こんにちは、ドラム講師の川島です。
ドラムを練習していると、
「楽譜を見ながらなら叩けるけれど、楽譜を外すと急に叩けなくなる」
ということがあります。
私のレッスンでもよくあるのですが、これは決して珍しいことではありません。
初心者のうちは、楽譜を見ながら、
- 次はスネア
- ここでバスドラム
- 右手の次は左手
と考えながら叩いて大丈夫です。
むしろ最初は、それくらい一つひとつ確認しながら練習する必要があります。
ただし、ずっとその状態のままでは、なかなか自由にドラムを叩けるようにはなりません。
最終的には、
「頭の中で鳴っているリズムを、そのまま手足で表現する」
という状態に近づいていくことが大切です。
今回はわかりやすく、このような感覚的・直感的に演奏している状態を「右脳で叩く」と表現していきます。
ただし、脳科学的に「ドラムは右脳だけを使って叩いている」という意味ではありません。
この記事でいう「右脳で叩く」とは、一つひとつ頭の中で言葉にして考えるのではなく、耳や身体感覚、頭の中にあるリズムのイメージを使って自然に演奏する状態だと思ってください。
今回は、そんな感覚を育てるために私がおすすめしたい、次の3つのトレーニングを紹介します。
- リズムを歌ってから叩く
- 音源を聴いてすぐに真似する
- 制限を設けて即興演奏する
ドラムを「考えながら叩く」状態から抜け出そう
ドラム初心者の段階では、
楽譜を見る
↓
次に叩く音符を確認する
↓
どの手・どの足を動かすか考える
↓
実際に叩く
という流れになっていることが多いと思います。
これは最初の練習としてはまったく問題ありません。
ところが、この練習だけをずっと続けていると、
「楽譜を見て叩ける」
と同時に、
「楽譜を見ないと叩けない」
という状態になることがあります。
例えば、楽譜を隠した瞬間に、
「あれ?次は何だっけ?」
となってしまうわけですね。
理想はここからもう一段階進んで、
頭の中でリズムが鳴る
↓
そのリズムを身体へ伝える
↓
手足が動く
↓
ドラムの音として表現される
という状態です。
上手いドラマーは、この変換が非常に速いです。
「右手をこうして、左手をこうして……」と毎回考えているのではなく、頭の中で鳴ったリズムが瞬間的に身体へ伝わっていきます。

感覚トレーニング① リズムを歌ってから叩く
まず最初におすすめしたいのが、
「リズムを歌ってから叩く」
という練習です。
これは非常に大切です。
楽譜を見ながら練習していると、どうしても、
- ここがスネア
- ここがバスドラム
- これは16分音符
- 右手の次が左手
というように、目で情報を確認しながら身体を動かそうとします。
もちろん、フレーズを覚える最初の段階ではこれで構いません。
ただ、ある程度叩けるようになってきたら、少しずつ楽譜から離れていきましょう。
そこでやってほしいのが、まずリズムを口で歌うことです。
例えば、
「ドン・タン・ドド・タン」
でもいいですし、
「タカタカ・ドン・タン」
でも構いません。
言葉は何でも大丈夫です。
重要なのは「ドン」や「タン」という言葉そのものではありません。
自分の頭の中で、そのリズムの音が鳴っていることが大切です。
練習の流れとしては、次の順番がおすすめです。
- 楽譜を見る
- リズムを理解する
- 口で歌う
- 楽譜を見なくても歌えるようにする
- 歌っているリズムを手足に伝える
- ドラムセットで演奏する
特に大切なのが、
「叩く前に歌えるか?」
ということです。
口で歌えないリズムを、手足だけで正確に表現するのはかなり難しいです。
逆に言えば、頭の中ではっきりリズムが鳴っていて、それを口でも自由に表現できるようになると、あとはそのリズムを手足へ移していけばいいわけです。
上級者は、この「頭の中の音 → 身体」への変換が非常に速いのだと思います。
楽譜を読む能力ももちろん必要ですが、楽譜を読むこと自体がゴールではありません。
最終的には楽譜から離れても、自分の頭の中でリズムが鳴っている状態を目指してみてください。
リズムを口ずさむ重要性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
感覚トレーニング② 音源を聴いてすぐに真似する
2つ目は、
「音源を聴いて、すぐに真似する」
という練習です。
私はこの練習も非常に重要だと思っています。
特におすすめなのが耳コピです。
耳コピというと、
「曲を聴いて楽譜を書く」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、今回やってほしいのは、いきなり楽譜を書くことではありません。
まず音を聴きます。
そして、聴いたリズムを口で歌ってみます。
もう一度聴きます。
また歌います。
違っていたら修正します。
つまり、
聴く
↓
歌う
↓
もう一度聴く
↓
修正する
↓
また歌う
というインプットとアウトプットを何度も繰り返します。
これによって、自分の頭の中に少しずつリズムが蓄積されていきます。

口である程度正確に歌えるようになったら、今度はそれをドラムセットで表現してみましょう。
つまり、
音源を聴く
↓
頭の中に音を取り込む
↓
口で歌う
↓
手足へ伝える
↓
ドラムで再現する
という流れです。
最初から1曲全部やる必要はありません。
むしろ初心者の方は、短いフレーズから始めた方がいいです。
最初は1小節だけでも構いません。
1小節できたら2小節。
2小節できたら4小節。
慣れてきたらAメロ。
最終的に1曲。
というように少しずつ長くしていきましょう。

また耳コピをするときは、単純に、
「スネアがどこにあるか」
「バスドラムがどこにあるか」
だけを聴くのではなく、次のような部分にも注目してください。
- スネアはどのくらいの音量なのか
- ハイハットはどんな音色なのか
- どこにアクセントが付いているのか
- 音と音の間隔はどうなっているのか
- どんなグルーヴになっているのか
こうした部分まで聴けるようになると、さらに演奏の感覚が育ってきます。
音楽を聴くこと自体がドラムの練習になっていくわけですね。
音楽の聴き方についてはこちらの記事でも解説しています。
また、音を取り込んで身体で表現するインプットとアウトプットについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
感覚トレーニング③ 制限を設けて即興演奏する
3つ目は、
「制限を作ってアドリブをする」
という練習です。
アドリブと聞くと、
「自由に好きなものを叩けばいい」
と思うかもしれません。
しかし実は、初心者にとって「何をしてもいい」という状態はかなり難しいです。
ドラムセットには、
- ハイハット
- スネア
- バスドラム
- ハイタム
- ロータム
- フロアタム
- クラッシュシンバル
- ライドシンバル
など、たくさんの楽器があります。
さらにリズムについても、
- 8分音符
- 16分音符
- 3連符
- 6連符
- 32分音符
- シングルストローク
- ダブルストローク
- パラディドル
など、選択肢がどんどん増えていきます。
するとアドリブをしようと思った瞬間に、
「何を叩けばいいんだろう?」
となってしまいます。
そこで、あえて制限を作ります。
最初は3点だけでアドリブする
例えば、
- ハイハット
- スネア
- バスドラム
この3つだけを使います。
タムは禁止。
クラッシュも禁止。
ライドも禁止です。
こうすると選択肢が一気に少なくなります。
その状態で、
「こんなリズムを叩いてみよう」
と頭の中でイメージして、そのまま演奏してみます。
3点だけで自由に叩けるようになってきたら、次にフロアタムを追加します。
さらに慣れてきたらハイタム。
次にシンバル。
というように、少しずつ使える楽器を増やしていきます。

使える音符を制限する方法もおすすめ
制限するのは楽器だけではありません。
例えば、
「今日は8分音符だけ」
と決めてもいいです。
あるいは、
「8分音符と16分音符だけ」
でも構いません。
ほかにも、
- 16分音符と3連符だけ
- シングルストロークだけ
- バスドラムは4分音符だけ
- 右手はハイハットだけ
など、いろいろなルールを作ることができます。
こうして制限を設けると、
「ここで6連符を使おうかな」
「32分音符のダブルストロークを入れようかな」
「難しいフレーズを使おうかな」
といった余計な選択肢を考えなくて済みます。
ここがポイントです。
制限を作る目的は、練習を難しくすることではありません。
逆です。
「考えることを減らす」
ために制限を作ります。
考える対象が減れば、その分、
「今、自分の頭の中ではどんなリズムが鳴っているのか?」
という部分に集中しやすくなります。

「考えずに叩く」とは何も考えないことではない
ここで一つ大切なことがあります。
今回の記事では、
「考えずに叩く」
という表現を使っています。
ただし、これは、
「何も考えず適当にドラムを叩く」
という意味ではありません。
初心者の頃は、
- 次は右手
- 次は左手
- ここでバスドラム
というように、一つひとつ意識しながら身体を動かします。
それを何度も練習することで、その処理が少しずつ自動化されていきます。
自転車と似ています。
自転車に初めて乗ったときは、
- ハンドルをどうするのか
- ペダルをどう踏むのか
- バランスをどう取るのか
- ブレーキをどう使うのか
いろいろなことを考えます。
しかし慣れてしまえば、
「今から右足を踏んで、その次は左足を踏んで……」
などとは考えませんよね。
ドラムも同じです。
理解する
↓
ゆっくり練習する
↓
何度も繰り返す
↓
身体に定着する
↓
意識しなくても演奏できる
という段階があります。

ですので、最初から「何も考えないようにしよう」とする必要はありません。
最初はしっかり考えて大丈夫です。
その代わり、できるようになってきたものについては、少しずつ頭で考えることから離れていきましょう。
右脳・左脳とドラム練習についてはこちらの記事でも解説しています。
楽譜を見ながら考えすぎてしまう人はこちらも参考にしてください。
楽譜は読めるのに演奏につながらない場合はこちらの記事でも詳しく解説しています。
3つの練習に共通するのは「頭の中の音を表現する力」
ここまで、
- リズムを歌ってから叩く
- 音源を聴いてすぐに真似する
- 制限を設けて即興演奏する
という3つを紹介しました。
一見すると、全部違う練習に見えるかもしれません。
しかし、実は共通していることがあります。
それが、
「頭の中にある音を身体で表現する」
ということです。
リズムを歌う練習では、自分の頭の中にリズムを作ります。
耳コピでは、外から聴いた音を自分の頭の中へ取り込みます。
アドリブでは、自分の中から新しいリズムを作ります。
そして最終的には、それを手足へ伝えてドラムの音として表現します。

この能力が育ってくると、演奏中に一つひとつ手足について考える時間が少なくなってきます。
その結果、より音楽そのものに集中して演奏できるようになっていきます。
初心者でもできる1日10分の感覚トレーニング
今回紹介した練習は、長時間行う必要はありません。
まずは1日10分くらいでも十分です。
例えば、次のように練習してみてください。
最初の3分|リズムを歌う
簡単な1〜2小節のリズムを見ます。
すぐにドラムを叩かず、まず口で歌ってください。
楽譜を見ながら歌えるようになったら、楽譜を隠します。
そして、何も見ずに歌えるか確認します。
次の3分|音源を聴いて真似する
好きな曲から短いドラムフレーズを一つ選びます。
1小節くらいで大丈夫です。
聴いたら音源を止めて、口でリズムを真似します。
もう一度聴いて確認してから、実際にドラムで叩いてみましょう。
最後の4分|制限付きアドリブ
ハイハット・スネア・バスドラムの3点だけを使います。
さらに、
「8分音符と16分音符だけ」
などのルールを一つ決めます。
その状態で4分間、自由にリズムを作ってみましょう。
難しいフレーズを叩こうとしなくて大丈夫です。
頭の中で鳴ったものを、そのままドラムで表現することを優先してください。

まとめ|楽譜から離れて「頭の中のリズム」を叩けるようになろう
今回は、
「ドラムで右脳を鍛える?考えずに叩けるようになる感覚トレーニング3選」
というテーマで、
- リズムを歌ってから叩く
- 音源を聴いてすぐに真似する
- 制限を設けて即興演奏する
という3つの方法を紹介しました。
ドラムが上手い人は、何も考えず適当に手足を動かしているわけではありません。
最初はしっかり考えて練習しています。
ただ、その練習したことが少しずつ身体の中に入り、必要な瞬間に自然に出てくる状態になっているのだと思います。
ですので、
- まずは理解する
- 次に歌えるようにする
- 音源を聴いて真似する
- 少ない選択肢の中で、自分でもリズムを作ってみる
という流れを意識してみてください。
そして最終的には、
「頭の中で鳴っている音を瞬間的にドラムで表現する」
というところを目指してみましょう。
楽譜を読むことがゴールではありません。
楽譜から離れても自分の中でリズムが鳴っていて、それを手足で自由に表現できる。
そこまで行くと、ドラムはさらに楽しくなってきます。
ぜひ今回紹介した3つの感覚トレーニングを、普段の練習に少しずつ取り入れてみてください。
ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。
船橋周辺で直接レッスンを受けたい方、またはZoomで個別に見てもらいたい方には、無料体験レッスンや課題曲マスターコースをご用意しています。
一方で、ご自宅で自分のペースで学びたい方には、動画で学べるオンライン会員、初心者8週間プログラム、買い切り型の単品オンライン講座もあります。
ご自身の目的や生活スタイルに合わせて、下記より学び方をお選びください。
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自宅で学びたい方にはオンライン学習型をご用意しています。
個人レッスン型
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