ドラムができないたびにYouTubeを探していませんか?練習方法を変えすぎる落とし穴

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こんにちは、ドラム講師の川島です。

ドラムのレッスンをしていると、最近こんな相談を受けることがあります。

「教えてもらった練習をやってみたんですが、なかなかできません。このやり方で合っていますか?」

「5分くらい練習してもできなかったので、別の方法をYouTubeで探した方がいいでしょうか?」

こういう疑問を持つ気持ちは、とてもよく分かります。

今はYouTubeやSNS、Googleなどで検索すれば、ドラムの練習方法がいくらでも出てきます。ですので、少し練習してうまくいかないと、「もっと正しい方法があるのではないか?」と思ってしまいやすいんですね。

もちろん、本当に練習方法が間違っている場合もあります。

しかし、ここでぜひ知っておいてほしいことがあります。

すぐに結果が出ないからといって、その練習方法が間違っているとは限りません。

特にストローク、脱力、ダブルストローク、アップダウン奏法、バスドラムなど、身体の動きを使うテクニックについては、正しい方法を理解したからといって、その日のうちにできるようになるとは限りません。

むしろ数週間、数か月、場合によっては半年や1年以上かけて少しずつ身につけていくことの方が普通です。

今回は、ドラムのテクニックを練習するときに非常に大切な「すぐに答えを出さない」という考え方についてお話ししていきます。

できないから失敗なのではありません。できない状態も含めて、すべてが上達するための練習過程です。

5分練習してできなくても、それは普通です

新しいテクニックを説明したあと、生徒さんが5分ほど練習して、

「やっぱりできません」

と言うことがあります。

でも、これは当然のことなんですね。

例えば、初めてダブルストロークを練習するとします。

私が手の使い方やリバウンドの使い方を説明して、生徒さんがその内容を理解できたとしても、頭で理解できたことと、身体がその通りに動けることは別の問題です。

「こうやって叩けばいいんだ」ということは数分で理解できるかもしれません。

しかし、その動きを毎回同じように再現できるようになるには、繰り返しが必要です。

新しい身体操作が5分程度で完全に定着することを期待するのは、あまり現実的ではありません。

もし初めてやったテクニックを数分ですぐに自然に使えるのであれば、もともと似た動きをたくさん経験していたか、非常に高い運動能力を持っている可能性があります。

普通はそうではありません。

最初はぎこちなくて当たり前です。

そして、ぎこちない状態から何度も繰り返すことで、少しずつ身体がその動きを覚えていきます。

テクニックの習得は、大まかには「理解する → 繰り返す → 感覚がつかめる → 成功率が上がる → 考えなくてもできる」という流れで進んでいきます。

大切なのは、最初の「理解した」という段階で完成を求めないことです。

練習時間の作り方や、短い時間でも効率よく取り組む方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

正しい練習でも何か月も結果が見えないことがあります

私がレッスンをしていて、特にこのことを感じるのがテクニックを教えているときです。

例えば、

  • シングルストローク
  • ダブルストローク
  • アクセント
  • アップダウン奏法
  • 脱力
  • バスドラムのダブル
  • ペダルの踏み方

こういったものは、正しいやり方を一度聞けば終わりというものではありません。

私はレッスンの中で、その生徒さんの現在の動きを見ながら、できるだけその人に合った方法を提案しています。

それでも、説明した瞬間から完璧になるわけではありません。

むしろ、そこからが練習のスタートです。

例えば、今日のレッスンでダブルストロークの新しい感覚をつかんだとします。

その日はなんとなく分かった。

ところが翌日になると、またできなくなる。

数日後には少しできる。

次の週にはまた分からなくなる。

そして1か月くらい続けていると、「前より少し楽にできるようになってきた」という変化に気づきます。

こういうことは珍しくありません。

テクニックは、「できた・できない」の二択ではなく、少しずつ成功率が変化していくものなんですね。

ドラムの基本的なテクニックをどのような順番で身につけていくのかについては、こちらの記事も参考にしてください。

「できない期間」は失敗ではなく、練習の一部です

ここはとても大切です。

何かを練習していて、まだできない期間が続くと、「自分は上達していない」と思ってしまうことがあります。

しかし、実際の上達は一直線ではありません。

例えば、あるテクニックを練習していると、こんな流れになることがあります。

最初は全然できない。

数日後、少しだけ感覚が分かる。

翌日はまたできなくなる。

その次の日には、10回に1回だけ成功する。

しばらくすると、10回に3回できる。

さらに続けると、10回に7回できる。

そして、いつの間にか意識しなくてもできるようになる。

つまり、上達というのはきれいな右肩上がりではありません。

できたり、できなかったり、少し戻ったりしながら、全体として少しずつ上へ進んでいきます。

この途中にある「できない」という時間も、実は身体が学習している大切な時間です。

ドラムの上達そのものがどのような過程で進んでいくのかは、こちらの記事でも詳しく解説しています。

すぐに別の練習方法を探してしまう落とし穴

ここで最近特に感じることがあります。

今はインターネットがあります。

YouTubeを開けば、同じテクニックについて何十人ものドラマーが説明しています。

例えばダブルストロークだけでも、

「指を使う」

「手首を使う」

「リバウンドを使う」

「腕を使う」

など、いろいろな説明が見つかります。

情報を集めること自体は悪いことではありません。むしろインターネットには、とても有益な情報がたくさんあります。

ただし問題になるのは、少しやってできなかったら、すぐ次の方法へ移ってしまうことです。

例えば、方法Aを3日試します。

できない。

そこで方法Bへ変えます。

また3日練習します。

やっぱりできない。

今度はYouTubeで方法Cを見つけます。

すると、身体が一つの動きを覚える前に、毎回違う動きへ変更することになります。

もちろん本当に合っていない方法なら、変更する必要があります。

しかし、まだ十分に試していない段階で方法を変え続けていると、「どの方法も身につかない」という状態になってしまうことがあります。

このあたりは、初心者の方が練習で挫折しないためにも非常に重要です。

インターネットの情報が間違っているわけではありません

ここで誤解してほしくないのですが、YouTubeやインターネットで紹介されている練習方法が悪いと言っているわけではありません。

私自身もインターネットから情報を得ることがあります。

ただ、一つ大きな違いがあります。

インターネット上の情報の多くは、不特定多数の人に向けて作られているということです。

例えば、「ダブルストロークができません」という悩みがあったとします。

同じ「できない」という状態でも、原因は人によって違います。

  • スティックを強く握りすぎている
  • リバウンドを止めている
  • 左手だけ力んでいる
  • 指を使いすぎている
  • 手首が固まっている
  • テンポが速すぎる
  • そもそものストロークが安定していない

このように原因が違えば、必要なアドバイスも変わります。

個人レッスンのメリットは、実際にその人の動きを見ながら、「今はどこを直した方がいいのか」を判断できるところにあります。

ですので、レッスンで自分の状態を見てもらって練習方法が決まったのであれば、家に帰って5分や10分練習しただけで「やっぱり違うかもしれない」と判断するのではなく、まずはある程度続けてみてほしいと思います。

「頭では分かっているのに、身体がその通りに動かない」という悩みについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

正しい方法が分かったら、一定期間続けてみる

では、どのくらい練習すればいいのでしょうか。

これはテクニックや経験によって大きく違うため、「必ず1か月」と決めることはできません。

ただ、5分や10分で判断するのではなく、もう少し長い目で見ることは大切です。

例えば、一つの目安としてはこのように考えられます。

今日

まずは正しい動きの形を確認します。

できるかどうかよりも、ゆっくりしたテンポで動きを再現できるかを確認します。

1〜2週間

最初に感じていた違和感が少しずつ減ってくる時期です。

まだ安定しなくても問題ありません。

1〜2か月

少しずつ成功する回数が増えてきます。

以前より力まなくなった、以前より速くなったなど、小さな変化が見えることがあります。

数か月

練習パターンだけではなく、実際の曲やフレーズの中でも使えるようになってくることがあります。

もちろん、この期間はあくまで一例です。

人によって習得までの時間はまったく違います。

毎日練習できる人もいれば、仕事や学校が忙しく週に何回かしか練習できない人もいます。

大切なのは、「○日でできなければ失敗」という考え方をしないことです。

特に速いフレーズを練習するときほど、最初からスピードを求めず、できる形をゆっくり作る必要があります。

では、いつ練習方法を変えればいいのでしょうか?

ここまで読むと、

「では、同じ練習をずっと続ければいいんですか?」

と思うかもしれません。

そういうわけでもありません。

大切なのは、盲目的に続けるのではなく、観察しながら続けることです。

例えば、次のような場合は一度やり方を見直した方がいいかもしれません。

  • 練習すると痛みが出る
  • 強い力みがいつまでも続く
  • 以前より動きにくくなっている
  • 音が極端に悪くなっている
  • 長期間続けてもまったく変化を感じない
  • 講師から別の方法を提案された

つまり、

「まだできないから変える」

のではなく、

「今の身体の状態を観察して、必要だから変える」

ということです。

これはかなり大きな違いです。

練習で大切なのは、ただ回数をこなすことではありません。

自分の音や身体の動きを観察しながら、「少し前と何が変わったか」を確認することです。

練習結果だけではなく、練習する過程そのものを見ることについてはこちらの記事でも解説しています。

1年かけて身につけても、テクニックはさらに変わります

ここからは少し長い目で考えてみます。

私自身、これまで長くドラムを続けてきましたが、一度身につけたテクニックがそのままずっと変わらないわけではありません。

例えば、ある奏法を1年間練習して身につけたとします。

その時点では、「これが自分にとって一番いい」と思っているかもしれません。

ところが、その奏法をさらに数年使っていると、

「もう少し力を抜いた方がいいかもしれない」

「この角度の方が自然に動く」

「以前とは違う身体の使い方の方が、今の演奏には合っている」

という新しい発見が出てくることがあります。

これは以前のやり方がすべて間違っていた、ということではありません。

以前の自分にはその方法が必要で、その経験があったからこそ次の方法が見えてきたということもあります。

ドラムのテクニックは、

実践する。

気づく。

修正する。

また練習する。

そして、さらに新しいことに気づく。

この繰り返しで進化していきます。

基礎練習が一見遠回りに見えても、その先の演奏を支える大切な土台になる理由についてはこちらの記事も参考にしてください。

「早くできるようになること」だけが上達ではありません

今は「最短」「効率」「すぐできる」といった言葉をよく目にします。

もちろん効率の良い練習をすることは大切です。

間違った練習を何年も続ける必要はありません。

しかし、効率よく練習することと、すぐ結果を出すことは同じではありません。

どれだけ効率の良い方法でも、身体に定着するまでに必要な反復があります。

ドラムでは特に、この「身体が覚えるまで待つ」という感覚が大切です。

少しずつ身体が変化しているのに、完成していないという理由だけで「上達していない」と判断してしまうのは、もったいないと思います。

「ドラムができないのは才能がないからなのでは?」と不安になる方もいますが、できるまでに時間がかかること自体は珍しいことではありません。

大切なのは「正解を手に入れること」ではありません

ここからは少し考え方の話になります。

私は、ドラムの練習というのは、正しい答えを一つ見つけて終わるものではないと思っています。

もちろん最初は、ある程度の基本があります。

スティックの持ち方、身体の使い方、ストロークなど、まず学ぶべき土台があります。

しかし、そこから先は実際に自分で演奏しながら、ずっと考え続けることになります。

「もっといい音が出せないか」

「もっと力を抜けないか」

「もっと楽に速く叩けないか」

「この曲では、この音の方がいいんじゃないか」

こういった疑問は、ドラムを続けている限りなくならないと思います。

練習して、発見する。

少し修正して、また練習する。

すると、今まで分からなかったことが分かってくる。

そして、分かったと思ったら、さらに新しい疑問が出てくる。

この繰り返しです。

だから私は、重要なのは「最終的な答えを手に入れること」ではないと思っています。

もっと良くできないかと考え続ける姿勢そのものが、上達なのではないかと思います。

練習に対する考え方やモチベーションを長く保つ方法については、こちらの記事でも紹介しています。

完成しないからこそ、ドラムは面白い

初心者の頃は、どうしても「できる」「できない」で判断してしまいます。

ダブルストロークができた。

8ビートができた。

フィルインができた。

もちろん、こういった成功体験も非常に大切です。

でも、ドラムを長く続けていくと、「できるようになったら終わり」ではないことに気づきます。

昨日できなかったものが今日できる。

今日できたものを、明日はもっと良い音で叩く。

1年後には、もっと少ない力で演奏する。

5年後には、そのテクニックを音楽の中で自然に使えるようになる。

こうやって同じテクニックでも少しずつ変化していきます。

ですので、今練習していることがなかなかできなくても、焦る必要はありません。

正しい方向で練習できているのであれば、まずはある程度時間をかけて続けてみてください。

そして、ただ繰り返すのではなく、自分の身体や音を観察してください。

「昨日より少し楽になった」

「まだ成功率は低いけれど、前より感覚が分かる」

「以前より力が抜けてきた」

こういった小さな変化を見つけることが大切です。

練習方法や上達する順番について迷ったときは、こちらの記事も参考になると思います。

まとめ|すぐにできないからといって、練習方法を捨てない

今回は、「テクニックの練習ですぐに結果が出なくても、そのやり方が間違っているとは限らない」ということについてお話ししました。

  • 頭で方法を理解することと、身体が動きを覚えることは別
  • テクニックによっては数週間、数か月、半年以上かかることもある
  • 「できない期間」も習得するために必要な過程
  • すぐ別の方法を探し続けると、身体が動きを覚える前に練習方法が変わってしまう
  • インターネットには有益な情報が多いが、自分に合っているかを判断する必要がある
  • 痛みや強い力みなどがある場合は、方法を見直す必要がある
  • 一度身につけたテクニックも、長く演奏することでさらに進化していく

正しいやり方が分かったら、今日できなかったという理由だけで、その方法をすぐに捨てないでください。

5分や10分で結果を判断するのではなく、少しずつ身体に覚えさせていきます。

そして、その中で自分の音や身体を観察し、必要なときに少しずつ方法を調整していけばいいと思います。

ドラムには、おそらく完全な完成というものはありません。

できるようになれば、もっと良くしたくなる。

もっと良くなれば、今まで見えなかった課題が見えてくる。

その繰り返しです。

答えを手に入れることよりも、問い続けること。

完成しないからこそ、ドラムは何年続けても面白い。

私はそう思っています。

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たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。

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