マンションやアパートで電子ドラムを使いたいと思っても、
「階下にドンドン響かないだろうか」
「近所から苦情が来ないだろうか」
「電子ドラム用の防音マットを敷くだけで大丈夫なのか」
と不安になる方は多いのではないでしょうか。
電子ドラムは、生ドラムと比べると音量を大幅に抑えられます。ヘッドホンを使えば、音源モジュールから出る演奏音を周囲へ流さずに練習することも可能です。
しかし、電子ドラムは無音ではありません。
スティックがパッドへ当たる打撃音や、バスドラムペダル、ハイハットペダルを踏んだときの振動は発生します。特にマンションなどの集合住宅では、耳で聞こえる音よりも、床や建物を通じて伝わる振動が問題になることがあります。
この記事では、マンションで電子ドラムを使用するときに知っておきたい、騒音と振動の違い、防音マットの役割、防振台の考え方、設置前に確認すべきことを詳しく解説します。
この記事の結論
マンションでも電子ドラムを使用できる可能性はあります。
ただし、電子ドラムだから無音というわけではなく、特にバスドラムペダルやハイハットペダルから床へ伝わる振動には注意が必要です。
防音マット、防振材、防振台、設置場所、演奏時間、建物の構造、管理規約などを総合的に確認しましょう。
また、同じ対策をしても、建物や部屋の位置によって結果は変わります。設置後には、別の部屋や廊下などから、実際の音と振動を確認することが大切です。
マンションでも電子ドラムは使える?
マンションでも、条件を整えれば電子ドラムを使用できる可能性があります。
ただし、「電子ドラムならどのマンションでも問題なく使える」とは限りません。
使用できるかどうかは、主に次の条件によって変わります。
- 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造などの建物構造
- 1階か上階か
- 階下や隣室との位置関係
- 床や壁の厚さ
- 電子ドラムの種類
- キックペダルの構造
- 演奏する時間帯
- 叩く強さやペダルの踏み方
- 防音、防振対策の内容
- マンションや賃貸住宅の管理規約
電子ドラムでは、ヘッドホンを使用すれば、ドラム音源から出る音を外へ流さずに練習できます。
しかし、ヘッドホンを使っていても、パッドを叩く音や、ペダルを踏んだときの音と振動は消えません。
特に注意したいのは、床へ伝わる振動です。
自分の部屋ではそれほど大きな音に感じなくても、階下では「ドン、ドン」という低い音や振動として感じられることがあります。
そのため、マンションで電子ドラムを使う場合は、音量だけでなく、建物へ伝わる振動まで考える必要があります。
電子ドラムの特徴や生ドラムとの違いについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

電子ドラムで発生する「空気音」と「固体振動」の違い
電子ドラムの騒音対策を考えるときは、「空気音」と「固体振動」を分けて考えることが重要です。
この2つは、音の伝わり方が違うため、必要な対策も異なります。
空気を伝わる音
空気音とは、空気を振動させながら周囲へ伝わる音です。
電子ドラムでは、主に次のような音が空気音になります。
- スティックがパッドへ当たる音
- シンバルパッドを叩く音
- キックペダルのビーターがパッドへ当たる音
- ラックや金属パーツから出る音
- スピーカーから出る演奏音
- ペダルのバネや金属部分が動く音
スピーカーを使用している場合は、電子ドラムの音源そのものが壁やドア、窓、換気口などを通って周囲へ伝わります。
ヘッドホンを使えば、スピーカーから出る音は抑えられます。
しかし、スティックがパッドへ当たる「パコパコ」「カンカン」という音や、ペダルの機械音までは消えません。
床や建物を伝わる固体振動
固体振動とは、床、壁、柱、梁などの建物を通じて伝わる振動です。
電子ドラムでは、主にバスドラムペダルやハイハットペダルを踏んだときの衝撃が床へ伝わります。
また、パッドを叩いたときの振動がラックの脚を通じて床へ伝わることもあります。
固体振動の難しいところは、自分の部屋では大きな音に感じなくても、離れた部屋では低い音として聞こえる場合があることです。
例えば、自分の部屋では単なる小さなペダル音に聞こえていても、階下では「ドン、ドン」「コツ、コツ」という音として感じられることがあります。
空気音を抑えるための吸音材や厚手のカーテンだけでは、床へ伝わる固体振動を十分に減らせない場合があります。
そのため、電子ドラムの騒音対策では、防音だけでなく防振も重要です。

電子ドラムで特に振動が出やすい部分
電子ドラムのすべてのパーツが、同じ強さで振動を発生させるわけではありません。
マンションで使用する場合は、特に足で操作するパーツへ注意が必要です。
バスドラムペダル
電子ドラムの中で、最も注意したい部分の一つがバスドラムペダルです。
一般的なキックペダルでは、足でペダルを踏むとビーターが前へ動き、キックパッドへ当たります。
このとき、次のような衝撃が発生します。
- 足を踏み下ろす衝撃
- ペダル本体が動く振動
- ビーターがキックパッドへ当たる衝撃
- キックパッド本体の揺れ
- ペダルやキックパッドから床へ伝わる振動
音源から出るバスドラムの音はヘッドホンで抑えられます。
しかし、実際のペダル動作とビーターの衝撃は残ります。
特に、足を高く上げて強く踏み込む人や、かかとを大きく上下させる人は、床への衝撃が大きくなりやすい傾向があります。
また、ビーターが当たるタイプのキックパッドは、スイッチ式のペダルと比べて、生ドラムに近い感覚で練習しやすい反面、振動が発生しやすい場合があります。
ハイハットペダル
ハイハットペダルも、床へ振動が伝わりやすい部分です。
バスドラムほど強い衝撃ではなくても、曲の中で何度も繰り返し踏むため、階下では連続した音として感じられることがあります。
独立したハイハットスタンドを使用するタイプでは、スタンドの脚やペダル部分から振動が床へ伝わることもあります。
ハイハットを閉じるときに足を強く踏み下ろす癖がある場合は、振動が大きくなりやすいため注意しましょう。
シンバルパッド
電子ドラムのシンバルパッドは、ゴムや樹脂などで作られています。
生のシンバルと比べれば静かですが、スティックで強く叩けば「カン」「パコッ」という打撃音が発生します。
クラッシュシンバルを強く叩くと、パッド本体だけでなく、シンバルアームやラック全体が揺れることもあります。
この揺れがラックの脚を通じて床へ伝わる可能性があります。
ドラムラックやスタンド
電子ドラムを支えるラックやスタンドも、振動の伝達経路になります。
ラックの脚が直接フローリングへ触れていると、パッドを叩いた振動が床へ伝わりやすくなります。
また、ネジや固定部分が緩んでいると、演奏するたびに「カタカタ」「カチカチ」といった音が出ることがあります。
購入時だけでなく、使用中も定期的にネジや接続部分を確認しましょう。

電子ドラムの防音マットだけで十分?
結論からいうと、電子ドラム用の防音マットを敷くだけで、すべての音や振動を防げるとは限りません。
電子ドラム用マットには、主に次のような役割があります。
- フローリングの傷を防ぐ
- 電子ドラムが演奏中にずれるのを防ぐ
- ラックと床の接触音を抑える
- 小さな振動や打撃音を軽減する
- ペダルやスタンドを安定させる
そのため、電子ドラムを設置するときには、マットを敷くことをおすすめします。
ただし、市販されている「電子ドラム用マット」や「防音マット」のすべてが、強い防振性能を持っているわけではありません。
商品によっては、床の傷防止や滑り止めが主な目的で、低い振動を抑える効果は限定的な場合があります。
特に、薄い布製マットやカーペットだけでは、バスドラムペダルから床へ伝わる衝撃を十分に抑えられない可能性があります。
購入するときは、商品名だけで判断せず、次の点を確認しましょう。
- マットの厚さ
- 使用されている素材
- ゴムや防振材の有無
- 床保護が主目的か、防振が主目的か
- 電子ドラムと椅子を置ける大きさか
- ペダル操作が安定するか
マットを重ねる場合の注意点
カーペット、ゴムマット、ジョイントマット、防振ゴムなどを組み合わせることで、床へ伝わる振動を減らせる場合があります。
ただし、柔らかい素材を無計画に重ねればよいわけではありません。
マットが柔らかすぎると、ラックや椅子が沈み込み、電子ドラム全体が揺れることがあります。
また、バスドラムペダルが不安定になると、正しい踏み方がしにくくなり、演奏姿勢を崩す原因にもなります。
防振効果だけでなく、演奏中の安定性も確認してください。

振動を抑えるための防振台とは?
防振台とは、電子ドラムと部屋の床の間に、板や防振材を組み合わせた台を置き、床へ直接伝わる衝撃を軽減するためのものです。
電子ドラムを床へ直接置いた場合、ペダルやラックの振動がそのまま床へ伝わります。
防振台を間に入れることで、床との接触部分を減らしたり、弾性のある素材で振動を吸収したりします。
一般的には、次のような素材が使われます。
- 丈夫な合板や木製の板
- 防振ゴム
- クッション材
- 半球状のゴム
- 防振用のボール
- カーペット
- 床を保護するマット
ただし、防振台を置けば振動が完全になくなるわけではありません。
また、自作する場合は、防振性能だけでなく安全性にも注意が必要です。
防振台を使うときの注意点
防振台を設置するときは、次の点を確認してください。
- 電子ドラムと演奏者の体重に耐えられる
- ドラム椅子まで台の上へ置ける
- 演奏中に傾いたり揺れたりしない
- バスドラムペダルがずれない
- ハイハットスタンドが安定する
- 台の端から椅子やスタンドが落ちない
- 段差につまずかない
- 床材へゴムの色が移らない
- 湿気がたまらない
- 賃貸住宅の床を傷つけない
電子ドラムだけを防振台へ乗せて、ドラム椅子を床へ置くと、ペダルとの高さ関係が変わります。
姿勢やペダル操作に影響するため、基本的にはドラム椅子を含めた演奏スペース全体の高さをそろえる必要があります。

マンションでできる電子ドラムの騒音・振動対策
マンションで電子ドラムを使用する場合は、一つの対策だけに頼らず、複数の方法を組み合わせることが大切です。
電子ドラムを壁から離す
電子ドラムのラックやシンバルパッドが壁へ触れていると、演奏中の振動が壁へ直接伝わる可能性があります。
シンバルパッドを叩いたときに壁へ当たったり、ラックが揺れて家具と接触したりすると、思った以上に大きな音が発生します。
壁との間に適度な距離を取り、演奏中にパッドやラックが接触しないようにしましょう。
部屋の角や隣室との境界を避ける
隣の住戸と接している壁の近くや、階下の寝室の真上になりそうな位置は、可能であれば避けます。
ただし、「部屋の中央なら必ず安全」「梁の近くなら絶対に振動しない」とは限りません。
建物の床構造や梁の位置によって、振動の伝わり方は変わります。
設置場所を変えられる場合は、複数の位置で音と振動を確認してみるとよいでしょう。
ペダルの下を重点的に対策する
電子ドラム全体の下にマットを敷くだけでなく、バスドラムペダルとハイハットペダルの下を重点的に対策します。
ペダル下へ防振ゴムや防振材を追加することで、床への衝撃を軽減できる場合があります。
ただし、ペダル部分だけが高くなると、演奏姿勢が変わってしまいます。
ドラム椅子やほかのパーツとの高さを確認し、無理のない姿勢で演奏できるように調整してください。
強く叩きすぎない
電子ドラムでは、強く叩けば叩くほどよい音が出るわけではありません。
多くの電子ドラムは、パッドの感度や音源モジュールの設定を調整できます。
軽く叩いても十分な音量が出るように感度を調整すれば、必要以上に強く叩くことを減らせます。
ペダルについても、床を踏みつけるのではなく、ペダルを効率よく動かす踏み方を身につけることが大切です。
音源側の音量を上げるために、演奏動作まで強くする必要はありません。
ネジやラックを定期的に確認する
電子ドラムを長く使用していると、ラックのネジやパッドの固定部分が少しずつ緩むことがあります。
ネジが緩んだ状態で演奏すると、パーツ同士が接触して「カタカタ」「カチカチ」という音が出ます。
ラックの脚やシンバルアームも含めて、定期的に点検しましょう。
スピーカーよりヘッドホンを使用する
集合住宅では、基本的にヘッドホンを使った練習がおすすめです。
スピーカーを使用すると、パッドの打撃音やペダルの振動に加えて、ドラム音源や練習曲そのものが周囲へ伝わります。
低音は壁や床を通じて伝わりやすいため、スピーカーの音量を小さくしていても注意が必要です。
演奏する時間帯を限定する
防音・防振対策をしていても、早朝や深夜の演奏は避けましょう。
昼間であれば気にならない小さな音でも、周囲が静かな時間帯には目立つことがあります。
また、管理規約で演奏可能な時間帯が決まっている場合は、その範囲を守る必要があります。
規約上は問題がなくても、毎日長時間演奏すれば、周囲の負担になる可能性があります。
演奏時間の長さや頻度にも配慮しましょう。

賃貸契約とマンションの管理規約を確認する
電子ドラムを購入する前に、賃貸借契約書やマンションの管理規約を確認しましょう。
確認したい資料は次のとおりです。
- 賃貸借契約書
- マンションの管理規約
- 使用細則
- 楽器演奏に関するルール
- 演奏可能な時間帯
- 重量物の設置に関するルール
- 床の保護や原状回復に関するルール
「楽器演奏禁止」と書かれている場合、電子ドラムも楽器に含まれる可能性があります。
「ヘッドホンを使うから楽器演奏には当たらない」と自己判断せず、管理会社や大家へ確認しましょう。
問い合わせるときは、単に「電子ドラムを置いてもよいですか」と聞くより、具体的に説明したほうが伝わりやすくなります。
例えば、次の内容を伝えます。
- ヘッドホンを使用する
- スピーカーは使わない
- 使用予定の時間帯
- 防音マットや防振台を使用する
- バスドラムペダルを使うか
- どの部屋へ設置する予定か
- 子どもが使用するのか、大人が使用するのか
可能であれば、口頭だけでなくメールなど、記録が残る方法で確認すると安心です。
ただし、管理会社から許可を得た場合でも、実際に階下や隣室へ振動が伝われば、生活音の問題になる可能性があります。
規約上の許可と、実際に近隣へ迷惑がかからないことは別の問題として考えましょう。
電子ドラムを購入する前にできる確認
電子ドラムを購入してから「設置できなかった」とならないように、購入前にできる確認を行いましょう。
部屋の下や隣に何があるか確認する
まず、自分の部屋の真下や隣がどのような場所になっているか確認します。
例えば、真下が寝室の場合は、夜間のペダル音が問題になりやすい可能性があります。
一方で、真下がエントランス、駐車場、共用スペースなどの場合は、住戸の真上より影響を抑えやすいこともあります。
ただし、1階だから絶対に大丈夫とは限りません。
床や壁を通じて、隣室や建物全体へ振動が伝わることもあります。
管理会社や大家へ相談する
購入前に、管理会社や大家へ相談しましょう。
その際は、次の情報を整理しておくと確認しやすくなります。
- 電子ドラムのメーカーと機種
- 本体のおおよそのサイズ
- バスドラムペダルの種類
- 使用予定時間
- 1回あたりの練習時間
- 防音マットや防振台の有無
- 設置予定の部屋
電子ドラムなら必ず静かだと説明するのではなく、打撃音や床振動が発生する可能性を理解したうえで相談することが大切です。
購入前に店舗で打撃音を確認する
電子ドラムを試奏するときは、ヘッドホンから聞こえる音だけでなく、パッド自体の打撃音も確認してください。
確認したいのは、次の音です。
- スネアパッドを叩く音
- タムパッドを叩く音
- シンバルパッドを叩く音
- キックパッドへビーターが当たる音
- ハイハットペダルを踏む音
- ラックが揺れたときの音
ただし、楽器店は周囲がにぎやかなため、自宅より静かに感じることがあります。
店舗で小さく感じた音でも、静かな部屋では目立つ可能性があると考えておきましょう。
床へ伝わる振動を家族に確認してもらう
電子ドラムを設置した後は、自分が演奏し、家族に別の場所で音と振動を確認してもらいましょう。
確認する場所は、次のようなところです。
- 電子ドラムを置いた部屋の外
- 廊下
- 隣の部屋
- 玄関付近
- 階下に近い場所
- ベランダ側
- 共用廊下側
可能であれば、弱く叩いた場合と普段どおり叩いた場合の両方を確認します。
スマートフォンで録音する方法もありますが、低い振動や床の揺れは録音だけでは判断しにくいことがあります。
実際に人がその場所に立ち、耳と体で確認することも大切です。
最初から大規模なセットを買わない
住環境に不安がある場合は、最初から大きな電子ドラムセットを購入せず、必要最小限の構成から始める方法もあります。
大型のラックやシンバルを増やすほど、設置面積が広くなり、壁や家具へ接触する可能性も高くなります。
また、電子ドラム本体の寸法だけでなく、次のスペースも必要です。
- ドラム椅子を置く場所
- 椅子を後ろへ引くスペース
- スティックを振るスペース
- ペダルを操作するスペース
- 防振台を置くスペース
- 壁との距離
- 演奏者が出入りする通路
購入前には、テープなどを床へ貼り、実際の設置面積を確認してみるとよいでしょう。

集合住宅に向いている電子ドラムの条件
マンションやアパートで使う電子ドラムを選ぶときは、音源の種類やパッド数だけでなく、静音性と設置性も確認しましょう。
静音性の高いパッド
スネアやタムには、ゴムパッドとメッシュヘッドのパッドがあります。
一般的にメッシュヘッドは、打感を調整しやすく、生ドラムに近い跳ね返りを得やすい特徴があります。
ゴムパッドと比べて打撃音を抑えやすい機種もありますが、メッシュヘッドなら無音になるわけではありません。
リム部分を叩けば硬い音が出ます。
また、シンバルパッドはゴムや樹脂で作られていることが多く、強く叩くと打撃音が発生します。
スネアとタムだけでなく、シンバルパッドの音も確認しましょう。
キックペダルの振動を抑えやすい構造
電子ドラムのキック部分には、主に次のようなタイプがあります。
- ビーターをキックパッドへ当てるタイプ
- ビーターを使わないスイッチ式ペダル
ビーターを使うタイプは、生ドラムに近い踏み心地を得やすく、ペダルテクニックの練習にも向いています。
一方で、ビーターがパッドへ当たるため、衝撃や振動が発生しやすい場合があります。
スイッチ式ペダルは、ビーターをパッドへ当てないため、比較的振動を抑えやすいことがあります。
ただし、生ドラムのキックペダルとは踏み心地が異なります。
集合住宅では、静音性を優先するのか、生ドラムに近い演奏感を優先するのかを考えて選びましょう。
コンパクトで安定したラック
部屋の広さに合った、コンパクトな電子ドラムを選ぶことも重要です。
大きすぎるセットは、シンバルやラックが壁、カーテン、家具へ接触しやすくなります。
ただし、小さければ何でもよいわけではありません。
演奏中に揺れやすいラックは、床へ振動が伝わったり、パーツ同士が接触して音が出たりすることがあります。
設置面積と安定性の両方を確認しましょう。
感度を細かく調整できる音源モジュール
電子ドラムの音源モジュールには、パッド感度や音量バランスを調整できるものがあります。
軽く叩いても十分に反応するように設定できれば、必要以上に強く叩くことを減らせます。
特に初心者は、ヘッドホンから聞こえる音を大きくしようとして、パッドを強く叩いてしまうことがあります。
音量は音源モジュールやヘッドホン側で調整し、無理に強く叩かないようにしましょう。
防振対策を含めて設置できるサイズ
電子ドラム本体が部屋へ入るだけでは不十分です。
次のスペースを含めて寸法を確認してください。
- 電子ドラム本体
- ドラム椅子
- 演奏者の足
- スティックを振る空間
- 防音マット
- 防振台
- 壁との距離
- 出入りするための通路
防振台を作る場合は、本体の外寸よりも大きな面積が必要になることがあります。
電子ドラムのサイズや機能、選び方については、次の記事も参考にしてください。
具体的な電子ドラムの候補を探している方は、こちらもご覧ください。
本格的な防音室は必要?
電子ドラムの打撃音が気になる場合は、防音室を検討する方法もあります。
ただし、防音室を設置すれば、すべての騒音と振動が解決するとは限りません。
防音室は、主に空気を伝わる音を外へ漏らしにくくするための設備です。
一方、電子ドラムのペダルから床へ伝わる固体振動については、防音室内部の床構造や防振設計も重要になります。
簡易防音室の中へ電子ドラムを置いても、キックペダルやラックが防音室の床へ直接振動を伝えていれば、階下への振動が残る可能性があります。
防音室を導入するときは、次の点も確認してください。
- 防音室本体の重量
- 部屋の床の耐荷重
- 搬入経路
- 設置スペース
- 室内の換気
- 夏場の室温
- エアコンの設置可否
- 賃貸住宅での原状回復
- 床や壁への固定方法
- 解体や移動にかかる費用
特に賃貸住宅では、設置前に管理会社や大家への確認が必要です。
自宅で本格的な練習環境を作りたい方は、防音室について解説したこちらの記事も参考にしてください。
電子ドラムを置けない場合の自宅練習方法
マンションの規約や住環境によっては、十分な防振対策ができず、電子ドラムを置けないこともあります。
しかし、自宅に電子ドラムがないからといって、ドラムの練習ができないわけではありません。
自宅では次のような練習ができます。
- 練習パッドを使ったストローク練習
- クッションを使った静かな手の練習
- スティックを使わない手順練習
- 手拍子によるリズム練習
- 口でリズムを歌う練習
- 曲を聴きながらカウントする練習
- 楽譜を読みながら音を想像する練習
- 足を床へ強く打ちつけないペダル動作の確認
- スタジオ練習と自宅練習を組み合わせる方法
- オンライン教材による音符やリズムの学習
自宅では、音符、リズム、手順、曲の構成を覚え、実際のドラムセットを叩く練習はスタジオで行う方法もあります。
自宅にドラムセットを置けない方は、こちらの記事で基礎練習の方法を紹介しています。
よくある質問
電子ドラムはヘッドホンを使えばマンションでも無音ですか?
無音にはなりません。
ヘッドホンを使えば、音源モジュールから出るドラム音や練習曲を周囲へ流さずに済みます。
しかし、パッドをスティックで叩く音、キックペダルの動作音、ハイハットペダルの音、床へ伝わる振動は残ります。
電子ドラム用の防音マットだけで階下への振動を防げますか?
防音マットだけでは不十分な場合があります。
マットの厚さや材質、建物の床構造、ペダルの種類、演奏者の踏み方によって結果は異なります。
薄いマットは床の傷防止や滑り止めには役立ちますが、強い床振動を十分に抑えられないことがあります。
マンションの1階なら電子ドラムを使っても大丈夫ですか?
上階と比べると、階下の住戸へ影響する可能性は抑えやすくなります。
ただし、隣室や建物の壁、柱、床を通じて振動が伝わることもあります。
また、1階の下に共用施設や設備室がある場合もあるため、必ず大丈夫とは限りません。
鉄筋コンクリート造なら振動は伝わりませんか?
鉄筋コンクリート造は、木造住宅より空気音を遮りやすい傾向があります。
しかし、床や梁、柱がつながっているため、固体振動が建物を通じて伝わることがあります。
鉄筋コンクリート造だから何も対策しなくてよいとは考えないほうがよいでしょう。
防振台を使えば夜でも演奏できますか?
防振台を使っても、音と振動が完全になくなるわけではありません。
また、パッドの打撃音やラックの音は残ります。
周囲が静かになる早朝や深夜は、小さな音でも目立ちやすいため、演奏を避けることをおすすめします。
苦情が来た場合はどうすればよいですか?
まず演奏をいったん控え、管理会社や大家を通して状況を確認しましょう。
そのうえで、次の点を見直します。
- 演奏時間
- 1回の練習時間
- 設置場所
- 防音マット
- 防振台
- ペダル下の防振対策
- 叩く強さ
- ペダルの踏み方
- ラックやネジの緩み
相手の部屋へ直接訪問し、感情的に話し合うのではなく、マンションや賃貸住宅のルールに沿って冷静に対応することが大切です。
まとめ|電子ドラムは音よりも床への振動を意識しよう
電子ドラムは、生ドラムと比べると音量を抑えやすく、自宅練習に便利な楽器です。
ヘッドホンを使用すれば、ドラム音源から出る演奏音を周囲へ流さずに練習できます。
しかし、電子ドラムは無音ではありません。
パッドを叩く打撃音、ラックや金属パーツの音、バスドラムペダルやハイハットペダルから床へ伝わる振動が発生します。
特にマンションでは、耳で聞こえる音だけでなく、床や建物を通じて伝わる固体振動へ注意が必要です。
電子ドラム用の防音マットは、床の保護や滑り止め、軽い振動対策には役立ちます。
ただし、薄いマットだけでは、ペダルから発生する振動を十分に抑えられない場合があります。
必要に応じて、防振材や防振台を検討しましょう。
また、次の対策を組み合わせることも大切です。
- 電子ドラムを壁や家具から離す
- バスドラムペダルの下を重点的に防振する
- ハイハットペダルの振動を抑える
- 必要以上に強く叩かない
- スピーカーではなくヘッドホンを使う
- 早朝や深夜には演奏しない
- 管理規約と賃貸借契約書を確認する
- 購入前に管理会社や大家へ相談する
- 設置後に別の部屋から音を確認する
どのような対策をしても、絶対に音や振動が伝わらないとは言い切れません。
建物の構造や住戸の位置、周囲の生活時間によって、音の伝わり方は変わります。
マンションだからドラムを諦めるのではなく、自分の住環境に合った電子ドラムや練習方法を選び、周囲へ配慮しながら無理なく続けていきましょう。
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ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
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