船橋日大前駅から徒歩6分の川島広明ドラム教室です。
今回は、オンラインドラム講座「メトリックモジュレーション⑤|リズムとソロのストレッチ」を公開しました。
テンポを変えていないはずなのに、演奏が急にゆっくりになったり、少しずつ加速していくように聞こえたりするドラム演奏があります。
このような表現を作る方法の一つが、メトリックモジュレーションです。
今回の講座では、元のテンポを保ったまま拍の捉え方を変え、8ビート、16ビート、シンバルレガート、ドラムソロをハーフタイムからダブルタイムまで伸び縮みさせていきます。
内容は上級者向けですが、最初からすべての手足を使うのではなく、右手だけ、右手と左足、スネアを追加、バスドラムを追加という順番で、段階的に練習できるように構成しています。
メトリックモジュレーションとは?
メトリックモジュレーションとは、元のテンポを変えずに、別の音符や連符を新しい1拍として感じることで、聴覚上のテンポ感を変化させる考え方です。
例えば、通常は4分音符を1拍として感じているところを、2分音符を1拍として感じれば、ハーフタイムのようにゆったりと聞こえます。
反対に、8分音符を1拍として感じれば、ダブルタイムのように速く聞こえます。
ここで大切なのは、メトロノームのテンポや曲そのものの速さが変わっているわけではないということです。
変わっているのは、演奏者が「どの音符を1拍として感じているか」です。
この拍の感じ方を意図的に切り替えることで、リズムが伸びたり縮んだりしているような表現を作れます。
ドラムにおける音符や拍の基礎を先に確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
今回の講座では7種類の拍を使います
今回のメトリックモジュレーション⑤では、次の7種類の拍の感じ方を使います。
1.ハーフタイム
2.3拍2連
3.4拍3連
4.レギュラータイム
5.3拍4連
6.2拍3連
7.ダブルタイム
ハーフタイムでは、元の2分音符を新しい1拍として感じます。
レギュラータイムでは、通常どおり4分音符を1拍として感じます。
ダブルタイムでは、8分音符を新しい1拍として感じます。
その間に3拍2連、4拍3連、3拍4連、2拍3連を入れることで、聴覚上のテンポを段階的に速くしたり遅くしたりしていきます。
文字で読むと難しく感じるかもしれませんが、最初から7種類すべてを連続して演奏する必要はありません。
まずは、ハーフタイムとレギュラータイムの2種類だけを行き来する練習から始めても大丈夫です。
慣れてきたら、その間に3拍2連や4拍3連を追加していきます。
複雑なリズムを1拍ずつ整理して考える方法については、こちらの記事でも解説しています。
3拍2連・4拍3連・3拍4連を新しい1拍として感じる
メトリックモジュレーションでは、連符を正しく演奏できるだけではなく、その連符を新しい拍として感じることが重要です。
例えば3拍2連では、元の3拍の中に均等に置かれた2つの音を、新しい拍の基準として感じます。
4拍3連では、元の4拍の中に均等に置かれた3つの音を新しい拍として捉えます。
これまで4拍3連を練習したことがあっても、「正しい場所で音を叩く」ことと、「その音を新しい1拍として感じる」ことは別の段階です。
今回の講座では、ただ音符を当てはめるのではなく、その拍の中で8ビートや16ビートを演奏できるところまで発展させていきます。
3拍2連を1拍として捉える基礎練習については、こちらの記事で詳しく解説しています。
4拍3連を1拍として感じる練習については、こちらも参考にしてください。
3拍4連の練習方法は、こちらの記事で段階的に解説しています。
最初は8ビートから拍を伸び縮みさせます
講座の前半では、まず8ビートを使って、ハーフタイムからダブルタイムまで拍の感じ方を切り替えます。
ただし、最初からハイハット、スネア、バスドラム、左足をすべて組み合わせるわけではありません。
最初に練習するのは、右手と左足です。
右手では、メトリックモジュレーション上の新しい拍に合わせて、ハイハットまたはライドシンバルを刻みます。
左足では、元の4分音符のパルスをゴーストモーションで踏み続けます。
右手の刻み方が変わっても、左足では元のテンポを保ち続けるということです。
この左足があることで、拍の感じ方を変えても、元のテンポを見失いにくくなります。
右手と左足の関係が安定してきたら、スネアを追加します。
その後、最後にバスドラムを加え、8ビートとして完成させます。
8ビートそのものが安定していない状態でメトリックモジュレーションへ進むと、どこで崩れているのか分からなくなりやすいため、まずは通常の8ビートを安定させることも大切です。
8ビートの基礎から応用まで確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。
左足のゴーストモーションが元のテンポを支えます
今回の練習では、左足のゴーストモーションがとても重要です。
右手では、ハーフタイム、3拍2連、4拍3連、レギュラータイム、3拍4連、2拍3連、ダブルタイムと、拍の感じ方を切り替えていきます。
その一方で、左足は元の4分音符を踏み続けます。
つまり、右手と左足では違う時間の流れを感じることになります。
右手では新しい拍を感じ、左足では元の拍を感じる。
この2つを同時に保つことで、メトリックモジュレーションを行っても、元のテンポへ自然に戻れるようになります。
左足のゴーストモーションの役割については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
16ビートでは手足の関係がさらに複雑になります
8ビートで拍の切り替えに慣れたら、次は16ビートへ進みます。
基本的な考え方は8ビートと同じです。
最初は右手と左足だけで練習し、右手ではメトリックモジュレーション上の刻み、左足では元の4分音符を保ちます。
ただし、16ビートでは右手の刻みが細かくなります。
さらにスネアやバスドラムが16分音符のさまざまな位置に入るため、8ビートよりも手足の関係が複雑になります。
そのため、右手と左足だけで安定して切り替えられないうちに、スネアやバスドラムを入れないことが大切です。
まずは右手だけで新しい刻みを感じます。
次に左足の4分音符を加えます。
その後、スネアを追加します。
最後にバスドラムを加え、16ビートとして成立させます。
この順番を守ることで、どの手足が原因で崩れているのかを確認しやすくなります。
16ビートの基礎や手足の組み合わせを確認したい方は、こちらの記事も参考にしてください。
シンバルレガートにも応用します
今回の講座では、8ビートと16ビートだけではなく、ジャズのシンバルレガートにもメトリックモジュレーションを応用します。
最初に行うのは、ライドシンバルでメトリックモジュレーション上の4分音符を確認することです。
いきなりレガートの完成形を演奏するのではなく、今感じている新しい拍の中で、4分音符がどこに来るのかを確認します。
ライドシンバルだけで4分音符を演奏できたら、次に左足のフットハイハットを追加します。
左足は、メトリックモジュレーション上の2拍目と4拍目に入れます。
ジャズのシンバルレガートでは、左足の2拍目と4拍目が重要ですが、拍の感じ方が変わると、その2拍目と4拍目の位置も変わって感じられます。
そのため、通常のレガートが演奏できる方でも、最初は難しく感じると思います。
難しい場所は、1小節すべてを演奏しようとせず、1拍または2拍ずつ取り出してください。
短い範囲で正確に感じられるようになってから、少しずつつなげていきましょう。
フットハイハットの基本的な使い方については、こちらの記事でも解説しています。
自然なテンポ変化に聞かせる練習課題
練習課題①では、16ビートを演奏しながら、拍の感じ方を自然に切り替えていきます。
この練習の目的は、単に7種類のリズムを間違えずに演奏することではありません。
大切なのは、聴いている人に、テンポが滑らかに加速または減速したように聞かせることです。
拍の切り替わる場所で急に別のリズムへ移ると、演奏がブツッと切れて聞こえます。
自然につなげるためには、切り替わる瞬間より少し前から、次の拍の感覚を感じ始める必要があります。
例えば、現在演奏しているリズムの4拍目付近で、すでに次の拍の流れを感じ始めます。
次に進む拍を先に体の中で準備しておくことで、リズム同士が滑らかにつながります。
ここでは「できたかどうか」だけではなく、「どのように聞こえたか」を確認してください。
可能であれば、自分の演奏を録音し、テンポの変化が唐突に聞こえないかをチェックすることをおすすめします。
ドラムソロも伸び縮みさせられます
練習課題②では、マックス・ローチの「For Big Sid」冒頭4小節のドラムソロを使います。
ここでは、同じソロフレーズを、ハーフタイムからダブルタイムまでの異なる拍の感じ方で演奏します。
まずは、元のフレーズを正確に確認します。
リズムの形だけではなく、アクセント、音の流れ、フレーズ全体の方向を覚えてください。
次に、元のフレーズをハーフタイムの感覚で演奏します。
そこから3拍2連、4拍3連、レギュラータイム、3拍4連、2拍3連、ダブルタイムへ切り替えます。
ドラムソロは、8ビートのように同じパターンを繰り返すわけではありません。
そのため、拍の場所を見失いやすく、今回の講座の中でも特に難しい練習です。
最初から4小節をすべて演奏しようとせず、まずは1拍だけ練習します。
次に2拍へ広げます。
その後、1小節へ広げます。
最後に4小節を通します。
同じフレーズでも拍の捉え方を変えることで、テンポが伸び縮みしているような、トリッキーなドラムソロへ変化します。
メトリックモジュレーション⑤はこのような方におすすめです
今回の講座は、次のような方におすすめです。
・通常の8ビートや16ビートから演奏表現を広げたい方
・メトリックモジュレーションを基礎から段階的に練習したい方
・3拍2連や4拍3連を演奏できても、拍として感じられない方
・元のテンポを保ったまま、テンポ感を変化させたい方
・ジャズのシンバルレガートを発展させたい方
・ドラムソロのアイデアを増やしたい方
・ポリリズムや連符を、実際のリズムパターンへ応用したい方
内容は中級者から上級者向けです。
ただし、上級者向けだからといって、最初から速いテンポで演奏する必要はありません。
むしろ、拍の感覚が曖昧なままテンポを上げると、元のパルスを見失いやすくなります。
最初はゆっくりしたテンポで、1拍ずつ確認することが大切です。
難しい内容ほど段階的に練習しましょう
メトリックモジュレーションは、楽譜の内容を理解しただけでは、すぐに演奏できるものではありません。
頭では理解できても、元のテンポを保ちながら別の拍を感じるには、時間がかかります。
今回の講座では、次の順番で練習することをおすすめしています。
1.右手だけで新しい拍を刻む
2.左足で元の4分音符を加える
3.スネアを追加する
4.バスドラムを追加する
5.1拍ずつ短く区切る
6.2拍へ広げる
7.1小節へ広げる
8.ハーフタイムからダブルタイムまでつなげる
難しいと感じたら、前の段階へ戻ってください。
右手と左足だけで安定していなければ、スネアやバスドラムを加える必要はありません。
また、楽譜を目で追うだけではなく、リズムを声に出して歌ったり、体を動かしながら感じたりすることも大切です。
手足の形だけでリズムを覚えてしまう問題については、こちらの記事でも解説しています。
全7本のレッスン内容
今回のメトリックモジュレーション⑤は、全7本の動画で構成しています。
メトリックモジュレーション⑤-01|メトリックモジュレーション上の拍について
ハーフタイム、3拍2連、4拍3連、レギュラータイム、3拍4連、2拍3連、ダブルタイムという7種類の拍の捉え方を解説します。
メトリックモジュレーション⑤-02|8ビートのストレッチ
右手の刻みと左足のゴーストモーションから始め、スネアとバスドラムを追加しながら、8ビートを伸び縮みさせます。
メトリックモジュレーション⑤-03|16ビートのストレッチ
16ビートの細かな刻みの中で元の4分音符を保ち、ハーフタイムからダブルタイムまで切り替えます。
メトリックモジュレーション⑤-04|シンバルレガートのストレッチ
ライドシンバルの4分音符と、フットハイハットの2拍目・4拍目を確認しながら、ジャズのレガートへ応用します。
メトリックモジュレーション⑤-05|練習課題①
16ビートを使い、拍の切り替わりを自然な加速・減速に聞かせる練習を行います。
メトリックモジュレーション⑤-06|練習課題②
マックス・ローチの「For Big Sid」冒頭4小節を使い、同じソロフレーズのテンポ感を伸び縮みさせます。
メトリックモジュレーション⑤-07|まとめ
7種類の拍の捉え方と、右手、左足、スネア、バスドラムを段階的に加える練習手順を振り返ります。
オンラインだから難しい部分を何度でも確認できます
メトリックモジュレーションのような複雑な練習では、説明を一度聞いただけですべてを覚えるのは難しいと思います。
オンライン講座では、動画を途中で止めながら練習できます。
理解できなかった場所だけを繰り返し再生することもできます。
最初は講師の演奏を見て、次に楽譜を確認し、その後自分で演奏するというように、自分のペースで進められます。
一度でできなくても問題ありません。
数日後に同じ動画へ戻ると、前回は分からなかった拍の流れが、少しずつ感じられるようになることもあります。
当教室のオンライン講座は、動画を見て終わる教材ではなく、実際に体へ身につけることを目的に作っています。
オンライン講座の考え方については、こちらの記事もご覧ください。
まとめ|テンポを変えずにリズムとソロを伸び縮みさせる
今回は、新しく公開したオンラインドラム講座「メトリックモジュレーション⑤|リズムとソロのストレッチ」をご紹介しました。
今回の講座では、元のテンポを変えずに、次の7種類の拍を切り替えます。
・ハーフタイム
・3拍2連
・4拍3連
・レギュラータイム
・3拍4連
・2拍3連
・ダブルタイム
これらの拍の感じ方を8ビート、16ビート、シンバルレガート、ドラムソロへ応用します。
最終的には、テンポが滑らかに加速したり減速したりしているような演奏を目指します。
内容は難しいですが、右手だけ、左足を追加、スネアを追加、バスドラムを追加という順番で練習すれば、少しずつ拍の流れを体で感じられるようになります。
最初から完璧に演奏しようとせず、1拍、2拍という短い単位から始めてください。
拍の捉え方が変わると、これまで演奏していた8ビートや16ビート、ドラムソロにも、新しい表現を加えられるようになります。
オンライン会員では、初心者向けの基礎講座から、今回のような上級者向け講座まで、自宅で繰り返し学べます。
メトリックモジュレーション⑤に興味のある方は、オンライン会員の詳細をご確認ください。

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