「譜面は分かっているのに、実際に叩くと手が迷ってしまう」
「フィルインになると、右手と左手の順番が分からなくなる」
「速いフレーズを叩こうとすると、手が絡まって止まってしまう」
ドラムを練習していると、このような悩みにぶつかることがあります。
音符は読めている。
リズムも頭では分かっている。
でも、実際に叩こうとすると手がうまく動かない。
この場合、原因は音符だけではなく、手順にあることが多いです。
手順とは、簡単に言うと、右手と左手をどの順番で使うかということです。
たとえば、同じ16分音符のフレーズでも、
R L R L
R R L L
R L R R
のように、右手と左手の順番が変わるだけで、叩きやすさや音の流れが変わります。
ドラム8要素の中で、手順は3つ目の要素です。
1つ目のストロークは「どう音を出すか」。
2つ目の音符は「いつ叩くか」。
そして3つ目の手順は「どちらの手で叩くか」を決めるものです。
つまり手順は、音符を実際の動きに変えるための大切な橋渡しです。
今回は、ドラム初心者〜初級者の方に向けて、手順の基本を分かりやすく解説していきます。

手順とは?右手と左手の順番を決めること
手順とは、右手と左手をどの順番で使うかということです。
ドラムでは、右手を R、左手を L と表すことが多いです。
RはRightの頭文字で、右手。
LはLeftの頭文字で、左手です。
たとえば、
R L R L
と書かれていれば、右・左・右・左の順番で叩きます。
R R L L
と書かれていれば、右・右・左・左の順番で叩きます。
このように、手順を決めることで、どちらの手でどの音を叩くのかがはっきりします。
ドラムでは、同じリズムでも手順が変わると、叩きやすさが大きく変わります。
たとえば、16分音符を4つ叩く場合でも、R L R L で叩くのか、R R L L で叩くのかで、体の動き方が変わります。
さらに、ドラムセットでは叩く場所も変わります。
スネアだけで叩くなら簡単でも、タムへ移動したり、クラッシュシンバルに戻ったりすると、手順が合っていないと動きにくくなることがあります。
手順は、音符を実際の動きに変えるための設計図のようなものです。
音符が分かっていても、手順が決まっていないと演奏中に迷いやすくなります。
逆に手順が整理されると、フレーズの流れが安定しやすくなります。
音符は「いつ叩くか」、手順は「どちらの手で叩くか」
音符と手順は、似ているようで役割が違います。
音符は、いつ叩くかを表します。
4分音符なら1拍に1つ。
8分音符なら1拍を2つに分ける。
16分音符なら1拍を4つに分ける。
3連符なら1拍を3つに分ける。
このように、音符はタイミングを整理するためのものです。
一方、手順は、どちらの手で叩くかを決めるものです。
たとえば、16分音符が4つ並んでいるとしても、それを右左交互で叩くのか、右右左左で叩くのか、右左右右で叩くのかによって、動き方が変わります。
音符だけ分かっていても、どちらの手で叩くかが決まっていなければ、実際の演奏では迷いやすくなります。
特にフィルインでは、この違いがよく出ます。
譜面上では「タカタカ」と16分音符が並んでいるだけでも、実際には、
右手から始めるのか。
左手をどこで使うのか。
最後はどちらの手で終わるのか。
次の1拍目にクラッシュやハイハットへ戻れるのか。
こういったことを考える必要があります。
つまり、音符はリズムの場所を決めるもの。
手順は、その音符を実際に体で叩くための流れを決めるものです。

まず覚えたい基本手順はシングルストローク
初心者の方がまず覚えたい基本手順は、シングルストロークです。
シングルストロークとは、
R L R L
のように、右手と左手を交互に叩く手順です。
日本語で言えば、右・左・右・左です。
これは、ドラムの中で最も基本的な手順のひとつです。
16分音符のフィルイン、速い連打、ドラムソロ、タム回しなど、いろいろな場面で使います。
シングルストロークは一見シンプルですが、実は奥が深いです。
初心者の方が練習すると、右手と左手の音量差が出やすいです。
右手は大きく鳴るけれど、左手が弱くなる。
右手は安定しているけれど、左手が遅れる。
速くすると、左右のバランスが崩れる。
こうしたことはよくあります。
まずは速く叩くよりも、左右の音量をそろえることを大切にしましょう。
BPM50〜60くらいのゆっくりしたテンポで、
R L R L
R L R L
と、左右の音が均等になるように練習してみてください。
シングルストロークが安定すると、フィルインや16分音符のフレーズがかなり叩きやすくなります。

ダブルストロークは2打ずつ叩く手順
次に覚えたいのが、ダブルストロークです。
ダブルストロークとは、
R R L L
のように、同じ手で2打ずつ叩く手順です。
右・右・左・左。
これが基本の形です。
ダブルストロークは、速いフレーズやなめらかなフィルインに役立ちます。
シングルストロークだけで速い音数を叩こうとすると、手が忙しくなりやすいです。
一方、ダブルストロークを使えるようになると、同じ音数でも体の動きが楽になることがあります。
ただし、ダブルストロークで大切なのは、力で2打叩こうとしないことです。
1打目を叩いたあと、スティックは自然に跳ね返ります。
そのリバウンドを使って、2打目を自然に鳴らす感覚が大切です。
力で押し込んでしまうと、2打目が硬くなったり、テンポが上がらなくなったりします。
ダブルストロークは、ルーディメンツやドラムセットの応用にもつながります。
フィルイン、ロール、細かい手順、パラディドルなど、多くのフレーズの土台になります。

パラディドルはシングルとダブルを組み合わせた手順
パラディドルは、シングルストロークとダブルストロークを組み合わせた手順です。
基本形は、
R L R R
L R L L
です。
前半は、右・左・右・右。
後半は、左・右・左・左。
このように、交互に叩く部分と、同じ手で2打叩く部分が組み合わさっています。
パラディドルは、最初は少し難しく感じるかもしれません。
でも、慣れてくるととても便利な手順です。
アクセント移動。
フィルイン。
ゴーストノート。
ファンク系フレーズ。
ドラムソロ。
タム移動。
いろいろな場面に応用できます。
最初は練習パッドでゆっくり練習しましょう。
次にスネアで練習します。
慣れてきたら、ドラムセットの中で叩く場所を変えてみます。
たとえば、Rをタム、Lをスネアにする。
アクセントだけタムへ移動する。
右手をハイハット、左手をスネアに分ける。
こうすると、パラディドルはただの基礎練習ではなく、音楽的なフレーズになります。
手順の練習は、単なる指の運動ではありません。
フレーズを作るための材料です。

同じ音符でも手順が変わると叩きやすさが変わる
ドラムでは、同じ音符でも手順が変わると、叩きやすさが変わります。
たとえば、16分音符を4つ叩く場合を考えてみます。
R L R L
で叩くと、左右交互なので流れは分かりやすいです。
一方、
R R L L
で叩くと、同じ手で2打ずつ叩くので、リバウンドを使ったなめらかな流れが作りやすくなります。
また、
R L R R
のように叩くと、次の左手スタートにつなげやすくなります。
このように、同じ16分音符でも、手順によって体感が変わります。
手順によって、アクセントのつけやすさも変わります。
移動のしやすさも変わります。
音の流れも変わります。
ドラムセットでは、特にタム移動で手順の影響が大きく出ます。
右手でフロアタムへ行きたいのか。
左手でスネアに戻りたいのか。
最後にクラッシュシンバルを叩きたいのか。
こうした流れを考えると、手順はとても大切です。
フレーズが叩きにくい時は、音符が難しいのではなく、手順が合っていない場合もあります。
「この手順だと移動しにくいな」
「この最後の手だと次の1拍目に戻りにくいな」
と感じたら、手順を見直してみると良いです。

手順を理解するとフィルインで止まりにくくなる
フィルインで止まってしまう原因のひとつは、手順が決まっていないことです。
フィルインに入った瞬間に、
「あれ、次は右手?」
「ここで左手を使うんだっけ?」
「最後どっちの手で終わるんだろう?」
と迷ってしまうと、リズムが止まりやすくなります。
フィルインは勢いで叩くものではありません。
もちろん勢いも大切ですが、その前に音符と手順を整理しておくことが大切です。
たとえば、16分音符1拍分のフィルインを、
R L R L
で叩くとします。
この時、右手から始まり、左手で終わります。
次の1拍目でクラッシュシンバルを右手で叩きたい場合は、左手で終わったあと、右手が自然にクラッシュへ向かえるかを確認します。
もし手順が合っていないと、次の1拍目に戻りにくくなります。
フィルインは、叩いている最中だけでなく、戻り方まで含めて練習することが大切です。
手順を決めておくと、次の1拍目へ戻りやすくなります。
ドラムセットでは、手順を叩く場所に展開する
練習パッドで手順を練習することは大切です。
ただし、練習パッドだけで終わってしまうと、実際の演奏で使いにくいことがあります。
ドラムセットでは、手順を叩く場所に展開することが大切です。
たとえば、R L R L をスネアだけで叩くと、シンプルなシングルストローク練習になります。
次に、Rをタム、Lをスネアに分けてみます。
R=ハイタム
L=スネア
R=ロータム
L=スネア
このように場所を変えると、同じ手順でもフレーズの印象が変わります。
さらに、タム移動を入れるとフィルインになります。
R L R L
という同じ手順でも、
スネア・スネア・タム・タム
ハイタム・ロータム・フロアタム・スネア
スネア・ハイタム・ロータム・フロアタム
のように、叩く場所を変えるだけでまったく違うフレーズになります。
手順は、フレーズ作りの材料です。
同じ材料でも、配置を変えることでいろいろな表現ができます。
手順でよくある失敗と改善ポイント
手順の練習では、よくある失敗がいくつかあります。
ここでは、初心者の方がつまずきやすいポイントと改善方法を整理しておきます。
失敗1:右手ばかりに頼ってしまう
右利きの方は、どうしても右手に頼りやすくなります。
右手は動くけれど、左手が遅れる。
右手だけ音が大きい。
左手スタートになると急に不安定になる。
このようなことはよくあります。
改善するには、左手だけの練習や、左手スタートの手順も取り入れることです。
R L R L だけでなく、
L R L R
も練習してみましょう。
左手スタートに慣れると、フィルインやパラディドルの自由度が上がります。
失敗2:速く叩こうとして左右の音量がバラバラになる
手順練習でよくあるのが、速さを優先しすぎることです。
速く叩こうとすると、左右の音量がバラバラになりやすいです。
特に左手が弱くなったり、2打目が小さくなったりします。
改善するには、BPM50〜60くらいから練習することです。
速さよりも、左右の音量がそろっているかを確認しましょう。
失敗3:手順を覚えるだけで、音楽的に使えない
R L R L や R R L L を覚えても、練習パッドの上だけで終わってしまうことがあります。
それでは、実際の演奏に使いにくいです。
改善するには、スネアだけで終わらせず、タムやハイハット、バスドラムと組み合わせることです。
手順をドラムセットに展開すると、フレーズとして使いやすくなります。
失敗4:フィルインで次の1拍目に戻れない
フィルインで大切なのは、最後まで叩き切ることだけではありません。
次の1拍目に戻ることが大切です。
最後の手がどちらで終わるか。
次のクラッシュやハイハットに戻れるか。
バスドラムと一緒に入れるか。
ここまで確認しておくと、フィルインで止まりにくくなります。
失敗5:パラディドルなどを速さだけで練習してしまう
パラディドルは、速く叩けると楽しいです。
ただ、速さだけを目標にすると、音が平坦になったり、実際の演奏に使えなかったりします。
改善するには、アクセント、音量差、ドラムセット展開もあわせて練習することです。
パラディドルは、ただ速く叩くためのものではありません。
音楽的なフレーズを作るための手順です。

初心者におすすめの手順練習ステップ
ここからは、初心者の方におすすめの手順練習ステップを紹介します。
ステップ1:R L R L をゆっくり叩く
まずは、シングルストロークを練習します。
R L R L
右手と左手を交互に使います。
目的は、左右交互の流れを覚えることです。
最初は速くしなくて大丈夫です。
左右の音量がそろっているかを確認しながら練習しましょう。
ステップ2:L R L R も練習する
次に、左手スタートも練習します。
L R L R
左手から始めると、急に難しく感じる方もいます。
でも、左手スタートに慣れておくと、フィルインやドラムセットでの移動がかなり楽になります。
目的は、左手スタートにも慣れることです。
ステップ3:R R L L を練習する
次は、ダブルストロークです。
R R L L
目的は、2打ずつの流れを覚えることです。
2打目を力で叩きにいくのではなく、リバウンドを使って自然に鳴らす感覚を大切にしましょう。
ステップ4:R L R R / L R L L を練習する
次は、パラディドルです。
R L R R
L R L L
目的は、シングルとダブルが組み合わさった手順に慣れることです。
最初は口で、
右・左・右・右
左・右・左・左
と唱えながら練習すると分かりやすいです。
ステップ5:練習パッドからドラムセットへ展開する
最後に、練習パッドで覚えた手順をドラムセットへ展開します。
スネアだけで叩く。
タムへ移動する。
ハイハットやバスドラムと組み合わせる。
フィルインとして使う。
このように進めていきます。
目的は、手順をフィルインやフレーズに応用することです。
手順は、覚えるだけで終わらせず、実際の演奏の中で使っていきましょう。

手順は他のドラム8要素すべてにつながる
手順は、ドラム8要素の3つ目として、音符を実際の動きに変える重要な要素です。
まず、ストロークで音の出し方を整えます。
次に、音符でタイミングを理解します。
そして、手順で左右の流れを決めます。
この3つがつながると、フレーズがかなり整理されます。
手順が整うと、リズムパターン、フィルイン、グルーヴ、テクニック、楽曲スタイルにも応用しやすくなります。
たとえば、16ビートでは、右手と左手の役割を整理することでゴーストノートが安定します。
フィルインでは、手順を決めることで次の1拍目に戻りやすくなります。
ドラムソロやアドリブでは、手順の引き出しが多いほど、自由にフレーズを作りやすくなります。
手順を理解すると、耳コピにも役立ちます。
聴いたフレーズを、ただ音として覚えるだけでなく、
「これは右左交互かな」
「ここはダブルが入っているな」
「この流れはパラディドルっぽいな」
と整理できるようになります。
何となく叩くのではなく、
「この音は右手」
「この音は左手」
と分かって叩けるようになる。
これが、手順を学ぶ大きな意味です。
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まとめ
手順とは、右手と左手をどの順番で使うかということです。
Rは右手。
Lは左手を表します。
音符は「いつ叩くか」を決めるものです。
手順は「どちらの手で叩くか」を決めるものです。
シングルストロークは、
R L R L
の交互打ちです。
ダブルストロークは、
R R L L
の2打ずつの手順です。
パラディドルは、
R L R R
L R L L
のように、シングルとダブルが組み合わさった手順です。
同じ音符でも、手順が変わると叩きやすさや音の流れが変わります。
手順を理解すると、フィルインで止まりにくくなります。
練習パッドだけでなく、ドラムセットへ展開すると音楽的に使えるようになります。
手順は、フィルイン、リズム、グルーヴ、テクニック、楽曲スタイルにつながる大切な基礎です。
まずは速く叩くことよりも、左右の流れを安定させることを大切にしましょう。
手順をしっかり身につけたい方へ
手順は、文章や楽譜だけでは分かりにくい部分もあります。
特に、右手と左手の流れ、フィルインでの使い方、ドラムセットへの展開は、実際に音を出しながら確認すると理解しやすくなります。
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