こんにちは、ドラム講師の川島です。
今回は「ドラムのキックペダルの選び方」について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
キックペダルは見た目だけを見ると、どれも似たように見えるかもしれません。
ですが、実際に踏んでみるとペダルによってかなり感覚が違います。
フットボードの大きさ、チェーンの種類、カムの形、ビーターの重さ、スプリングの強さなどによって、踏み心地やビーターの戻り方が変わってきます。
初心者の方の場合、「たくさん種類があるけれど、何を基準に選べばいいの?」と迷うことも多いと思います。
そこで今回は、キックペダルを選ぶときに私が特に確認したいと思っているポイントを7つに分けて紹介します。
- フットボードの大きさ
- ドライブ方式
- アンダープレート
- 耐久性
- カム
- ビーター
- スプリング
高価なペダルだから必ず自分に合うというわけではありません。
踏みやすさ・安定性・反応速度・パワー・耐久性などを総合的に見ながら、自分の足に合うものを選ぶことが大切です。

キックペダルを選ぶときに確認したい7つのポイント
まずは、今回紹介する7つのポイントを簡単に整理しておきます。
- フットボード:足を置いたときの安定感に関係する
- ドライブ方式:踏み心地や反応、パワー感が変わる
- アンダープレート:ペダル本体の安定性に関係する
- 耐久性:長く使ったときのガタつきなどに関係する
- カム:踏み始めからビーターが当たるまでの感覚が変わる
- ビーター:音量や踏み心地、重さに影響する
- スプリング:ビーターが戻ってくる速さや抵抗感に影響する
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①フットボードの大きさ
最初に確認したいのが、足を乗せるフットボードの大きさです。
キックペダルによって、フットボードの横幅や長さはかなり違います。
横幅が広いものもあれば細いものもありますし、上から下まで長く作られているロングボードタイプのペダルもあります。
個人的には、初心者の方にはある程度大きめのフットボードの方が踏みやすいと思っています。
特に、自分の足の横幅に対してフットボードが極端に狭いと、足を置いたときに何となく不安定に感じることがあります。
演奏中に足の位置が少しずれただけで、
- ペダルから足が外れそうに感じる
- 足の位置が気になって演奏に集中しづらい
- 左右方向に不安定な感覚がある
といったこともあります。
もちろん、小さいフットボードの方が踏みやすいという方もいますので、これはかなり好みがあります。
可能であれば楽器店で実際に靴を履いた状態で足を乗せてみて、「足が自然に収まるか」を確認してみるとよいでしょう。

②ドライブ方式|チェーン・ベルト・ダイレクトの違い
キックペダルの踏み心地を大きく左右するのがドライブ方式です。
主な種類としては、次の3種類があります。
- チェーンドライブ
- ベルトドライブ
- ダイレクトドライブ
さらにチェーンドライブには、シングルチェーンとダブルチェーンがあります。
チェーンドライブ
チェーンドライブは、現在のキックペダルでは非常に一般的な方式です。
フットボードを踏んだ力をチェーンを通してビーターへ伝える仕組みになっています。
私の感覚では、チェーンドライブはパワーとコントロールのバランスが取りやすいタイプだと思います。
しっかり踏み込めば力がビーターへ伝わりやすく、大きな音も出しやすいです。
特にダブルチェーンは左右方向への安定感があり、シングルチェーンよりもフットボードが安定して感じられるモデルが多いです。
初心者の方で「どれを選んでいいか分からない」という場合は、まずチェーンドライブを試してみるのもよいと思います。
ベルトドライブ
ベルトドライブは、チェーンの代わりにベルトを使ってフットボードとカムをつないでいます。
踏み込んだときの感触が比較的軽く、滑らかに動くと感じることがあります。
個人的には、スピードを必要とするプレイや、細かいニュアンスをコントロールしたいときに使いやすく感じます。
ただし、ペダルの踏み心地はドライブ方式だけで決まるわけではありません。
カムやスプリング、ビーターなどによってもかなり変わるため、「ベルトなら必ず軽い」とは考えず、実際に踏んで確認することが大切です。
ダイレクトドライブ
ダイレクトドライブは、フットボードと駆動部分が金属パーツなどで直接つながっているタイプです。
チェーンやベルトのような柔らかいパーツを間に挟まないため、足を動かした瞬間の反応がビーターに伝わりやすい特徴があります。
私の場合は、ダイレクトドライブを踏むと「ペダルを踏んでいる」というよりも、右足とビーターが直接つながっているような感覚があります。
そのため、高速フレーズや細かいコントロールなど、テクニカルな演奏には向いていると感じます。
一方で、反応がかなりダイレクトなので、初心者の方に必ずしも一番踏みやすいとは限りません。
| 種類 | 特徴 | 向いている演奏 |
|---|---|---|
| チェーンドライブ | パワーと扱いやすさのバランスが良い | 幅広いジャンル |
| ベルトドライブ | 軽く滑らかな感触になりやすい | スピード、繊細なプレイ |
| ダイレクトドライブ | 足の動きへの反応が速い | 高速・テクニカルな演奏 |
自分がどのような演奏をしたいのかを考えながら選んでいくとよいでしょう。

③アンダープレートの有無と安定性
次に見てほしいのが、ペダルの下側にあるアンダープレートです。
アンダープレートが付いているペダルは、フットボードやヒール部分などを一枚のプレートで支えているため、全体的にしっかりした作りになっています。
個人的には、初心者の方にはアンダープレートが付いているタイプをおすすめしています。
アンダープレートがないペダルの場合、強く踏み込んだときにペダルそのものが少し動いたり、横方向へずれたりすることがあります。
演奏しているときにペダル自体が動いてしまうと、右足の位置も変わってしまうので、安定してバスドラムを叩きにくくなります。
一方で、アンダープレートがないタイプにもメリットがあります。
- 軽い
- 持ち運びやすい
- ケースに収納しやすい
ライブやスタジオへ頻繁に持ち運ぶ人にとっては、軽量であることも大きなメリットです。
ですので、安定性を優先するならアンダープレートあり、軽さを優先するならプレートなしという考え方でもよいと思います。

④耐久性|ヒンジ部分を確認する
キックペダルを長期間使うのであれば、耐久性も重要です。
特に確認したいのが、フットボードの後ろ側にあるヒンジです。
ヒンジはフットボードが上下する支点になる部分ですが、ここにガタつきが出てくると、フットボードが上下だけではなく左右にも動くようになることがあります。
足をフットボードへ置いたときに左右へグラグラ動いてしまうと、これはかなり叩きにくいです。
特に長期間使うことを考える場合には、値段だけではなく、ヒンジ部分や軸部分がしっかり作られているかも確認したいところです。
比較的安価なペダルの中には、長く使っていくことでヒンジなどにガタつきが出るものもあります。
もちろん、1万円以下だから必ず壊れるという意味ではありませんし、高価なペダルなら絶対に壊れないということでもありません。
使用頻度やメンテナンスによっても耐久性は変わります。
ただ、ある程度しっかりした作りのペダルを購入しておくと、長期間使える可能性が高くなります。
私自身もペダルは長く使いますので、購入価格だけではなく「10年単位で使えるか」という目線で選ぶことがあります。
最初は少し高く感じても、長く使えるのであれば結果的にはコストパフォーマンスが良い場合もあります。
⑤真円カムと偏芯カムの違い
次はカムについてです。
カムとは、チェーンやベルトがかかっている部分で、フットボードを踏んだ力をビーターへ伝える役割があります。
このカムの形によっても、踏み心地はかなり変わります。
大きく分けると、真円カムと偏芯カムがあります。
真円カム
真円カムは、その名前の通り比較的丸い形をしています。
踏み始めからビーターがヘッドへ当たるまでの動きが自然で、クセが少ないのが特徴です。
私の感覚では、踏み込んだときにある程度の重さを感じながら、スムーズにビーターが前へ進んでいきます。
非常に一般的で扱いやすいため、初心者にも使いやすいと思います。
偏芯カム
偏芯カムは、真円ではなく少し形が変化していて、踏み込んでいく途中でビーターの動き方が変わります。
モデルにもよりますが、踏み込みの後半でビーターが加速するような感覚があります。
私の感覚では、踏み始めが少し軽く感じ、そこからビーターがヘッドへ素早く近づいていくように感じます。
そのため、真円カムのペダルとまったく同じ感覚で踏んでいると、ビーターが自分の予想より早くヘッドへ当たってしまうことがあります。
結果として、バスドラムだけ少し前へ走っているように聞こえることもあります。
そういった場合は、足を無理に速く動かすのではなく、少し我慢するような感覚でタイミングを調整してみましょう。
重要なのはペダルの動き方を理解して、実際に鳴っている音を耳で聴きながら足のタイミングを合わせることです。

⑥ビーターの重さ
キックペダルを購入したときについてくるビーターも、メーカーやモデルによってかなり違います。
ビーターは重いものから軽いものまであります。
一般的に重いビーターは、慣性を利用して強い力でヘッドを叩きやすいため、パワーのある音を出しやすくなります。
その一方で、ビーターそのものを動かすためにある程度の力が必要になります。
- パワーを出しやすい
- 踏み込んだ感触が分かりやすい
- 大きな音を出しやすい
というメリットがありますが、
- 少し重く感じる
- 戻りが遅く感じることがある
- 高速で連打すると疲れやすい場合がある
という面もあります。
逆に軽いビーターは、比較的軽快に動かしやすいため、素早いプレイに向いていると感じる人もいます。
例えば、私の場合はDWのペダルを購入したときに標準で付いているビーターをかなり重く感じることがあります。
そのため、購入後すぐに自分が使いやすい別のビーターへ交換することもあります。
これは完全に好みです。
重い方が良い、軽い方が良いということではなく、自分が踏んでいて気持ちよく演奏できる重さを選ぶことが大切です。

⑦スプリングの強さと長さ
最後はスプリングです。
キックペダルの横を見るとスプリングが付いています。
このスプリングには、踏み込んだビーターを元の位置へ戻す役割があります。
フットボードを踏むとビーターが前へ進み、足の力を抜くとスプリングの力によってビーターが戻ってきます。
基本的には、購入したときに付いている純正スプリングをそのまま使って問題ありません。
初心者の方であれば、まずはデフォルトの状態から使い始めることをおすすめします。
ただし、高速のダブルやトリプルなどをたくさん使うようになると、ビーターが戻ってくるスピードも重要になってきます。
そういった場合にはスプリングテンションを調整したり、モデルによっては短めのスプリングを試したりすることもあります。
スプリングの戻る力が強くなると、ビーターも素早く戻りやすくなります。
ビーターが早く戻れば、次の一打を出す準備も早くできます。
ただし、スプリングを強くすればするほど良いというわけではありません。
戻る力を強くすると、その分だけ踏み込むときの抵抗も強くなります。
そのため、
踏む → ビーターが当たる → ビーターが戻る → 次の一打へ進む
という一連の動作が自分にとって自然になるところを探すことが重要です。
初心者は結局どんなキックペダルを選べばいい?
ここまで7つのポイントを紹介しましたが、初心者の方からすると「結局どれを選べばいいの?」と思うかもしれません。
最初の1台を選ぶのであれば、私は次のようなところから確認してみるとよいと思います。
- フットボード:足を置いて極端に小さく感じないもの
- ドライブ方式:迷ったらまずチェーンドライブを試してみる
- チェーン:安定性を重視するならダブルチェーン
- アンダープレート:安定性重視なら付いているタイプ
- カム:初心者ならクセの少ないものから試す
- ビーター:自分にとって極端に重すぎないもの
- スプリング:まず純正状態から使ってみる
- 耐久性:価格だけではなくヒンジや作りも確認する
これは絶対の正解ではありません。
あくまで、キックペダル初心者が最初の1台を選ぶときの目安です。
楽器店で試奏できるのであれば、ぜひ実際に踏んでみてください。
そのときは、ただ1回踏むだけではなく、次の順番で試すと違いが分かりやすいです。
- ①まずフットボードへ自然に足を置く
- ②ゆっくり何度か踏む
- ③連続して何度か踏む
- ④少し強く踏んでみる
- ⑤弱い力でも踏んでみる
強く踏んだときだけではなく、弱く踏んだときにも自分の足についてきてくれるか確認するとよいでしょう。
キックペダルは購入後の調整も重要
キックペダルは、どのモデルを買うかだけではなく、購入後の調整も非常に重要です。
同じキックペダルでも、
- スプリングテンション
- ビーター角度
- フットボード角度
- ビーターの高さ
などを変えるだけで、踏み心地がかなり変わります。
「評判の良いペダルを買ったのに踏みにくい」という場合でも、少し調整するだけで自分に合うペダルになることがあります。
フットペダルの具体的な調整方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
ペダルを変えてもバスドラムがうまく踏めない場合
ここでもう一つ大切なのが、バスドラムがうまく踏めない原因はペダルだけではないということです。
ペダルを高級なものへ交換しても、それだけですべて解決するわけではありません。
例えば、
- 足に力が入りすぎている
- 座る位置が前すぎる、または後ろすぎる
- スローンの高さが合っていない
- ビーターが戻る前に次の動作をしている
- 音を聴かずに足の動きだけで踏んでいる
といった原因もあります。
バスドラムのダブルや、右足が走ってしまう、足が重く感じるといった悩みがある場合は、こちらの記事も参考にしてください。
また、ドラム初心者の方でバスドラムを踏んでいると右足がプルプルしてしまう場合は、こちらで原因と練習方法を詳しく解説しています。
バスドラムは座り方によっても踏みやすさが大きく変わります。
スローンの高さや座る位置についてはこちらの記事を参考にしてください。
高速のダブルやトリプルを練習したい方はこちらも参考になると思います。
まとめ|一番大切なのは自分の足に合うこと
今回は「ドラムのキックペダルの選び方」について7つのポイントから解説しました。
- ①フットボードの大きさ
- ②チェーン・ベルト・ダイレクトなどのドライブ方式
- ③アンダープレートの有無
- ④ヒンジなどの耐久性
- ⑤真円カムと偏芯カム
- ⑥ビーターの重さ
- ⑦スプリングの強さや戻り方
キックペダルは、スペック表だけを見て選ぶのはなかなか難しいです。
高価なドラムペダルやプロドラマーが使っているペダルでも、自分の足に合わなければ必ずしも叩きやすいとは限りません。
初心者の方であれば、まずは難しく考えすぎず、
- 足を置いたときに違和感がない
- 踏んだときにペダルが安定している
- ビーターが自然に戻ってくる
- 強く踏んでも弱く踏んでもコントロールしやすい
といった感覚を大切にしてみてください。
一番大切なのは、自分の足で踏んだときに「これなら自然に演奏できそう」と感じられることです。
いろいろなキックペダルを実際に踏み比べながら、自分に合った1台を探してみてください。
ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。
船橋周辺で直接レッスンを受けたい方、またはZoomで個別に見てもらいたい方には、無料体験レッスンや課題曲マスターコースをご用意しています。
一方で、ご自宅で自分のペースで学びたい方には、動画で学べるオンライン会員、初心者8週間プログラム、買い切り型の単品オンライン講座もあります。
ご自身の目的や生活スタイルに合わせて、下記より学び方をお選びください。
\あなたに合ったドラムの学び方をお選びください/
直接教わりたい方には個人レッスン型、
自宅で学びたい方にはオンライン学習型をご用意しています。
個人レッスン型
講師に直接見てもらいながら、対面またはZoomでじっくり学びたい方におすすめです。
船橋周辺の方は対面レッスン、遠方の方はZoomオンラインレッスンにも対応しています。
「この曲を叩けるようになりたい」という方へ。課題曲に合わせて、必要な基礎からフレーズまで個別に練習していくコースです。
オンライン学習型
自宅で動画を見ながら、自分のペースで練習したい方におすすめです。
オンライン講座を見ながら練習したい方へ。分からないところをLINEで質問できる学習スタイルです。
完全初心者から、8週間でテンポ100の安定した8ビートを目指す伴走型オンライン講座です。
8ビート・16ビート・フィルイン・コーディネーションなど、必要な講座だけを買い切りで学びたい方におすすめです。






