ドラム初心者が自分の演奏を客観的にチェックする過程|録音すると上達が速くなる理由

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こんにちは、ドラム講師の川島です。

皆さんは、普段自分が練習しているドラムの演奏を録音したり、録画したりしていますか?

練習中は「うまく叩けている」「リズムも安定している」と思っていても、実際に録音した演奏を聴き直してみると、意外なところでリズムがずれていることがあります。

例えば、曲の最初は安定していた8ビートが、曲の後半になると少しずつ速くなっていた、という経験はありませんか?

これは、ドラムを叩いているときには演奏することに意識が集中しているため、自分の演奏を客観的にチェックすることが難しくなるからです。

そこで私がおすすめしているのが、自分の演奏を録音・録画して、問題点を発見し、修正する練習方法です。

ただ繰り返し叩くのではなく、自分の演奏を冷静に分析することで、何を練習すればよいのかが具体的にわかるようになります。

今回は、ドラム初心者の方に向けて、録音・録画を使って自分の演奏を客観的にチェックする4つの過程と、実際にテンポが速くなってしまう場合の改善練習について解説します。

ドラムが上達する4つの過程

ドラムの上達には、練習することはもちろん大切ですが、練習した結果を確認することも同じくらい大切です。

私は、自分の演奏をチェックするときには、次の4つの過程を意識するとよいと考えています。

  1. 練習する:普段の練習を通して、演奏する感覚を体に覚えさせる。
  2. 録音・録画する:自分の演奏を記録し、後から客観的に確認できるようにする。
  3. 修正する箇所を見つける:録音した演奏を繰り返し聴き、どこがどのようにずれているのかを具体的に調べる。
  4. 原因を考え、修正方法を見つける:なぜミスが起きたのかを分析し、改善するための練習方法を考える。

この4つの過程を一度行って終わりにするのではなく、繰り返していくことが重要です。

修正方法がわかったら、もう一度最初の練習に戻ります。そして、再び自分の演奏を録音して、問題が改善されているかをチェックします。

練習、録音、分析、修正。この繰り返しによって、自分に必要な練習が明確になっていきます。

①まずは普段どおりに練習する

最初の段階は、普段どおりにドラムを練習することです。

練習内容は、必ずしも特別なものである必要はありません。

例えば、次のような練習が考えられます。

  • 基本的な8ビートを安定して叩く練習
  • メトロノームを使ったリズム感覚の練習
  • 一定のテンポを保つタイムキープの練習
  • スティックを正確に動かすストロークの練習
  • 課題曲のリズムパターンやフィルインの練習

まずは、現在自分が取り組んでいる練習を繰り返し、実際にドラムを叩く感覚を体に覚えさせていきます。

8ビートであれば、右手でハイハットを刻みながら、バスドラムとスネアを組み合わせ、手足が自然に動く状態を目指して練習します。

最初は動きを一つひとつ確認しなければ叩けなかったものが、繰り返すことで少しずつ自然に演奏できるようになってきます。

ここで大切なのは、自分が「できるようになった」と感じることと、実際に正確に演奏できていることは、必ずしも同じではないということです。

例えば、8ビートを止まらずに叩けるようになっても、ハイハットの間隔が不均等だったり、バスドラムのタイミングが少し早くなっていたりすることがあります。

このような問題を発見するために、次の段階で録音・録画を行います。

なお、これから8ビートの練習を始める方は、以下の記事も参考にしてください。

②自分の演奏を録音・録画する

ある程度練習して「できるようになってきた」と感じたら、自分の演奏を録音、または録画してみましょう。

特別な録音機材を用意する必要はありません。スマートフォンの録音機能やカメラ機能でも十分に始められます。

大切なのは、練習しているときの自分と、演奏をチェックしているときの自分を分けることです。

演奏しながら自分の演奏をチェックするのは難しい

もちろん、ドラムを叩きながら、自分の出している音を聴くことも大切です。

しかし、初心者の方の場合、演奏中はどうしても手足を動かすことや、次に叩くフレーズを考えることに意識が向きやすくなります。

例えば、右手でハイハットを刻みながら、左手のスネアと右足のバスドラムを正確に組み合わせるだけでも、最初はかなりの集中力が必要です。

その状態で、ハイハットが少し速くなっていないか、バスドラムが遅れていないか、テンポが一定かどうかまで細かく確認するのは簡単ではありません。

そこで、いったん演奏を録音しておき、後から聴き直します。

演奏するときは演奏に集中し、チェックするときは聴くことに集中する。このように役割を分けることで、演奏中には気づかなかった問題を発見しやすくなります。

録音と録画を目的に合わせて使い分ける

自分の演奏を確認するときには、録音と録画を目的に合わせて使い分けると効果的です。

  • 録音:リズムのタイミング、テンポの変化、音量のばらつき、音色などを確認する。
  • 録画:スティックの動き、手足の使い方、フォーム、体の力みなどを確認する。

例えば、タイムキープを確認したいのであれば、録音した音を集中して聴くことが重要です。

一方、アップダウン奏法の動きやスティックの軌道を確認したい場合は、動画を使うと視覚的にチェックできます。

もちろん、動画であれば音と動きの両方を確認できるので、最初はスマートフォンで録画する方法がおすすめです。

録音するときの注意点

録音するときは、できるだけ普段どおりの演奏を記録してください。

録音を意識しすぎると、普段とは違う演奏になってしまうことがあります。何度か録音して、自然に叩けたものを確認するとよいでしょう。

また、曲やメトロノームに合わせて練習している場合は、自分のドラムと基準となる音の両方が確認できるようにしておくと便利です。

スマートフォンのマイクでは、生ドラムの音が大きすぎて音割れすることがあります。スピーカーやドラムから少し離した位置に置き、録音した音が確認できるか試してみてください。

③ずれている箇所や修正点を見つける

録音・録画ができたら、ここからは自分の演奏を客観的にチェックしていきます。

この段階では、ドラムを叩く必要はありません。録音した演奏を繰り返し聴いて、問題が起きている箇所を探していきます。

例えば、8ビートを録音して聴いてみると、次のような問題が見つかることがあります。

  • ハイハットの8分音符が均等に刻めていない。
  • バスドラムがメトロノームより少し早くなっている。
  • スネアを叩くタイミングが遅れている。
  • フィルインの後からテンポが速くなっている。
  • 曲の後半になるほど、全体のテンポが速くなっている。

ここで重要なのは、単純に「リズムがずれている」と判断するだけで終わらせないことです。

どこが、どのようにずれているのかを言葉にする

例えば、バスドラムのタイミングがずれていた場合、具体的にどのようにずれているのかを調べます。

バスドラムが早くなっているのでしょうか。それとも、遅れているのでしょうか。

毎回ずれているのか、特定のフレーズだけでずれているのかによっても、考えられる原因は変わります。

録音した演奏の気になる箇所を何度も聴き直して、できるだけ詳しく言葉にしてみてください。

例えば、「2小節目のバスドラムの裏拍だけが早くなっている」「フィルインの最後のスネアが遅れている」というように、問題を具体的に整理します。

自分の演奏の問題点を具体的に説明できるようになると、次に何を練習すればよいのかが見えてきます。

曲の最初と最後を聴き比べてみよう

タイムキープを確認するときには、曲の最初と最後を聴き比べる方法もおすすめです。

曲の最初は落ち着いて叩いていたつもりでも、最後の部分を聴いてみると、明らかにテンポが速くなっていることがあります。

その場合は、曲の途中も確認してみてください。

曲のどのあたりから速くなっているのか、特定のリズムやフィルインをきっかけにテンポが変化していないかをチェックします。

なお、音楽的な表現として意図的にテンポを変化させる演奏もありますが、ここでは一定のテンポを保つ練習を想定しています。

修正点がいくつも見つかった場合には、すべてを一度に直そうとするのではなく、まずは一つに絞って取り組むとよいでしょう。

④なぜずれたのか考え、修正方法を見つける

自分の演奏の問題点を発見できたら、次はその原因を考えていきます。

例えば、バスドラムが早くなっていたとしても、ただ「もっとゆっくり叩こう」と意識するだけでは、根本的な問題が解決しないことがあります。

なぜバスドラムが早くなってしまうのでしょうか。

音符の長さやタイミングを正確に理解できていないのかもしれません。あるいは、足の動かし方に問題があったり、特定の手順で体に力が入ってしまったりすることも考えられます。

このように、同じタイミングのずれであっても、原因は一つとは限りません。

ドラムの8要素を使って問題を整理する

私のドラム教室では、ドラムの上達に必要な内容を8つの要素に整理して指導しています。

自分の演奏に問題が見つかった場合にも、この8要素を参考にすると、修正するべきポイントを整理しやすくなります。

  • ストローク:スティックの動かし方や音量のコントロールに問題がないか。
  • 音符:4分音符、8分音符、16分音符などの長さやタイミングを理解できているか。
  • 手順:右手と左手の動かす順番が適切か。
  • リズムパターン:ビート全体の構造や手足の組み合わせを理解できているか。
  • フィルイン:フレーズの途中や終わりで拍の流れが崩れていないか。
  • グルーヴ:リズムの流れや音のつながりを感じて演奏できているか。
  • テクニック:必要な動きを無理なく行えるか。
  • 音楽ジャンル:演奏するジャンルに合ったリズムや表現を理解できているか。

例えば、音符のタイミングが曖昧なことが問題であれば、音符を正確に理解して体で感じる練習が必要です。

一方、音符のタイミングは理解できていても、スティックや足の動きが追いつかないのであれば、ストロークやテクニックの練習が必要になるでしょう。

ただし、演奏の症状だけで原因を決めつけるのではなく、実際に練習方法を変えながら確認することが大切です。

ドラムの8要素については、以下の記事でも詳しく説明しています。

実例|8ビートを叩いているとテンポが速くなる場合

ここからは、実際のドラム練習を例にして、先ほどの4つの過程を具体的に説明していきます。

私の教室でも、生徒さんからよく相談を受けるのが、「曲を叩いていると、だんだんテンポが速くなってしまう」という悩みです。

曲の最初は安定しているのに、最後まで演奏すると、いつの間にか最初よりも速いテンポになってしまうことがあります。

このような場合、どのように練習を進めればよいのでしょうか。

①8ビートを練習する

まずは、課題曲の8ビートを普段どおりに練習します。

右手のハイハット、左手のスネア、右足のバスドラムを組み合わせ、リズムパターンを安定して叩けるようにしていきます。

この段階では、できるだけ曲のテンポやリズムを意識しながら、繰り返し演奏してみましょう。

②自分の演奏を録音する

ある程度演奏できるようになったら、課題曲を最初から最後まで通して演奏し、録音してみます。

途中で多少ミスをしても、すぐに止めずに最後まで録音してみてください。

今回は、曲を通して演奏したときのタイムキープを確認することが目的だからです。

③曲の最初と最後のテンポを比較する

録音が終わったら、曲の最初と最後を聴き比べます。

例えば、曲の最初はメトロノームに合わせて安定していたのに、曲の最後では明らかに速くなっていたとします。

この場合、曲のどこかでテンポが速くなり始めているはずです。

そこで、曲の途中も少しずつ聴き直して、どの部分からタイミングがずれ始めているのかを確認します。

特定のフィルインの後から速くなっているのか、それとも8ビートを叩いている間に少しずつ速くなっているのか。

この違いを見つけるだけでも、次に調べるべきポイントが絞られます。

④裏拍に注目して、テンポが速くなる原因を考える

今回は、8ビートを叩いている間に少しずつテンポが速くなっている場合を考えてみます。

このようなケースで確認したいことの一つが、裏拍のタイミングを正確に感じられているかということです。

ドラム初心者の方は、メトロノームのクリックが鳴る表拍には意識を向けていても、その間にある裏拍をあまり意識していないことがあります。

例えば、4分音符の表拍に合わせて8分音符を叩いているとき、表拍は意識していても、裏拍のタイミングが曖昧になっている場合があります。

裏拍を本来の位置よりも少し早く叩いてしまい、その勢いで次の表拍まで早くなってしまう。

そして、次の裏拍も早く叩いてしまう。

この繰り返しによって、少しずつテンポが速くなっていくことがあります。

演奏している最中は、このようなわずかな変化に気づかないかもしれません。

しかし、録音した曲の最初と最後を聴き比べると、テンポの変化がはっきりとわかることがあります。

もちろん、テンポが速くなる原因は裏拍だけではありません。フィルインの手順、体の力み、フレーズの理解不足などが関係していることもあります。

今回は、録音を確認した結果、裏拍が早くなる傾向が見つかったと仮定して、具体的な改善練習を考えていきましょう。

改善練習|メトロノームを裏拍で捉えてみよう

裏拍が早くなってしまう場合、私がおすすめしている練習の一つが、メトロノームを裏拍で捉える練習です。

普段、メトロノームのクリックを表拍で感じながら練習している方は多いと思います。

しかし、今回は表拍ではなく、8分音符の裏拍にクリックが鳴るように感じながら練習してみましょう。

まずは表拍と裏拍の位置を理解する

4分の4拍子の場合、基本となる表拍は「1・2・3・4」です。

その間に8分音符の裏拍が入ると、「1と2と3と4と」という数え方になります。

このとき、数字の部分が表拍で、「と」の部分が裏拍です。

例えば、8分音符を均等に叩く場合、表拍と裏拍の間隔も均等になる必要があります。

裏拍が少し早くなったり遅くなったりしてしまうと、8分音符の間隔が不均等になってしまいます。

まずは、表拍と裏拍がどこにあるのかを理解しておきましょう。

メトロノームを裏拍に合わせる具体的な練習方法

最初は、BPM40〜50程度のゆっくりしたテンポに設定してみてください。

ただし、裏拍にクリックを置く練習が初めての方にとっては、BPM40でも難しく感じることがあります。その場合は、自分が拍を見失わずに練習できるテンポから始めましょう。

練習するときは、次の順番で進めていきます。

  1. メトロノームを鳴らし、最初はクリックを表拍として感じながら4分音符を数える。
  2. 次に「1と2と3と4と」と8分音符のカウントを行い、表拍と裏拍の位置を確認する。
  3. クリックが鳴っている位置を、8分音符の裏拍である「と」に置き換えて感じてみる。
  4. クリックが裏拍になる状態を保ちながら、表拍の位置を自分で感じて手拍子やスティックで叩く。
  5. 慣れてきたら、同じ感覚で8ビートを演奏する。

ここで注意したいのは、クリックを裏拍で感じる場合、4分音符の表拍はクリックとクリックの中間に来るということです。

つまり、メトロノームに表拍を教えてもらうのではなく、自分の中で表拍を感じながら演奏しなければなりません。

これが意外と難しい練習になります。

メトロノームのテンポを変えずに、クリックを表拍で感じたり裏拍で感じたりする練習を繰り返してみてください。

なお、クリックを8分音符の裏拍に置く場合、メトロノームのBPMは4分音符の拍の速さを表すものとし、クリック1回に対して裏拍が1回対応する設定を想定しています。

ゆっくりしたテンポで練習する理由

裏拍のタイミングを整えるときには、ゆっくりしたテンポで練習することが重要です。

テンポが速いと、次々にクリックが鳴るため、拍と拍の間隔を自分で感じる時間が短くなります。

一方、テンポをゆっくりにすると、次のクリックまでの時間が長くなります。

その間も一定のリズムを保つ必要があるため、自分の中で拍を感じ続ける練習になります。

ただし、無理にテンポを遅くして拍を見失ってしまっては意味がありません。

自分が正確に拍を捉えられるテンポで練習し、安定してきたら少しずつ難易度を上げていきましょう。

テンポが速くなる原因や、メトロノームに合わせる練習については、以下の記事も参考にしてください。

録音・録画を使った練習を繰り返そう

ここまで、8ビートのテンポが速くなってしまう場合を例に、録音を使った改善方法を紹介しました。

今回の例では、裏拍が早くなってしまうことが原因の一つだと考え、メトロノームを裏拍で捉える練習を行いました。

しかし、修正方法を見つけて練習したら、それで終わりというわけではありません。

もう一度、自分の演奏を録音してみてください。

最初に録音した演奏と、修正練習を行った後の演奏を聴き比べてみましょう。

曲の後半でもテンポが安定しているでしょうか。裏拍のタイミングは改善されているでしょうか。

もし改善されていれば、今回の練習が効果的だったと判断する材料になります。

一方、まだテンポが速くなってしまうのであれば、練習を継続したり、ほかの原因を調べたりする必要があります。

このように、練習して終わりにするのではなく、再び録音して結果を確認することが重要です。

録音した演奏は保存しておこう

私は、練習で録音した演奏は、できるだけ保存しておくことをおすすめしています。

例えば、同じ8ビートを1週間前、1か月前、現在の3つの時点で録音しておけば、それぞれの演奏を聴き比べることができます。

普段の練習では、自分がどのくらい上達しているのか、なかなか実感できないこともあります。

しかし、以前の録音と比較すると、昔は不安定だったリズムが安定していたり、以前は叩けなかったフレーズが自然に叩けるようになっていたりすることがあります。

自分の成長を音で確認できることは、練習を続けるモチベーションにもつながります。

録音したファイルには、練習した日付やテンポ、練習内容などを記録しておくと、後から比較するときに便利です。

まとめ|自分の演奏を客観的にチェックする習慣を身につけよう

今回は、ドラム初心者の方に向けて、録音・録画を使って自分の演奏を客観的にチェックする方法を紹介しました。

もう一度、4つの過程を振り返ってみましょう。

  1. 練習する:普段の練習を通して、演奏する感覚を体に覚えさせる。
  2. 録音・録画する:自分の演奏を記録し、後から客観的にチェックする。
  3. 問題点を発見する:どこが早いのか、遅いのか、どの部分に修正が必要なのかを具体的に調べる。
  4. 原因を考えて修正する:なぜ問題が起きたのかを考え、その原因に合った練習方法を見つける。

そして、修正方法がわかったら、もう一度最初の練習に戻ります。

この4つの過程を繰り返すことで、ただ何となく練習するのではなく、自分が今何を練習するべきなのかが明確になっていきます。

もちろん、録音してみても、自分では原因がわからないこともあると思います。

そのような場合は、ドラム講師に演奏動画を見てもらい、どこに問題があるのかを確認してもらうのも一つの方法です。

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