【ドラム8要素その6】ドラムのグルーヴとは?楽譜通りに叩いてもノリが出ない理由

レッスン

こんにちは。船橋日大前駅から徒歩6分の川島広明ドラム教室です。

今回は、ドラム8要素の6つ目にあたる「グルーヴ」についてお話しします。

ドラムを練習していると、こんなふうに感じることはありませんか?

「楽譜通りに叩いているのに、なぜか原曲と違う」

「リズムは合っているはずなのに、ノリが出ない」

「8ビートは叩けるけれど、演奏が平たく聞こえる」

このような悩みの原因のひとつが、グルーヴです。

グルーヴという言葉は少し感覚的で、最初は分かりにくいかもしれません。ですが、決して才能だけで決まるものではありません。

聴き方、感じ方、音の出し方、身体の使い方を少しずつ整理していくことで、初心者の方でもグルーヴは育てていくことができます。

ドラムの8要素全体について整理したい方は、こちらの記事も参考になります。

グルーヴは音楽の「発音」や「イントネーション」のようなもの

グルーヴとは、簡単に言うと音楽のノリや空気感のことです。

ただし、「ノリ」と言ってしまうと少し曖昧ですね。もう少し分かりやすく言うなら、グルーヴは音楽の「発音」や「イントネーション」のようなものです。

たとえば、同じ文章を読んでも、話す人によって印象が変わります。

明るく話す人もいれば、落ち着いて話す人もいます。言葉は同じでも、声の強さ、間の取り方、抑揚、スピードによって、聞こえ方は大きく変わります。

ドラムもこれと同じです。

同じ8ビートを叩いていても、人によってまったく違う雰囲気になります。楽譜に書かれている音符は同じでも、実際に出てくる音は変わります。

なぜなら、楽譜には主に「どのタイミングで、どの楽器を叩くか」が書かれているだけだからです。

もちろん楽譜はとても大切です。音符を読む力がなければ、リズムの形を正しく理解することは難しくなります。

ただ、楽譜には書ききれない情報もたくさんあります。

たとえば、ハイハットをスティックの先で軽く叩くのか、ショルダー部分で少し太く鳴らすのか。

スネアを鋭く叩くのか、太く深く鳴らすのか。

バスドラムを前に出すのか、全体を支えるように踏むのか。

こうした細かい違いが、グルーヴを作っています。

グルーヴについてもう少し広く知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

楽譜通りなのにドラムのノリが出ない理由

「楽譜通りに叩けているのに、原曲のように聞こえない」

これは、ドラム初心者の方だけでなく、中級者以上でもよく起こる悩みです。

ここで大切なのは、「楽譜通りに叩けないからダメ」という話ではありません。

むしろ、楽譜通りに叩けるようになったからこそ、次の段階としてグルーヴの違いが見えてくる、ということです。

ハイハットの叩き方でグルーヴは変わる

8ビートでは、ハイハットが曲全体の流れを作ります。

同じ8分音符でも、ハイハットを硬く叩くのか、やわらかく叩くのかで印象は変わります。

スティックの先で細く鳴らせば軽い印象になりますし、少し深く当てれば太い印象になります。

また、ハイハットを完全に閉じるのか、少しだけ開くのかでも音の広がりが変わります。

楽譜上では同じ「×」で書かれていても、実際の音にはかなり幅があるのです。

スネアのバックビートが弱いとノリが出にくい

8ビートでは、2拍目と4拍目のスネアがとても大切です。

このスネアのことをバックビートと呼ぶことがあります。

バックビートが弱いと、リズムの柱が細くなり、演奏全体が頼りなく聞こえることがあります。

逆に、力任せに強く叩きすぎると、音が硬くなり、グルーヴが重たくなりすぎることもあります。

大切なのは、ただ大きく叩くことではなく、曲に合った太さと安定感で鳴らすことです。

8ビートの基本を整理したい方は、こちらの記事も参考になります。

バスドラムの踏み方で前に進む感じが変わる

バスドラムは、リズムの土台です。

同じ位置で踏んでいても、音の出方によってグルーヴは変わります。

ドンと前に出る音もあれば、全体を下から支えるような音もあります。

また、バスドラムの音が毎回バラバラになると、リズム全体が不安定に聞こえます。

ドラムのノリが出ないと感じるときは、手だけでなく、足の音も確認してみることが大切です。

音符の間隔が少し変わるだけで印象が変わる

グルーヴは、完全に機械のように正確なら良い、というものでもありません。

もちろん、初心者の段階ではテンポを安定させることが大切です。

ただ、音楽にはわずかな揺れがあります。

8分音符をまっすぐ感じるのか、少し後ろに重心を置くのか。16分音符を細かく感じるのか、大きな流れで感じるのか。

この微妙な違いによって、同じフレーズでも雰囲気が変わります。

リズムの基本や拍の感じ方を整理したい方は、こちらの記事も参考になります。

グルーヴを作る5つの要素

グルーヴは、ひとつの要素だけで作られるものではありません。

いくつかの要素が重なって、音楽らしいノリになります。

初心者の方は、まず次の5つを意識してみると分かりやすいです。

1. タイミング

音を出す位置です。

クリックに対してぴったりなのか、少し前に感じるのか、少し後ろに感じるのか。

この違いで、演奏の前進感や落ち着きが変わります。

2. 音量

ハイハット、スネア、バスドラムの音量バランスです。

全部を同じ強さで叩くと、平たく聞こえることがあります。

スネアを少ししっかり鳴らす、ハイハットを少し控えめにする、バスドラムを安定させる。

こうしたバランスが、グルーヴを作ります。

3. 音色

どんな音で鳴っているかです。

同じスネアでも、鋭い音、太い音、軽い音、深い音があります。

同じハイハットでも、細かく刻む音、ザクッとした音、少し開いた音があります。

音色を意識すると、演奏が一気に音楽らしくなります。

4. 音の長さ

音をどのくらい伸ばすか、どこで止めるかも大切です。

特にハイハットやバスドラムは、音の長さによってノリが変わります。

短く切るとタイトに聞こえますし、少し余韻を残すと広がりが出ます。

5. 身体の揺れ

グルーヴは、手足だけで作るものではありません。

身体全体で拍の流れを感じることが大切です。

肩や腕に力が入りすぎると、音が硬くなりやすいです。

リラックスして、曲の流れに身体を乗せるように叩くことで、演奏が自然になっていきます。

グルーヴを身につけるには耳コピが大切です

グルーヴを身につけるために、とても大切なのが耳コピです。

ただし、ここで言う耳コピは、音符を書き取るだけではありません。

「どのタイミングでバスドラムが入っているか」を確認することも大切ですが、それだけではグルーヴまでは見えてきません。

本当に大切なのは、音の質感まで真似ることです。

ものまねをするとき、言葉だけを真似しても似ませんよね。

声の高さ、話す速さ、間の取り方、クセ、表情まで観察するから似てきます。

ドラムの耳コピも同じです。

「何を叩いているか」だけでなく、「どんな音で叩いているか」まで聴いていきます。

耳コピをするときは、次のようなポイントを確認してみましょう。

ハイハットは硬い音でしょうか。やわらかい音でしょうか。

スネアは鋭く鳴っていますか。太く鳴っていますか。

バスドラムは前に出ていますか。それとも全体を下から支えていますか。

音符の間隔はまっすぐですか。少し跳ねていますか。

ハイハットとスネアとバスドラムの音量バランスはどうなっていますか。

こうした部分を聴けるようになると、グルーヴの理解が深まります。

音楽の聴き方を整理したい方は、こちらの記事も参考になります。

初心者向けのグルーヴ練習方法

ここからは、ドラム初心者の方がグルーヴを身につけるための練習方法を、段階的に紹介します。

難しいフレーズをいきなり練習する必要はありません。

まずはシンプルな8ビートを使って、音の出し方やノリを整えていきましょう。

ステップ1:まずはシンプルな8ビートを安定させる

最初に大切なのは、基本の8ビートを安定させることです。

グルーヴというと、難しいリズムや派手なフレーズを想像するかもしれません。

でも、実際にはシンプルな8ビートほど、グルーヴの違いがはっきり出ます。

まずはテンポを落として、ハイハット、スネア、バスドラムの音が安定しているか確認してみましょう。

テンポが速すぎると、音色や強弱を感じる余裕がなくなります。

ゆっくりのテンポで、ひとつひとつの音を丁寧に出すことが大切です。

ステップ2:原曲と一緒に叩く

クリックに合わせる練習は大切です。

ただ、グルーヴを身につけるには、実際の曲に合わせて叩くことも必要です。

曲に合わせて叩くと、ドラムだけでなく、ベース、ギター、歌、全体の流れを感じることができます。

特にベースは、ドラムのグルーヴと深く関係しています。

バスドラムとベースがどう重なっているかを聴くと、リズムの土台が見えやすくなります。

ステップ3:録音して聴き返す

自分ではノリよく叩いているつもりでも、録音して聴いてみると、思ったより硬く聞こえることがあります。

これは悪いことではありません。

叩いている最中は、手足を動かすことに意識が向いているため、客観的に聴くのが難しいのです。

スマホの録音でも構いません。

まずは短いフレーズを録音して、原曲と比べてみましょう。

ハイハットが大きすぎないか。

スネアが弱くなっていないか。

バスドラムが毎回同じように鳴っているか。

そうした点を確認するだけでも、練習の質はかなり変わります。

テンポキープや安定感を見直したい方は、こちらの記事も参考になります。

ステップ4:音色と音量バランスをそろえる

グルーヴが平たく聞こえる原因のひとつに、音量バランスがあります。

初心者の方は、ハイハットが大きくなりすぎたり、スネアが弱くなったり、バスドラムが不安定になったりしやすいです。

まずは、ハイハットを少し抑えめにして、スネアとバスドラムをしっかり感じてみましょう。

特に8ビートでは、スネアのバックビートが曲の柱になります。

ハイハットだけが前に出すぎると、リズムが軽くなりすぎることがあります。

反対に、バスドラムが弱すぎると、土台がなくなってしまいます。

大切なのは、全体のバランスです。

ステップ5:身体の揺れを感じる

グルーヴは、手足だけで作るものではありません。

身体全体で拍の流れを感じることが大切です。

頭の中で「1、2、3、4」と数えるだけでなく、身体が自然に音楽に乗っているかを感じてみましょう。

力みすぎると、音が硬くなります。

腕や肩に力が入りすぎると、ハイハットの音も硬くなりやすいです。

リラックスして叩くことで、音に余裕が出ます。

もちろん、最初から自然に揺れる必要はありません。

まずは、曲を聴きながら軽く身体で拍を感じるところから始めてみましょう。

グルーヴは生の音で学ぶと分かりやすい

グルーヴは、録音や動画でも学ぶことができます。

実際、オンライン講座や動画教材でも、音の違いを何度も確認できるという大きなメリットがあります。

ただし、生の音には、生の音ならではの情報量があります。

空気の振動、音の立ち上がり、スティックがヘッドに当たる瞬間、身体の動き、力の抜け方。

こうしたものは、動画や録音だけでは伝わりきらないことがあります。

対面レッスンでは、講師の音を近くで聴き、自分の音と比べることができます。

「同じスネアを叩いているのに、なぜ音が違うのか」

「同じ8ビートなのに、なぜ先生の方が自然に聞こえるのか」

この違いをその場で体感できるのは、とても大きな学びになります。

一方で、オンラインでも録音や動画添削を使えば、自分では気づきにくいクセを確認できます。

対面には対面の良さがあり、オンラインにはオンラインの良さがあります。

大切なのは、自分の音を客観的に聴き、少しずつ修正していくことです。

船橋日大前駅周辺でドラム教室を探している方は、こちらの記事も参考になります。

グルーヴはドラム8要素の中でも音楽らしさを決める

グルーヴは、ドラム8要素の中でも「音楽らしさ」に大きく関わる要素です。

ただし、グルーヴだけを単独で練習すれば良いわけではありません。

ストロークが安定していなければ、音色がそろいにくくなります。

音符の理解が曖昧だと、リズムの形が崩れやすくなります。

手順が整理されていないと、身体に余計な力が入りやすくなります。

リズムの土台が不安定だと、ノリも安定しません。

フィルインで流れが止まってしまうと、曲全体のグルーヴが途切れてしまいます。

つまり、グルーヴは基礎の積み重ねの上に生まれるものです。

だからこそ、初心者の方は焦らなくて大丈夫です。

いきなり「かっこいいノリ」を出そうとするよりも、まずは基本の8ビートを安定させ、音色や音量を少しずつ整えていきましょう。

ドラム8要素を使った練習の考え方はこちらでも解説しています。

まとめ|ドラムのグルーヴは少しずつ育てられる

今回は、ドラム8要素その6として「グルーヴ」について解説しました。

グルーヴは、楽譜に書ききれない音のニュアンスです。

同じ8ビートでも、ハイハットの音色、スネアの強さ、バスドラムの踏み方、音の長さ、身体の揺れによって、演奏の印象は大きく変わります。

楽譜通りに叩いているのにノリが出ないと感じるときは、音符だけでなく、音の質感にも目を向けてみましょう。

耳コピも、音符を拾うだけではなく、音色や強弱、揺れまで真似ることが大切です。

また、生の音を聴くことで、録音や動画だけでは分かりにくいニュアンスを体感しやすくなります。

グルーヴは才能だけで決まるものではありません。

聴き方を変え、練習の視点を変え、少しずつ音を整えていくことで、初心者の方でも確実に育てていくことができます。

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