鍛えやすい |
| 採譜する力 | 自動採譜で負担を減らせる | 聞こえた音と音符を結びつけられる |
| 音色の理解 | 楽譜だけを見ると意識しにくい | 繰り返し聴くため記憶に残りやすい |
| 曲の構成 | 完成した楽譜を追うだけになる場合がある | 区切りを自分で整理するため覚えやすい |
| 間違いの判断 | 結果をそのまま信じる場合がある | 原曲と照合する習慣が身につきやすい |
| 向いている場面 | 本番が近いときや複数曲を覚えるとき | 耳や音楽的な理解を育てたいとき |
| 注意点 | AIの結果が正確とは限らない | 時間がかかり、途中で挫折しやすい |

短時間で曲を完成させたいなら、AIを活用する方法が適しています。一方、耳、採譜能力、音色のイメージを育てたいなら、自力で音を探す時間に意味があります。
大切なのは、方法の効率だけではなく、今回の練習で何を伸ばしたいのかを決めることです。
時間がないときはAIを使ってよい
ライブまで数日しかないのに、「能力を鍛えるため、すべての曲を最初から自力で耳コピしなければならない」と考える必要はありません。
10曲、20曲と覚えなければならない場合、一曲ずつ1週間かけていたら本番に間に合わなくなってしまいます。
そのようなときは、AIでドラムパートを分離したり、市販の楽譜を利用したり、演奏動画を参考にしたりして構いません。
本番に間に合わせることが今回の目的なら、その目的に適した道具を使う方が合理的です。
ほかにも、次のような場面ではAIが役立ちます。
- 音が重なり、どうしてもバスドラムが聞こえない
- 細かなフィルインの手順を確認したい
- 自分で作った楽譜が合っているか確かめたい
- 短期間で複数の曲を覚える必要がある
- 耳コピを始めたばかりで、何から聴けばよいか分からない
私も、便利な道具は目的に合わせて使えばよいと考えています。
問題になるのはAIを使うこと自体ではなく、考える前からすべての答えをAIに出してもらうことが習慣になることです。
効率を優先する日があっても構いません。忙しい人が短い時間で効果を出す練習については、こちらの記事も参考にしてください。
耳を育てたい日は、あえて遠回りをする
本番まで余裕があり、耳や音のイメージを育てることが目的なら、あえてAIを使わずに取り組む時間を作ってみてください。
最初から一曲すべてを採譜する必要はありません。
まずは4小節だけでも構いません。サビの基本リズムだけ、好きなフィルインだけというように、範囲を限定して始めることもできます。
例えば、最初の15分間は自分の耳だけで考えます。その後、どうしても分からない部分だけAIで分離して確認します。
大切なのは、答えを見ないことではなく、答えを見る前に自分なりの予想を作ることです。
自分で「ここにバスドラムがあると思う」と予想した後で答えを確認すると、予想と実際の違いが分かります。
また、音符だけではなく、音色についても予想してみてください。
「スネアは強く叩いているのか」「ハイハットは小さな音で刻んでいるのか」「バスドラムは短い音なのか」と考えながら聴きます。
正解を当てることだけが目的ではありません。自分で意識を向けて聴くことに意味があります。
YouTubeの演奏を見て形だけを真似することと、自分の中に演奏の土台を作ることの違いについては、こちらの記事でも解説しています。
AIと自力の耳コピを組み合わせる7ステップ
AIを完全に使わない方法と、最初からすべてAIに任せる方法の二択にする必要はありません。
自分で考える時間を確保しながら、分からない部分だけAIに助けてもらう方法がおすすめです。
ステップ1.何も見ずに曲全体を聴く
最初から楽譜や演奏動画を見ず、まず曲全体を聴きます。
この段階では、すべての音を正確に聴き取ろうとしなくても構いません。曲のテンポ、雰囲気、拍子、構成などを大まかにつかみます。
ステップ2.バスドラムとスネアを聴き取る
次に、リズムの骨組みとなるバスドラムとスネアへ意識を向けます。
最初からすべての楽器を聴こうとすると、情報が多すぎて混乱しやすくなります。まずはスネアが何拍目にあるのかを確認し、その後でバスドラムを探しましょう。
ステップ3.ハイハット、シンバル、タムを加える
バスドラムとスネアが分かったら、ハイハットを加えます。
8分音符なのか16分音符なのか、途中でオープンハイハットが入っているのかを確認します。さらに、シンバルやタムへ切り替わる場所も探します。
ステップ4.一小節ずつ楽譜へ書く
聞こえた音を一小節ずつ楽譜へ書きます。
最初からきれいな楽譜を作る必要はありません。五線譜へ正確に書くのが難しければ、「1と3にバスドラム」「2と4にスネア」というメモから始めても構いません。
ステップ5.分からない部分だけAIで確認する
最低でも数回は自分で考え、それでも分からない場所だけAIで分離します。
曲全体を最初からAIへ任せるのではなく、聞き取れなかった数秒間に範囲を限定すると、自分の耳を使う時間を残せます。
ステップ6.AIの結果と原曲を聴き比べる
AIで分離された音源や自動生成された楽譜を、そのまま正解だと思い込まないようにします。
AIの結果を確認したら、もう一度原曲を聴きます。
「確かにここでバスドラムが鳴っている」「楽譜ではスネアになっているが、原曲ではタムに聞こえる」と、自分の耳で最終確認します。
ステップ7.音色を思い浮かべながら演奏する
楽譜が完成したら、書かれた音符を機械的に追うだけではなく、原曲の音を頭の中で思い浮かべてから叩きます。
スネアの音、ハイハットの音量、バスドラムの強さなどを思い出し、自分が出した音と比較します。
慣れてきたら楽譜から少しずつ目を離し、音の流れを感じながら演奏してみましょう。

自分が主役であり、AIはサポート役
人間は、どうしても楽な方向へ進みやすいものです。
答えをすぐ確認できる環境があれば、自分で考える前に検索したくなります。分からないフレーズがあれば、すぐYouTubeを開きたくなることもあるでしょう。
それ自体が悪いわけではありません。ただ、毎回最初から答えを見ていると、自分で予想し、試し、間違いを修正する経験が少なくなります。
どれだけAIやロボットが発達しても、AIが自分の代わりにドラムを上達させてくれるわけではありません。
AIが楽譜を作ってくれたとしても、それが正しいかどうかを判断するのは自分です。そのリズムを身体で表現し、目標とする音へ近づけていくのも自分です。
AIが適切な練習方法を教えてくれたとしても、実際にスティックを持ち、ペダルを踏み、繰り返し練習するのは自分です。
知識を手に入れたことと、身体でできるようになったことの間には、大きな距離があります。
自分で考え、何度も間違え、時間をかけて身につけた演奏には、その人が積み重ねた経験が含まれています。
楽譜には書かれていない音色、音量、余韻、グルーヴなども、その過程で自分の中へ取り込まれていきます。

自分が練習の主役であり、AIはその練習を支えるサポート役です。
この関係が逆にならないようにすることが、これからの時代には大切だと思います。
まとめ|最後に正しさを判断するのは人間の耳
AIやインターネットの発達により、ドラムの耳コピや採譜は以前より短時間で行えるようになりました。
ドラムパートを分離し、自動で楽譜を作り、演奏動画を見ながら練習できることは、大きなメリットです。
ライブが近いときや、短期間で複数の曲を覚えなければならないときは、積極的に利用してよいと思います。
一方、時間をかけて一小節ずつ聴き取り、自分で楽譜へ書く原始的な練習には、効率だけでは測れない効果があります。
- ドラムの音を聞き分ける
- 曲の構成を覚える
- 音を音符へ変換する
- 分からないことを自分で調べる
- 頭の中の音を身体で再現する
- 実際のドラマーの音色や音量を感覚的に取り込む
- AIの間違いを自分で判断する
耳コピは、楽譜を完成させるためだけの作業ではありません。
原曲を何度も聴き、スネア、ハイハット、バスドラムがどのような音を出しているのかを記憶し、自分の演奏へつなげる練習です。
AIが作った楽譜から音符の位置を知ることはできます。しかし、どのような音を出せばよいのかを理解するためには、実際の音を注意深く聴く必要があります。
また、AIによる採譜には微妙な間違いが含まれることがあります。その間違いを発見し、原曲と比べながら修正するためにも、自分の耳と判断力が必要です。
大切なのは、AIを使うか使わないかという二択ではありません。
時間がない日はAIを使い、能力を育てたい日は自分の耳を使う。最初は自分で考え、どうしても分からない場所だけAIに助けてもらう。
このように、目的に応じて使い分けていきましょう。
何が正しく、何が間違っているのかを最後に判断するのは人間です。
便利なAIを上手に利用しながら、自分の耳で聴き、頭で考え、身体を動かす練習も残していくことが大切だと思います。
ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。
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船橋周辺の方は対面レッスン、遠方の方はZoomオンラインレッスンにも対応しています。
「この曲を叩けるようになりたい」という方へ。課題曲に合わせて、必要な基礎からフレーズまで個別に練習していくコースです。
オンライン学習型
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