こんにちは、ドラム講師の川島です。
ドラムを練習するとき、いきなり曲や難しいフレーズを叩き始めていませんか?
特に冬の寒い時期は、練習を始めても手首や指が思うように動かず、速いフレーズを叩こうとしても体がついてこないことがあります。
私自身、ドラムの練習前やライブ前には必ずウォームアップを行っています。
ウォームアップというと、単に体を温めるための準備運動を想像するかもしれません。しかし、ドラムの場合はそれだけではありません。
ウォームアップの本当の目的は、手首・指・足首がスムーズに動き、必要な瞬間に両手両足が反応できる状態を作ることです。
今回は、私が普段行っているウォームアップをもとに、練習前の5分間で取り組める準備メニューをご紹介します。
初心者の方から経験者の方まで、自分のレベルに合わせて取り入れてみてください。
60分無料体験レッスン受付中!
初月レッスン料20%OFF
ドラム練習前にウォームアップが必要な理由
ドラムの演奏では、手首・指・足首など、体のさまざまな部分を使います。
例えば、速いシングルストロークでは手首や指の素早い動きが必要になりますし、バスドラムの細かい連打では足首のコントロールが重要になります。
ところが、練習を始めた直後は、こうした動きがスムーズにできない場合があります。
夏の暑い時期は比較的体が動かしやすいものですが、冬の寒い時期は手足が冷えて、動きが硬く感じられることがあります。
そのような状態で、最初から速いフレーズを叩こうとすると、必要以上に力が入ってしまいます。
そこで大切になるのが、ウォームアップです。
私の場合は、次の順番で手足を動かしていきます。

最初からすべてを同時に動かすのではなく、それぞれの部分が動くようになったことを確認しながら進めます。
これが私のウォームアップの基本的な考え方です。
5分でできるドラムのウォームアップメニュー
まずは、今回ご紹介するウォームアップの全体像を確認しておきましょう。
目安となる時間は5分間です。
| 時間 | 練習内容 |
|---|---|
| 0:00〜1:00 | 手首のシングルストローク |
| 1:00〜2:00 | 指のフィンガーストローク |
| 2:00〜3:30 | 手首と指を組み合わせた連打 |
| 3:30〜4:30 | 右足・左足のウォームアップ |
| 4:30〜5:00 | 両手両足のコンビネーション |

もちろん、必ず5分で終わらせる必要はありません。
特に寒い日は、手足が動きやすくなるまで時間がかかることがあります。
また、初めて取り組む練習は、動きを確認するだけでも時間が必要です。
5分という時間はあくまで目安です。体が十分に動ける状態になったかどうかを優先しましょう。
①手首のウォームアップ|シングルストロークから始める
私が最初に行うのは、手首のウォームアップです。
ここでは、シングルストロークを使います。
シングルストロークとは、右手と左手を交互に叩く基本的な奏法です。
手順は「R L R L R L R L」となります。Rが右手、Lが左手です。
このシングルストロークを、2つの段階に分けて行います。
ステップ1:リバウンドを使わず手首で叩く
最初は、スティックのリバウンド(跳ね返り)を積極的に利用せずに叩きます。
スティックを持ち上げ、振り下ろし、再び持ち上げる。
この一連の動作を、主に手首の動きで行います。
つまり、跳ね返りに頼るのではなく、自分の手首でスティックをコントロールする練習です。
ここで注意したいのは、肩や腕まで大きく動かさないことです。
手首が自然に動いているか、余計な力が入っていないかを確認します。
最初はゆっくりで構いません。
ステップ2:リバウンドを利用して叩く
手首がスムーズに動くようになってきたら、今度はリバウンドを利用します。
ドラムや練習パッドを叩くと、スティックが跳ね返ってきます。
この跳ね返る力を感じながら、次のストロークへつなげていきます。
自分の力ですべて持ち上げるのではなく、自然なリバウンドを受け取る感覚を確認してください。

この2つを確認することで、手首を自分で動かす感覚と、リバウンドを利用する感覚の両方をウォームアップできます。
シングルストロークの詳しい練習方法については、こちらの記事も参考にしてください。
また、手首に余計な力が入ってしまう方には、脱力について解説した記事もおすすめです。
②指のウォームアップ|フィンガーストロークとストーンキラー
手首の次は、指を動かしていきます。
私の場合、フィンガーストロークを使って指のウォームアップを行います。
フィンガーストロークとは、指の動きを利用してスティックをコントロールする奏法です。
手首だけでは対応しにくい細かな動きや速い連打では、指のコントロールが重要になることがあります。
右手と左手をそれぞれ動かす
私がよく行うのは、ストーンキラーなどを取り入れた練習です。
ストーンキラーは、片手ずつ連続して叩く練習を組み合わせ、左右のコントロールを鍛えるトレーニングです。
ウォームアップとして行う場合は、例えば次のような簡略メニューから始められます。
- 右手で4打、左手で4打
- 右手で8打、左手で8打
- 右手で16打、左手で16打
これはストーンキラーの考え方を取り入れたウォームアップ例で、固定された唯一の練習方法というわけではありません。
指が動きやすくなるにつれて、無理のない範囲で連打を続けていきます。
右手と左手の動きを揃える
ここで私が重視しているのは、左右の指の動きです。
例えば、右手はスムーズに連打できるのに、左手になると指が思うように動かないことがあります。
そのような状態では、まだ左右の準備が十分とはいえません。
右手と左手の指が、できるだけ同じように動く状態を目指します。

なお、フィンガーストロークを行う際も、スティックを強く握り込む必要はありません。
指の動きを妨げない程度の自然なグリップを意識しましょう。
③手首と指を同時に動かすウォームアップ
手首と指がそれぞれ動くようになったら、次は両方を組み合わせていきます。
ここからは、私の場合、比較的速いテンポの連打を取り入れています。
ただし、これは手首や指が十分に動き始めてから行う練習です。まだ動きが硬い場合は、無理に速くする必要はありません。
私が行う基本的な順番は次のとおりです。
- シングルストローク
- ダブルストローク
- シングルパラディドル
- ダブルパラディドル
- トリプルパラディドル
シングルストロークからダブルストロークへ
まずはシングルストロークを行い、そのままダブルストロークに切り替えます。
ダブルストロークとは、右手と左手でそれぞれ2打ずつ叩く奏法です。
シングルストロークとダブルストロークでは、手首や指の使い方、リバウンドの利用方法が異なります。
この2つを交互に行うことで、動きの切り替えがスムーズにできるかを確認します。
ダブルストロークの詳しい練習方法はこちらです。
パラディドルへ切り替える
続いて、パラディドルへ切り替えます。
パラディドルは、シングルストロークとダブルストロークを組み合わせた手順です。
私の場合は、シングルパラディドル、ダブルパラディドル、トリプルパラディドルという順番で行います。
それぞれの基本的なスティッキングは次のとおりです。
- シングル:RLRL
- ダブル:RRLL
- シングルパラディドル:RLRR LRLL
- ダブルパラディドル:RLRLRR LRLRLL
- トリプルパラディドル:RLRLRLRR LRLRLRLL

大切なのは、それぞれのパターンを個別に叩けることだけではありません。
シングルからダブル、ダブルからパラディドルへと、演奏を止めずに切り替えられるかを確認することです。
この切り替えがスムーズにできるようになれば、手首と指が連動して動いているかを確認できます。
パラディドルをドラムセットに応用する方法については、こちらの記事で解説しています。
慣れてきたらルーディメンツへ
ここまでの動きがスムーズにできるようになったら、必要に応じてルーディメンツにも取り組みます。
ルーディメンツとは、シングルストローク、ダブルストローク、パラディドルなどを含む、さまざまな基本的なスティッキングの総称です。
これらの練習を行いながら、手首と指が十分に動くかを確認します。
ただし、初心者の方が最初からすべてのルーディメンツに取り組む必要はありません。
初心者の方はシングルストロークとダブルストロークだけでも十分です。
大切なのは、難しい練習をすることではなく、手首と指が自然に動くようになることです。
ルーディメンツについて、さらに詳しく学びたい方はこちらをご覧ください。
④足のウォームアップ|足首を動かす連打練習
手首と指が動くようになったら、次は足のウォームアップです。
ドラムでは、手だけでなく足も非常に重要です。
特にバスドラムの速い連打や細かいコントロールでは、足首の動きが大切になります。
私の場合、足のウォームアップでは足首を重点的に動かしています。
右足はヒールダウンで連打する
まず、右足ではヒールダウン奏法を使って連打します。
ヒールダウンとは、かかとをペダルのヒールプレートにつけた状態で演奏する奏法です。
足首を中心に動かしながら、バスドラムを連続して踏んでいきます。
この練習で大切なのは、足全体を大きく動かすことではなく、足首が自然に動く状態を作ることです。
最初はゆっくり連打し、少しずつ動きを確認してください。
足首の動きが硬い状態で、無理に高速連打をする必要はありません。
バスドラムの基本的な踏み方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
左足はゴーストモーションで動かす
次に左足です。
左足では、ハイハットペダルを使ったゴーストモーションを取り入れます。
一定の拍を感じながら、左足を自然に上下させます。
ここで注意したいのは、単に左足を動かせばよいわけではないということです。
ゴーストモーションの本質は、体の中で感じている拍が自然に左足へ伝わることにあります。
そのため、拍の流れを感じながら無理なく左足を動かすようにしてください。

ゴーストモーションの考え方については、こちらの記事も参考にしてください。
⑤最後は両手両足のコンビネーション
手首・指・足首がそれぞれ動くようになったら、最後に両手両足を組み合わせます。
これがウォームアップの仕上げです。
ドラムの演奏では、右手・左手・右足・左足がそれぞれ異なる役割を担当します。
たとえ右手のシングルストロークが速く叩けても、右足を加えた瞬間に動きが崩れてしまうことがあります。
そのため、個別の動きを確認するだけでなく、最後にコンビネーションの練習を行います。
初心者は簡単な8ビートから
初心者の方は、難しいフレーズを行う必要はありません。
例えば、次のような基本的な8ビートで構いません。
- 右手:ハイハットで8分音符を刻む
- 左手:2拍目と4拍目にスネアを叩く
- 右足:1拍目と3拍目にバスドラムを踏む
まずはこの3つを組み合わせ、両手と右足がスムーズに動くか確認します。
余裕があれば、左足の動きも加えてみましょう。
ここで大切なのは、難しいコーディネーションを成功させることではありません。
自分が演奏しようとした瞬間に、両手両足が無理なく反応できるかを確認することです。
手足の組み合わせをさらに練習したい方は、こちらの記事もご覧ください。
ウォームアップで注意したい3つのこと
ここまで具体的なウォームアップ方法をご紹介してきましたが、実際に行う際には注意点もあります。
①最初から速いテンポで叩かない
ウォームアップの目的は、最初から最高速度で演奏することではありません。
体が十分に動いていない状態で速く叩こうとすると、力みにつながることがあります。
最初はゆっくりした動きから始めて、体の反応を見ながら少しずつテンポを上げていきましょう。
②力んだ状態で無理に続けない
手首や指、足首を動かしているときに、必要以上の力が入っていないか確認してください。
特に指を使った連打や足首を使ったバスドラムの練習では、速く動かそうとするほど力んでしまう場合があります。
力が入っていると感じたら、いったんスピードを落としましょう。
痛みが出た場合は練習を中止し、痛みや違和感が続く場合は専門家に相談してください。
③5分という時間にこだわりすぎない
今回ご紹介したのは、5分間で取り組むウォームアップの目安です。
しかし、日によって体の状態は異なります。
夏場であれば比較的短い時間で動きやすくなることもありますが、冬場はもう少し時間が必要になるかもしれません。
また、初心者の方は、それぞれのストロークを確認するだけでも時間がかかります。
5分で足りなければ、7分でも10分でも構いません。
時間内に終わらせることよりも、必要な動きがスムーズにできる状態を作ることを優先してください。
練習前もライブ前も「瞬時に反応できる状態」が理想
ここで、もう一度ウォームアップの目的について考えてみましょう。
私は、ウォームアップの目的は単に体を温めることではないと考えています。
例えば、演奏中に突然速いフィルインを叩こうと思ったとします。
その瞬間に、手首や指が思うように動かなければ、演奏が遅れたり、音が揃わなくなったりする可能性があります。
また、速いバスドラムのフレーズを叩こうと思っても、足首がうまく反応しなければ、狙ったタイミングで音を出すことが難しくなります。
つまり、ドラムでは「叩こうと思った瞬間に体が動くこと」が非常に重要なのです。
ウォームアップは、そのための準備です。
手首が動く。指が動く。足首が動く。そして、それらを組み合わせたときにもスムーズに演奏できる。
この状態を作っておけば、練習にも取り組みやすくなります。
そして、この考え方はライブ前でも同じです。
ライブ本番では、普段の練習とは違う緊張感があります。
だからこそ、本番前に手足の動きを確認し、いつでも演奏を始められる状態にしておくことが大切です。
ウォームアップ完了のチェックポイント
最後に、ウォームアップが完了したかを確認してみましょう。
- 手首を使ったシングルストロークが自然にできる
- リバウンドを無理なく利用できる
- 右手と左手の指がスムーズに動く
- ストロークの切り替えが自然にできる
- 足首を使った連打が無理なくできる
- 両手両足を組み合わせても動きが崩れない

すべての項目を完璧にできる必要はありません。
自分の現在の技術の範囲で、手足が十分に動き、余計な力が入っていない状態になっているかを確認してください。
まとめ|5分のウォームアップから練習を始めよう
今回は、私が普段行っているウォームアップをもとに、練習前の5分間で取り組める準備メニューをご紹介しました。
基本的な流れは次のとおりです。
- 手首:シングルストロークで手首を動かし、リバウンドも確認する。
- 指:フィンガーストロークやストーンキラーで左右の指を動かす。
- 手首と指:シングル・ダブル・パラディドルなどを切り替える。
- 足首:ヒールダウンの連打や左足のゴーストモーションを行う。
- 両手両足:簡単なコンビネーションで反応を確認する。
どの練習にも共通しているのは、単に速く動かすことを目標にしないということです。
手首・指・足首が自然に動き、必要な瞬間に両手両足が反応できる状態を目指します。
私自身、練習前にもライブ前にも、このようなウォームアップを大切にしています。
これからドラムを練習する方も、まずは5分間のウォームアップを習慣にしてみてください。
毎回の練習を、よりスムーズに始められるようになるはずです。
ドラムを基礎から学んでみませんか?
船橋日大前駅から徒歩6分の川島広明ドラム教室では、初心者の方にも分かりやすく、手首・指・足の使い方から丁寧にレッスンしています。独学では分かりにくい体の使い方も、実際に演奏しながら確認できます。まずは60分の無料体験レッスンへお気軽にお越しください。








