こんにちは、ドラム講師の川島です。
「パラディドルの手順は覚えたけれど、なかなか速く叩けない」
「テンポを上げると腕や手首が疲れてしまう」
「速く叩こうとすると、手順や16分音符が崩れてしまう」
このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
パラディドルは、シングルストロークとダブルストロークを組み合わせた、ドラムの代表的なルーディメンツの一つです。
基本の手順は「右・左・右・右・左・右・左・左」。手順だけなら比較的簡単に覚えられますが、これを高速で演奏するとなると話は別です。
私がパラディドルのスピードアップで最も重要だと考えているのは、速いテンポで実際に生じている力みを、演奏しながら減らしていくことです。
今回は、1拍分の短いフレーズから始め、2拍、3拍、そして連続演奏へと発展させる4段階の練習方法をご紹介します。
最終的な目標はBPM200です。ただし、これは長期的な目標です。焦らず、自分のペースで取り組んでいきましょう。
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パラディドルを速くするための4段階の練習方法
今回ご紹介する練習方法は、短いフレーズから少しずつ長いフレーズへと発展させていくものです。
具体的には、次の4段階で練習を進めます。
- 第1段階:1拍分のパラディドル
アップストロークの基本を身につける。 - 第2段階:2拍分のパラディドル
左右の動きをワンモーションでつなげる。 - 第3段階:3拍分のパラディドル
限界付近のテンポで脱力する感覚を磨く。 - 第4段階:連続したパラディドル
脱力を維持しながらスピードと持久力を高める。
いきなり長いパラディドルを高速で繰り返すのは難しいものです。
しかし、1拍分だけであれば、比較的速いスピードにも挑戦しやすくなります。
短いフレーズの中で正しい動作を身につけ、その感覚を維持したまま徐々にフレーズを長くしていくことが、今回の練習の基本です。
パラディドルの基本手順とアップストローク
練習に入る前に、パラディドルの基本手順を確認しておきましょう。
右手をR、左手をLとすると、シングルパラディドルは次のようになります。
R L R R|L R L L
日本語では「右・左・右・右|左・右・左・左」です。
今回は16分音符で演奏し、各拍の最初の音にアクセントをつける練習を基本とします。
ここで重要になるのが、各拍の2打目にあるアップストロークです。
アップストロークとは、小さな音を叩きながらスティックを上げ、次のアクセントを叩く準備をするストロークのことです。
例えば右手スタートの場合、最初の拍の2打目は左手になります。
この左手をアップストロークで叩くと、次の拍頭にある左手のアクセントへ自然につなげやすくなります。
反対に左手スタートの場合は、2打目の右手がアップストロークになります。
この動きを理解しておくことが、パラディドルのスピードアップにつながります。
アップストロークやダウンストロークの基本がわからない方は、まずこちらの記事を参考にしてください。
第1段階|1拍分のパラディドルを速く叩く練習
最初は、1拍分のパラディドルを練習します。
右手スタートの場合、手順は次のとおりです。
R L R R → L
「右・左・右・右・左」という順番ですが、1拍分は最初の4打です。
最後の左手は、次の拍のアクセントになります。

2打目の左手をアップストロークにする
この練習で最も意識してほしいのは、2打目の左手をアップストロークにすることです。
右手のアクセントを叩いたあと、左手を小さく叩きながらスティックを上げます。
そのあと右手でダブルストロークを叩き、次の左手のアクセントにつなげます。
大切なのは、2打目の左手を単に叩いて終わりにしないことです。
次のアクセントを叩くための準備として、スティックが自然に上がっていく動きを意識してください。
1拍分を少しずつ速くしていく
最初はゆっくりしたテンポで動作を確認します。
アップストロークの動きができるようになったら、1拍分の短いフレーズを徐々に速くしていきます。
長いフレーズでは難しくても、1拍だけなら速く叩ける場合があります。
まずはこの短い単位で、スティックが自然に動く感覚を身につけましょう。
左手スタートも必ず練習する
右手スタートができるようになったら、左手スタートでも同じ練習を行います。
L R L L → R
「左・右・左・左・右」という手順です。
この場合、アップストロークになるのは2打目の右手です。
右手スタートだけでなく、左手スタートでも同じように速く叩けることを目指してください。
左右で同じ動作ができるようになることが、次の段階につながります。
第2段階|2拍分のパラディドルをワンモーションで叩く
1拍分のパラディドルを速く叩けるようになったら、次は2拍分を続けて演奏します。
手順は次のとおりです。
R L R R|L R L L
「右・左・右・右|左・右・左・左」です。
16分音符8打を続けて叩きます。

左右のアップストロークを意識する
1拍目では2打目の左手、2拍目では2打目の右手がアップストロークになります。
この2つのアップストロークを意識しながら、できるだけスムーズに演奏してください。
1拍分ではできていたアップストロークも、2拍分を連続させると難しく感じるかもしれません。
しかし、この左右の動きをつなげることが、パラディドルを高速で叩くための重要なポイントになります。
ワンモーションの感覚を身につける
ここで特に意識してほしいのが、ワンモーションで叩く感覚です。
例えば右手の動きに注目してみましょう。
右手は最初にアクセントを叩きます。
その後、1拍目の後半にあるダブルストローク、そして2拍目のアップストロークへとつながっていきます。
このとき、一打一打を別々の大きな動作で叩こうとするのではなく、スティックの自然な流れに任せて演奏していきます。
最初のアクセントを除いた部分では、できるだけ余分な力を使わないことが重要です。
アクセントからダブルストローク、そしてアップストロークまでを、自然につながった一連の動きとして捉えてみてください。
左手スタートの場合も同様です。
左右どちらの手でも、ワンモーションの感覚を維持できるように練習していきましょう。
リバウンドを利用して余分な力を減らす
パラディドルを速く叩くときに欠かせないのが、スティックのリバウンドです。
スティックは打面に当たると、自然に跳ね返ってきます。
この反発を利用すれば、毎回自分の力だけでスティックを振り上げる必要がなくなります。
反対に、一打一打を自分の力で無理に振ろうとすると、スピードが上がるほど腕や手首が疲れてしまいます。
速く叩くためには、力を増やすのではなく、余分な力と動きを減らすことが重要です。
ダブルストロークそのものが苦手な方は、こちらの記事も参考にしてください。
第3段階|3拍分のパラディドルで限界スピードに挑戦する
2拍分の練習ができるようになったら、次は3拍分を続けて演奏します。
手順は次のとおりです。
R L R R|L R L L|R L R R
「右・左・右・右|左・右・左・左|右・左・右・右」です。
16分音符12打を連続して演奏します。
左手スタートの場合は次のようになります。
L R L L|R L R R|L R L L

この3拍分の練習では、これまで身につけたアップストロークやワンモーションの感覚を維持しながら、さらにスピードアップしていきます。
自分ができる限界付近のスピードから練習する
この段階で、私が特におすすめしたい練習方法があります。
それは、自分が現在演奏できる限界付近のスピードで叩き、そこで生じる力みを減らしていく練習です。
もちろん、手順がまったくわからない状態で、いきなり高速演奏をする必要はありません。
まずは正確に演奏できることが前提です。
そのうえで、ある程度速く叩けるようになったら、現在の限界付近のテンポに挑戦してみてください。
おそらく、手首や指、腕などに力が入ってくると思います。
実は、その力みを感じることが重要なのです。
脱力は叩く前ではなく、叩いている最中に意識する
練習前に腕をぶらぶらさせたり、筋肉をほぐしたりして、力を抜こうとする方は多いと思います。
もちろん、そうした準備も悪いことではありません。
しかし、いくら演奏前に脱力していても、実際に高速で叩き始めると、再び力が入ってしまうことがあります。
そこで重要になるのが、力みが生じている瞬間に、脱力を意識することです。
例えば、限界付近のテンポで3拍分のパラディドルを叩いてみます。
そのとき、手や腕のどこに力が入っているのかを観察してください。
そして、演奏を続けながら、少しずつ余分な力を抜いていきます。
「ここまで力を抜いても叩けるのか」
「この部分の力は必要なかったんだな」
このような発見を繰り返していきます。
速く叩いている最中に脱力を意識できるようになることが、パラディドルのスピードアップにとって非常に大切です。
力を抜きすぎるのも間違い
ただし、脱力が重要だからといって、すべての力を抜けばよいわけではありません。
あまりにも力を抜きすぎると、スティックをコントロールできなくなります。
その結果、パラディドルの手順がぐちゃぐちゃになったり、16分音符の間隔が乱れたりしてしまいます。
この状態では、力を抜きすぎです。
大切なのは、手順や16分音符を正確に維持できる範囲で、ギリギリまで余分な力を減らすことです。

つまり、脱力とは筋肉をまったく使わないことではありません。
必要な力は残し、演奏に必要のない力をできるだけ取り除いていくことです。
この微妙なバランスを、実際に叩きながら身につけていきます。
脱力についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
16分音符が乱れていないか確認する
速いテンポで脱力を意識するときは、リズムの正確さも忘れないようにしてください。
特に注意したいのが16分音符の間隔です。
パラディドルの手順が合っていても、音符の間隔がバラバラになっていれば、正確に演奏できているとはいえません。
メトロノームを使用したり、自分の演奏を録音したりして確認しましょう。
力を抜くことで16分音符が乱れ始めたら、少しだけ力のコントロールを戻します。
演奏が成立する範囲を探ることが大切です。
16分音符が安定しない方には、こちらの記事もおすすめです。
第4段階|パラディドルを連続して繰り返す
3拍分のパラディドルに慣れてきたら、いよいよ最終段階です。
今度は拍数を限定せず、パラディドルを連続して繰り返していきます。
R L R R|L R L L|R L R R|L R L L……
右手スタートだけでなく、左手スタートでも同様に練習してください。

速いテンポでも脱力を維持する
この練習でも、これまでと同じように、可能な限り速いテンポで演奏しながら余分な力を減らしていきます。
ただし、1拍分や2拍分では脱力できていても、長く繰り返しているうちに力が入ってくることがあります。
そこで、連続演奏中も常に次のポイントを確認してください。
- アクセント以外の音で余分な力を使っていないか
- スティックのリバウンドを自然に利用できているか
- ワンモーションの感覚が失われていないか
- 左右の手に不自然な動きの差がないか
- 16分音符の間隔が均等になっているか
- パラディドルの手順が崩れていないか
速さだけを追求するのではなく、脱力と正確さを維持できることが重要です。
スピードだけでなく持久力も鍛える
短いフレーズを速く叩く技術と、長い時間そのスピードを維持する技術は、必ずしも同じではありません。
そのため、連続演奏では持久力も少しずつ鍛えていきましょう。
例えば最初は数秒間だけ連続して演奏し、正確に叩けるようになったら徐々に時間を延ばしていきます。
疲労が出てきたときこそ、自分の動作を確認することが重要です。
ただし、筋肉の痛みや違和感がある場合は無理に練習を続けないでください。
また、フォームが大きく崩れたり、手順やリズムが維持できなくなったりした場合も、いったん休憩しましょう。
短いフレーズで正しい動作を確認し、長いフレーズで脱力を維持する。
この2つの練習を繰り返すことで、少しずつ高速演奏に必要なコントロールを身につけていきます。
パラディドルの目標はBPM200!到達には時間がかかる
今回の練習における最終的な目標はBPM200です。
ここでいうBPM200とは、四分音符を1拍として、パラディドルを16分音符で演奏するテンポのことです。
BPM200まで正確に演奏できるようになれば、非常に高いスピードコントロールを身につけたといえるでしょう。
しかし、決して簡単な目標ではありません。
特にBPM180から200までの間は、なかなかスピードが上がらず、非常に長い時間がかかることがあります。
1年や2年という単位で練習を続けても、簡単には到達できない場合もあるでしょう。
もちろん上達の速度には個人差があります。
また、すべてのドラマーがBPM200を達成しなければならないわけでもありません。
大切なのは、今の自分ができるスピードから、一歩ずつ進んでいくことです。

毎日の練習で小さな成長を積み重ねる
スピードアップを目指すのであれば、毎日の練習に明確な目的を持たせることをおすすめします。
例えば、次のような目標です。
- 今日は左手のアップストロークを改善する
- 今日は右手のダブルストロークを自然にする
- 今日は速いテンポで余分な力を減らす
- 今日は16分音符を正確に維持する
- 今日は連続演奏で脱力を維持する
このように、毎回の練習で意識することを決めておくと、ただ何となく叩き続ける練習から抜け出すことができます。
また、現在の最高テンポだけでなく、無理なく正確に叩けるテンポも記録しておくとよいでしょう。
例えば、最高テンポが変わっていなくても、同じテンポで以前より楽に叩けるようになっていれば、それも立派な成長です。
ドラムフレーズを練習するときの基本的な考え方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
パラディドルのスピードアップでよくある質問
Q. パラディドルを速く叩くには何が必要ですか?
基本手順を正確に覚えることに加えて、アップストローク、ダブルストローク、リバウンド、脱力の感覚を身につけることが重要です。
特に速いテンポで実際に生じる余分な力を減らすことが、スピードアップにつながります。
Q. 遅いテンポと速いテンポのどちらで練習すればよいですか?
どちらの練習も必要です。
遅いテンポでは手順やストローク、16分音符の正確さを確認します。
一方、速いテンポでは実際に生じる力みを感じながら、余分な力を減らす練習をします。
今回ご紹介した4段階の練習では、基本動作を身につけたうえで、限界付近のテンポに挑戦することを重視しています。
Q. パラディドルで腕が疲れる原因は何ですか?
一打一打を自分の力で振ろうとしたり、スティックのリバウンドを十分に利用できていなかったりすることが原因の一つとして考えられます。
必要以上にスティックを握り込んでいないか、動作が大きくなりすぎていないかを確認しましょう。
Q. BPM200までどのくらいの期間が必要ですか?
習得期間には個人差があるため、一概にはいえません。
特にBPM180から200へのスピードアップには長い時間がかかる場合があります。
数年単位の長期的な目標として考え、焦らず練習を続けることが大切です。
Q. 毎日何分くらい練習すればよいですか?
必要な練習時間は、その人の現在の技術や目標によって異なります。
例えば最初は5〜10分程度でも、目的を持って集中して取り組むことができます。
長時間無理に続けるよりも、正しい動作を意識しながら継続することをおすすめします。
まとめ|パラディドルのスピードアップに近道はない
今回は、パラディドルを速く叩くための4段階の練習方法をご紹介しました。
- 第1段階:1拍分
2打目のアップストロークを身につける。 - 第2段階:2拍分
左右の動きをワンモーションでつなげる。 - 第3段階:3拍分
限界付近のテンポで実際に脱力する。 - 第4段階:連続演奏
脱力と正確さを維持しながらスピードと持久力を伸ばす。
この4段階を繰り返すことで、少しずつ自分の限界を広げていきましょう。
現在はタイムパフォーマンスやコストパフォーマンスが重視される時代です。
できれば短い時間で効率よく上達したいという気持ちは、私もよくわかります。
しかし、ドラムの技術習得には、どうしても時間が必要です。
特にパラディドルのスピードアップは、何度もスティックを振り、動きを確かめ、余分な力を減らす経験を積み重ねることで身についていきます。
その過程を省略する魔法のような方法はありません。
練習そのものをショートカットするのではなく、コツコツ練習するコツをつかむ。
これが、長い目で見れば非常に重要なことだと私は考えています。
昨日できなかったことが、今日突然できるようになるとは限りません。
しかし、毎日の小さな積み重ねが、少しずつ確かな技術につながっていきます。
この記事が、パラディドルのスピードアップに取り組む皆さんにとって、少しでもタイムパフォーマンスの良い学びになれば幸いです。
パラディドルの動きをレッスンで確認してみませんか?
パラディドルのアップストロークや脱力は、文章を読んだだけでは理解しにくい部分もあります。
特に自分では力を抜いているつもりでも、実際には手首や指に余分な力が入っていることがあります。
川島広明ドラム教室では、マンツーマンレッスンを通して、一人ひとりの演奏や身体の動きを確認しながら練習を進めています。
ドラム初心者の方はもちろん、パラディドルやダブルストロークなどの技術をさらに磨きたい方も歓迎しています。







