ドラムを教えることは、発見する喜びを奪うことなのか

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長いことドラムを教える仕事をしてきて、最近よく考えることがあります。

それは、ドラム講師が生徒さんにいろいろなことを教えることは、もしかすると生徒さん自身が自分で発見する喜びを奪ってしまっているのではないか、ということです。

ドラムレッスンでは、叩き方を教えたり、練習の順番を整えたり、ときにはドラム楽譜を渡したりすることもあります。そうやって答えに近いものを早い段階で渡していると、悩んで、試して、遠回りして、やっとたどり着いたときのあの感動を、先回りして減らしてしまっているのではないかと感じることがあります。

けれど一方で、ドラム教室に来てくださる方は、何も教わらずに放っておかれたいわけではありません。ドラム初心者の方ほど、「正しいことを1から教えてほしい」「遠回りしすぎず、安心して練習したい」と思っているはずです。

その間で、最近はこう考えるようになりました。ドラム講師の役割は、生徒さんの発見を奪うことではなく、ドラムをもっと好きになるきっかけを作ることなのではないか、と。


昔は1曲を叩くまでに時間がかかった

昔は、1曲を叩けるようになるまでに、今よりずっと時間がかかっていました。

音楽を何度も聴きながら、ドラムパートを耳コピして、ノートに少しずつ楽譜を書いていく。曖昧なところは何度も巻き戻して聴き直し、「今のバスドラムはどこに入ったのだろう」「ハイハットは開いていたのだろうか」と考えながら、少しずつ譜面を完成させていました。

その作業は効率だけ見れば大変です。時間もかかりますし、すぐには答えも分かりません。

けれど、その分だけ耳が鍛えられました。ただドラムを叩くのではなく、音楽をよく聴き、頭の中にドラムの音が流れるようになっていきます。耳で聴いたものを手や足で再現しようとするので、1曲を仕上げるまでの過程そのものが、深いドラム練習になっていたのだと思います。

音楽の聴き方については、こちらの記事でも詳しく書いています。

この図のように、昔の学び方は「聴く」「考える」「書く」「叩く」がひとつにつながっていました。時間はかかっても、その過程が耳と身体の両方に残りやすかったのだと思います。


今は楽譜を買えばすぐに答えが手に入る

今は、ドラム楽譜を買えば、耳コピをしなくてもある程度すぐに答えを見ることができます。

これはとても便利なことです。昔のように何日もかけて譜面を書き起こさなくても、すぐに曲の全体像が見えますし、ドラム初心者の方でも取り組みやすくなっています。限られた時間の中でドラム上達を目指すうえでは、とてもありがたい環境です。

ただ、正直に言うと、楽譜を買った時点で半分くらいできたような気持ちになることもあります。答えをお金で買っているような感覚、と言ってもよいかもしれません。

もちろん、これは楽譜を否定したいわけではありません。楽譜はとても優れた学習道具です。問題は、楽譜があることではなく、楽譜をどう使うかです。

ただ目で追って終わるのか。音の流れを想像しながら読むのか。なぜその位置にスネアが入るのか、なぜそのフィールになるのかまで考えるのか。それによって、学びの深さは大きく変わってきます。

楽譜を見ても思うように叩けないと感じる方は、こちらの記事も参考になると思います。

耳コピ型にも、楽譜活用型にも、それぞれ良さがあります。大切なのは、どちらか一方を正解にすることではなく、自分に合ったバランスで使い分けることだと思います。


ドラム講師は答えを渡しすぎているのか

ここで、ドラム講師としての葛藤が出てきます。

生徒さんにテクニックを教えたり、楽譜を渡したり、練習方法を整理して伝えたりすることは、とても大切な仕事です。けれど同時に、それは最初から答えを渡しているようにも感じられます。

本当は、自分で何度も試して、「あ、こうやると上手くいくんだ」と気づいたときの感動があります。できなかったことができた瞬間の喜びは、とても大きいものです。

それを、講師が先に「こうです」と全部言ってしまったら、その感動を少し減らしてしまうのではないか。そんなふうに考えることがあります。

でも、だからといって何も教えないのが良いとも思いません。

習いに来ている生徒さんは、独学で好き勝手に進みたいわけではなく、正しいことをきちんと教えてほしいと思って来てくださっています。特にドラム初心者の方にとっては、何が正しくて何が遠回りなのかを自分ひとりで判断するのは難しいものです。

だからこそ、教えることそのものが悪いのではなく、教え方や伝える量が大切なのだと思います。


独学で発見したい人と、習いに来る人の違い

自分で発見する喜びが好きな人は、独学でじっくり学ぶことに向いているかもしれません。

自分で調べて、自分で試して、自分で失敗して、自分で気づいていく。そこに大きな楽しさを感じる方もいます。遠回りも、その人にとっては大事な経験になります。

一方で、ドラムレッスンに来る方は、少し目的が違うことが多いです。

何から始めればよいか分からない。
間違ったドラム練習を続けたくない。
一人だと続かない。
正しい順番で学びたい。
楽しく上達したい。

そういう思いがあるからこそ、ドラム教室を探し、レッスンを受けようと思うのだと思います。

独学とレッスンのどちらが上という話ではありません。目的が違うだけです。自分で道を切り開くことに喜びを感じる人もいれば、伴走してもらいながら安心して進みたい人もいます。どちらも、ドラムを好きになるための大切な道です。

ドラム教室に通う目的については、こちらの記事でも触れています。

この図のように、独学には独学の良さがあり、レッスンにはレッスンの良さがあります。大切なのは、自分に合った学び方を選ぶことです。


本能的に始め、理性的に深めていく

人は、最初から理屈でドラムを始めるわけではないと思います。

「なんとなく叩いてみたい」
「ドラムがかっこいい」
「音を出すのが楽しそう」
「好きな曲を叩けたら嬉しい」

そういう本能的なワクワクから始まることがほとんどです。

そして、実際に叩いてみる。最初は上手くいかなくても、少しずつできることが増えていく。すると、「今できた」「前より良くなった」という感動が生まれます。その感動が、ドラムをもっと好きにしてくれます。

そこから初めて、「もっと上手くなるにはどうしたらいいだろう」「どんな練習をすれば安定するだろう」と理性的に考えるようになっていくのではないでしょうか。

私は、この流れがとても自然で理想的だと感じています。

本能のワクワクだけでは長く続きにくいこともありますし、理性だけで練習計画を立てても、楽しくなければ続きません。ドラムは、本能と理性の両方で楽しむ楽器なのだと思います。

本能と理性のバランスについては、こちらの記事も関連する内容です。

最初の「やってみたい」という気持ちを大切にしながら、少しずつ理性的な練習へつなげていくことが、ドラム上達の土台になると思います。


ドラム講師の役割は10%の手助け

最近は、ドラム講師の役割は100%答えを与えることではない、と思うようになりました。

むしろ、生徒さん自身が気づき、発見し、感動できる余白を残しながら、必要なところだけを支えることが大切なのではないかと思っています。

私の中では、その感覚は「10%くらいの手助け」という言葉が近いです。

もちろん、実際のレッスン時間や内容を数字で正確に分けられるわけではありません。けれど気持ちとしては、生徒さんが自分の力で前に進む90%を大切にしながら、講師は残りの10%を支える存在でありたいと思っています。

たとえば、

危ない方向に進みそうなときに少し修正する。
難しすぎる課題を整理する。
できたことを一緒に確認する。
本人が気づけるようにヒントを出す。
必要な基礎は丁寧に伝える。
でも、自分で発見する余白は残しておく。

そんな関わり方が理想です。

「できた」の積み重ねが上達につながることについては、こちらの記事でも書いています。

講師が全部を背負うのではなく、生徒さん自身の力を信じながら、必要なところを支える。そのバランスが、長く楽しく続けるためのドラムレッスンには大切だと思います。


答えを教えることは、感動を奪うことではない

ここまで書いてきたように、私は教えすぎることに迷いを感じることがあります。

けれど今は、答えを教えることそのものが、感動を奪うことだとは思っていません。

生徒さんが「教えてほしい」と思って来てくださっているなら、1から丁寧に教えることには大きな意味があります。何も教えずに放っておくことが、必ずしもその人のためになるわけではありません。

むしろ、適切なタイミングでヒントや答えを渡すことで、「できた!」という経験につながることがあります。そして、その「できた!」が、ドラムをもっと楽しいものにしてくれます。

大切なのは、何も教えないことではありません。
また、すべてを先回りして教えすぎることでもありません。
その人に合ったタイミングと量で支えることが大切なのだと思います。

教室の指導方針については、こちらでも詳しくご案内しています。

その人にとって今必要なのは、答えそのものなのか、ヒントなのか、順番整理なのか、励ましなのか。そこを見極めることが、ドラム講師の大切な仕事なのだと思います。


まとめ|悩むことも、気づくことも、上達の一部

ドラムは、答えを知ることだけが上達ではありません。

悩むこと。
試すこと。
気づくこと。
失敗すること。
少しずつできるようになること。
そして、「できた」と感動すること。

そのすべてが、ドラムを好きになる過程なのだと思います。

昔のように耳コピをして時間をかける学び方にも価値があります。今のようにドラム楽譜を活用して効率よく進める学び方にも価値があります。独学にも良さがあり、レッスンにも良さがあります。

その中で、ドラム講師として私が大切にしたいのは、生徒さんの発見を奪うことではなく、発見しやすい環境を作ることです。

必要なところは1から丁寧に教える。
でも、本人が自分で気づき、感動できる余白も残す。
そのようなドラム教室でありたいと、最近は特に強く感じています。


ドラムを始めたい方へ

もし今、

ドラムを始めたいけれど、何から練習すればよいか分からない方。
独学で続けているけれど、少しヒントがほしい方。
楽譜を見ても思うように叩けない方。
自分のペースで、でも正しい方向でドラム上達を目指したい方。

そのような方には、レッスンという学び方もひとつの良い選択肢だと思います。

船橋 ドラム教室、船橋日大前 ドラム教室をお探しの方や、ドラム初心者の方にも、無理なく始められるようにサポートしています。

無料体験レッスンについては、こちらをご覧ください。

初心者向けの教室案内はこちらです。

ドラムは、できることが少しずつ増えていく過程そのものがとても楽しい楽器です。
その楽しさを、無理なく、でもしっかり感じながら進んでいけるように、これからもレッスンをしていきたいと思っています。

ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。

たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。

船橋周辺で直接レッスンを受けたい方、またはZoomで個別に見てもらいたい方には、無料体験レッスン課題曲マスターコースをご用意しています。

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ご自身の目的や生活スタイルに合わせて、下記より学び方をお選びください。

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直接教わりたい方には個人レッスン型、
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