こんにちは。川島広明ドラム教室の川島です。
パラディドルの基本手順は覚えたけれど、実際のドラムソロやフィルインでどう使えばいいのかわからない。そんな経験はありませんか?
パラディドルは、右手と左手の組み合わせを覚えるだけでも大切な基礎練習ですが、それだけでは実際の演奏で自由に使えるとは限りません。
そこで今回紹介するのが、シンコペーションチャートをパラディドルに読み替えて演奏する練習方法です。
この練習では、譜面に書かれた音符をそのまま叩くのではなく、あらかじめ決めたルールに従ってパラディドルやシングルストロークに変換します。
最終的には、譜面を見て瞬間的に判断し、パラディドルを自然に使える状態を目指します。
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シンコペーションチャートをパラディドルで読み替えるとは?
シンコペーションチャートは、4分音符や8分音符、休符、裏拍などが組み合わされたリズムの譜面です。
一般的には、シンコペーションの読譜やリズムトレーニングなどに使用します。
しかし、このような譜面には、もう一つ面白い活用方法があります。
それは、書かれている音符を別のフレーズに変換して演奏するという方法です。
例えば、4分音符を見たらシングルパラディドルを演奏する、8分音符を見たらシングルストロークを演奏する、といったルールを設定します。
つまり、譜面を演奏するための指示書として使うのではなく、フレーズを選択するためのチャートとして活用するのです。
この練習では、元の譜面にある休符の部分にも音を入れる場合があります。そのため、元のリズムを忠実に再現する練習とは区別して考えてください。

シンコペーションの基本的な仕組みについては、以下の記事でも解説しています。
まずはシングルパラディドルの手順を確認しよう
今回の練習を始める前に、基本となるシングルパラディドルを確認しておきましょう。
シングルパラディドルは、シングルストロークとダブルストロークを組み合わせた手順です。
右手から始める場合は、次のようになります。
R L R R / L R L L
Rは右手、Lは左手を表します。
最初の4打が右手から始まるパラディドル、次の4打が左手から始まるパラディドルです。
例えば16分音符で演奏する場合、1拍目にRLRR、2拍目にLRLLを入れることができます。

ここで重要なのは、ただ手順を覚えるだけで終わらせないことです。
「右、左、右、右」と毎回頭の中で確認しなくても、自然に演奏できるようになるまで繰り返しましょう。
また、左右の音量が大きく変わらないようにすることも大切です。
パラディドルの応用方法については、こちらの記事でも紹介しています。
シンコペーションチャートを読み替える基本ルール
それでは、具体的な読み替え方法を説明します。
今回は、8分音符を中心としたチャートを使い、音符の長さに応じて手順を選択する練習モデルを紹介します。
ルールは次のとおりです。
| チャートの内容 | 読み替え方法 | 1拍分の演奏例 |
|---|---|---|
| 4分音符 | シングルパラディドル | R L R RまたはL R L L |
| 8分音符 | シングルストローク | R LまたはL R |
| 8分休符 | ダブルストローク | R RまたはL L |
今回は、1拍を16分音符4つの時間幅として扱います。8分音符1つに対しては、16分音符2打のシングルストロークを割り当てます。
例えば4分音符があった場合、その1拍の長さを使ってRLRRまたはLRLLを叩きます。
8分音符が2つ並んでいる場合は、それぞれの8分音符の時間幅にRLを割り当て、1拍でRLRLまたはLRLRと叩きます。
これらは練習のために設定したルールであり、すべてのシンコペーションチャートに共通する唯一の正解ではありません。
最初はルールを覚えるだけで時間がかかるかもしれません。しかし、繰り返すうちに、音符を見た瞬間に演奏する手順を選べるようになることを目指します。

練習例① 基本的な4分音符と8分音符を読み替える
最初は、シンプルな1小節のチャートで練習してみましょう。
4分の4拍子で、次のようなリズムを考えます。
| 拍 | 元の譜面 | 読み替え後 |
|---|---|---|
| 1拍目 | 4分音符 | R L R R |
| 2拍目 | 8分音符×2 | R L R L |
| 3拍目 | 4分音符 | L R L L |
| 4拍目 | 8分音符×2 | R L R L |
実際に演奏する手順は、次のようになります。
RLRR|RLRL|LRLL|RLRL
縦線は拍の区切りです。すべて16分音符の間隔で演奏します。
1拍目はパラディドル、2拍目はシングルストローク、3拍目は左手から始まるパラディドル、4拍目はシングルストロークです。
ここで注目してほしいのは、右手から始まる手順だけでなく、左手から始まる手順も使っていることです。
実際の演奏では、必ず右手からフレーズが始まるとは限りません。左右どちらからでも演奏できるように練習しておきましょう。

最初はBPM40〜60程度を目安に、1拍ずつ区切りながら練習してください。これは初心者向けの練習テンポの一例です。
一打一打を考えながらでなければ叩けない場合は、無理にテンポを上げる必要はありません。
シンコペーションチャートを使った7段階の練習方法
それでは、実際にどのような順番で練習していけばよいのでしょうか。
STEP1:元の譜面をリズムとして読む
まずは、シンコペーションチャートに書かれているリズムをそのまま叩いてみましょう。
この段階では、まだパラディドルへの読み替えは行いません。
4分音符、8分音符、休符、裏拍などが、どの位置にあるのかを理解することが目的です。
STEP2:読み替えるルールを確認する
次に、どの音符をどのスティッキングに変換するのかを確認します。
最初はパラディドルとシングルストロークとダブルストロークの3種類だけで十分です。
STEP3:1拍単位で練習する
いきなり1小節を演奏するのではなく、まずは1拍ごとに練習してみましょう。
特に、右手始まりと左手始まりの切り替えを確認しておきます。
STEP4:1小節を通して演奏する
1拍単位でできるようになったら、1小節を通して演奏します。
途中で手順がわからなくなる場合は、テンポを落として練習してください。
STEP5:複数小節をつなげる
次は、2小節、4小節、8小節というように、少しずつ長いフレーズにしていきます。
この段階では、小節の切り替わりで止まらないことも大切です。
STEP6:メトロノームを使って練習する
ゆっくりしたテンポから始め、安定して演奏できるようになったら少しずつ速くしていきます。
テンポを上げたときに手順が乱れる場合は、元のテンポに戻しましょう。
STEP7:初見のチャートに挑戦する
最後は、まだ練習していないチャートを使って演奏してみます。
この段階で初めて、読み替えルールがどれくらい身体に入っているのかがわかります。
最初から完璧にできなくても構いません。少しずつ判断する時間を短くしていきましょう。

この練習で上達する5つの能力
1. 音符を読む力
シンコペーションチャートを見ながら演奏することで、音符と休符の位置を把握する力を鍛えられます。
特に、表拍と裏拍の関係を理解することが重要です。
2. スティッキングを選択する力
決められた手順を反復するだけではなく、譜面に応じて複数の手順から選択する練習になります。
3. 手順を切り替える力
シングルストロークとパラディドルを交互に使うことで、異なる手順をつなげる能力が向上していきます。
4. ドラムソロのフレーズを作る力
シンコペーションチャートを利用することで、自分では思いつかなかった手順の組み合わせが生まれます。
これらを繰り返し練習することが、ドラムソロで使えるフレーズの引き出しを増やすことにつながります。
5. 瞬間的な判断力
今回の練習で特に重要なのが、この判断力です。
演奏中に「次は右、左、右、右」と考えていては、その分だけ他のことに注意を向けにくくなります。
基本的な手順を身体に覚え込ませ、チャートを見ながら瞬間的にフレーズを選べるようになることが理想です。
アドリブで使用するフレーズの増やし方については、こちらの記事も参考にしてください。
ドラムセットに応用するとさらに面白くなる
練習パッドやスネアで読み替えができるようになったら、今度はドラムセットへ応用してみましょう。
例えば、次のような方法があります。
- 右手をフロアタム、左手をハイタムに振り分ける
- 右手をライド、左手をハイハットに振り分ける
手順そのものを変えなくても、叩く楽器を変えることで、多くのバリエーションを作ることができます。
アクセント移動の応用については、こちらの記事で詳しく説明しています。
よくある失敗と改善方法
パラディドルの手順がわからなくなる
パラディドルそのものが十分に身についていない可能性があります。
一度チャートから離れて、基本手順をゆっくり繰り返してください。
裏拍から始まると混乱する
まずは4分音符を感じながら、裏拍の位置を声に出して確認してみましょう。
慣れてきたら、足で拍を取りながら両手でフレーズを演奏します。
譜面を読んでいると手が止まる
最初から長いチャートを読もうとせず、1拍、2拍、1小節と少しずつ範囲を広げてください。
また、読み替えるルールを一度に増やしすぎないことも大切です。
テンポが速くなってしまう
パラディドルからシングルストロークへ切り替えるときに、音符の間隔が変わってしまっている可能性があります。
メトロノームを使い、どちらの手順でも16分音符の間隔が一定になるように練習しましょう。
左右の手順が逆になってしまう
右手始まりだけでなく、左手始まりのパラディドルも練習しておきましょう。
さらに、フレーズをつなげるときは、前の手順がどちらの手で終わるのかを確認することも効果的です。
手順の基本的な考え方については、こちらの記事も参考になります。
パラディドルを覚えるだけでなく、自由に使えるようになろう
今回紹介したシンコペーションチャートの読み替え練習は、単にパラディドルを速く叩くための練習ではありません。
音符を見て、それに応じたフレーズを瞬間的に選択するための練習です。
最初は、どの音符でどの手順を使うのかを考えながら演奏することになります。
しかし、繰り返すことでその判断が少しずつ速くなり、やがて手順を意識しなくても演奏できる状態に近づいていきます。
私は、ドラムのアドリブでは、難しいフレーズをたくさん暗記することだけが重要なのではないと考えています。
むしろ、基本的な材料をしっかり身につけ、それらを自由に組み合わせられることが大切です。
シングルパラディドル一つでも、組み合わせ方やアクセント、叩く楽器を変えることで、さまざまなフレーズを作ることができます。
まずは、ゆっくりしたテンポでチャートを読み替えることから始めてみてください。
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