こんにちは、ドラム講師の川島です。
パラディドルの手順は覚えたけれど、速く叩こうとすると手が動かなくなる。テンポを上げるとダブルストロークがつぶれたり、腕や手首に力が入ったりする。
このような経験はありませんか?
パラディドルを高速化するには、反対側の手のアップストロークを利用することが重要だと、よく説明されています。
もちろん、その考え方も大切です。しかし今回は、少し違った視点から高速化のポイントを解説したいと思います。
それは、アクセント・タップ・ダブルという3種類のストロークを、それぞれ違う意識で叩くことです。
この使い分けができるようになると、すべての音を力任せに叩く必要がなくなり、リバウンドを利用した効率的な動作につなげやすくなります。
今回はシングルパラディドル、ダブルパラディドル、トリプルパラディドルの3種類について、片手の動作を分解しながら解説していきます。
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パラディドルを高速化するために最も大切なこと
パラディドルはシングルストロークとダブルストロークを組み合わせた、ドラムの代表的なルーディメンツです。
パラディドルを速く叩こうとすると、どうしても手首や指を速く動かすことばかり考えてしまいがちです。
しかし、すべての音符を同じように振り下ろしていたのでは、テンポが上がるにつれて動作が大きくなり、余計な力も入りやすくなります。
そこで意識してほしいのが、次の3種類のストロークです。
- アクセント:スティックを振り下ろすダウンストローク
- タップ:低い位置でリバウンドを利用して叩くストローク
- ダブル:スティックに少し強めに働きかけ、2打を連続して叩くストローク
この3種類を組み合わせることによって、無駄の少ない動作を作っていきます。
そして重要なのは、シングル・ダブル・トリプルのそれぞれで、タップの数が異なるということです。

高速化の基本となる3種類のストローク
① アクセントはダウンストロークで叩く
まず最初のアクセントは、スティックを高い位置から振り下ろすダウンストロークで叩きます。
アクセントとは、周囲の音よりも強く叩く音のことです。
ただし、強く叩くことだけが目的ではありません。
アクセントを叩いた後、スティックを低い位置に保ち、次の小さなストロークへスムーズにつなげることが重要です。
アクセントの後にスティックが大きく跳ね上がってしまうと、次のタップを小さく叩くことが難しくなります。
まずはアクセントを叩き、その後のスティックの高さをコントロールする練習をしてみましょう。
② タップストロークはリバウンドを利用する
次に大切なのがタップストロークです。
タップストロークとは、スティックを低い位置から小さな振り幅で叩くストロークのことです。
パラディドルを高速化するときには、このタップをいかに自然に叩けるかが重要になります。
アクセントを叩いた後は、余計な力を抜き、スティックが自然に跳ね返るリバウンドを利用していきます。
このとき、毎回手首を大きく振り上げようとする必要はありません。
スティックの自然な動きを妨げないようにして、低い位置で小さなストロークを繰り返します。
ただし、脱力とはスティックを完全に放任することではありません。必要なコントロールを残しながら、余計な力だけを抜くことが大切です。
③ ダブルストロークでは少し強めに押す
そして今回、特に意識してほしいのがダブルストロークです。
ダブルストロークとは、片方の手で2打を連続して叩くテクニックです。
通常のタップストロークを叩いているときよりも、ダブルに入るところでスティックを少し強めに押すような感覚を使います。
例えば、低い位置からスティックを軽く落として1打叩くところを、少し強めに働きかけて2打につなげるイメージです。
ここで間違えてはいけないのは、スティックを強く握り込むことではないという点です。
必要な瞬間だけスティックに働きかけ、リバウンドを利用しながらダブルをコントロールすることがポイントです。
力が入りすぎるとリバウンドが止まってしまいますので注意してください。
ダウンストロークやタップストロークの基本を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
ダブルストロークの基本についてはこちらで解説しています。
シングルパラディドルを高速化する方法
まずはシングルパラディドルから説明します。
基本の手順は次のとおりです。
R L R R | L R L L
Rは右手、Lは左手を表しています。
今回は、それぞれのまとまりの最初の音にアクセントをつけます。
ここで注目してほしいのは、右手だけの動作です。
右手の動きを抜き出すと、次のようになります。
ダウン → ダブル
まず最初の右手のアクセントをダウンストロークで叩きます。
そして、その次に右手が担当するのは2打連続のダブルストロークです。
つまり、アクセントをダウンストロークで叩いた後、低い位置からスティックを少し強めに押す感覚でダブルにつなげます。
このとき、右手の動作だけを考えることが大切です。
実際のフレーズでは右手のアクセントとダブルの間に左手の音が入りますが、まずは右手だけを取り出して、ダウンからダブルへ移る感覚を身につけてください。
右手でできるようになったら、反対側の左手でも同じ動きを練習します。
両手を組み合わせてもこの感覚が崩れないようにすることが、シングルパラディドル高速化のポイントです。

ダブルパラディドルを高速化する方法
次はダブルパラディドルです。
基本の手順は次のようになります。
R L R L R R | L R L R L L
右手だけの動作を見ると、次の順番になります。
ダウン → タップ → ダブル
シングルパラディドルとの違いは、ダウンストロークとダブルストロークの間にタップストロークが1つ入ることです。
ここで意識してほしいのは、3連符を叩くような動きのイメージです。

3連符の動きをイメージして練習する
まず、右手だけで次の動作を行ってみてください。
ダウン → タップ → タップ
最初のダウンストロークでアクセントを叩きます。
そして一気に余計な力を抜き、2打目、3打目のタップは自然なリバウンドを利用して叩きます。
この動作に慣れてきたら、最後の3つ目のタップだけ少し強めに押す感覚へ変えてみましょう。
すると、最後のタップを2打連続のダブルストロークにつなげることができます。
結果として、次の動作になります。
ダウン → タップ → ダブル
ここでの3連符という表現は、右手の3つの動作の流れをイメージするためのものです。実際のダブルパラディドルは6打で1組となり、ダブルの2打も含めて正しい音符の間隔を保つ必要があります。
右手でできるようになったら、左手でも同じように練習してください。
アクセントからタップ、そして最後のダブルまでを、一連の自然な動きとしてつなげていきます。
トリプルパラディドルを高速化する方法
最後はトリプルパラディドルです。
基本の手順は次のようになります。
R L R L R L R R | L R L R L R L L
右手だけを取り出すと、次の動作になります。
ダウン → タップ → タップ → ダブル
ダブルパラディドルと比べると、タップストロークがさらに1つ増えています。
しかし、高速化の考え方は基本的に同じです。
16分音符の4つの動きをイメージする
まずは右手だけで、16分音符を4つ叩くようなイメージで練習してみましょう。
ダウン → タップ → タップ → タップ
最初のダウンストロークでアクセントを叩き、その後は自然なリバウンドに任せるようにしてタップを続けます。
このとき、途中のタップを毎回手首で大きく振り上げる必要はありません。
リバウンドを利用して、スティックが自然に連続して動く感覚を身につけてください。
そして、4つ目のタップだけ少し強めに押す感覚へ変えます。
これによって、最後のタップをダブルストロークにつなげます。
完成する動作は次のとおりです。
ダウン → タップ → タップ → ダブル
ここでも16分音符の4つの動作は、片手の動き方を理解するためのイメージです。実際のフレーズでは8打の音符の間隔を正しく保つことが重要です。
このように考えると、シングル、ダブル、トリプルの違いは、アクセントと最後のダブルの間に何回タップが入るかという違いとして整理できます。
右手でできるようになったら、左手も同じ手順で練習しましょう。

右手でできたら左手も同じように練習する
ここまで、主に右手の動作を取り出して解説してきました。
しかし、実際のパラディドルでは右手と左手が交互に役割を入れ替えていきます。
右手ではスムーズに叩けても、左手に変わった途端に動きがぎこちなくなることもあります。
例えば、右手では自然なリバウンドを利用できているのに、左手では手首に力が入ってしまうということがあります。
そのため、まずは左右それぞれの動作を確認してください。
- 右手だけでダウン・タップ・ダブルの流れを確認する。
- 左手だけでも同じ動きを練習する。
- 左右のアクセントの音量差を確認する。
- 左右のダブルストロークが同じ感覚で叩けるか確認する。
- 最後に両手を組み合わせる。
両手を組み合わせるときには、反対側の手のアップストロークも重要になります。
ただし、最初から両手のすべての動作を意識しようとすると、かえって難しく感じる場合があります。
まずは片手の動作を身につけてから、両手のつながりを作っていく。
この順番で練習すると、一つひとつのストロークの役割を理解しやすくなります。

アクセント移動の練習については、こちらの記事も参考になります。
パラディドルを高速化するための段階的な練習方法
それでは、実際にどのような順番で練習していけばよいのでしょうか。
私がおすすめするのは、最初からスピードを上げるのではなく、片手の動作を確認してから両手を組み合わせる練習方法です。
ステップ1:片手だけで動作を確認する
まずは右手だけで、ダウン・タップ・ダブルの動きを確認します。
シングルパラディドルならダウンからダブル、ダブルパラディドルならダウン・タップ・ダブル、トリプルパラディドルならダウン・タップ・タップ・ダブルです。
この段階ではスピードを意識する必要はありません。
それぞれの動作の違いを体に覚え込ませていきます。
ステップ2:左手でも同じ動作を行う
右手でできるようになったら、左手でも同じ練習をします。
左右でスティックの高さやダブルの感覚が大きく違わないか確認しましょう。
ステップ3:ゆっくり両手を組み合わせる
片手ずつの動作が安定してきたら、実際のパラディドルの手順で叩いていきます。
最初はメトロノームに合わせて、余裕のあるテンポで練習します。
シングルパラディドルなら16分音符、ダブルパラディドルなら6打のまとまり、トリプルパラディドルなら8打のまとまりを意識してください。
重要なのは、アクセント以外の音が不必要に大きくならないことと、ダブルの2打が均等に並ぶことです。
ステップ4:少しずつテンポを上げる
両手の動作が安定してきたら、少しずつテンポを上げていきます。
例えば、BPM60から始めて、余裕があればBPM65、70というように少しずつ上げていく方法があります。
ただし、この数値はあくまで一例です。最初のテンポは、自分が正確に叩ける速さに設定してください。
テンポを上げた瞬間に力が入ったり、ダブルがつぶれたりする場合は、まだそのテンポで安定した動作ができていない可能性があります。
そのような場合は少しテンポを下げて、再び動作を確認しましょう。
以前の記事では、短いフレーズから少しずつ長くしていく方法や、アップストロークと脱力を利用した高速化について解説しています。
今回の片手の動作を意識する練習と組み合わせると、さらに理解が深まると思います。
パラディドルの高速化で失敗しやすいポイント
① アクセントの後も力が入り続けている
アクセントを強く叩こうとして、手首や指に力が入ったままになってしまうことがあります。
これでは次のタップを自然に叩くことが難しくなります。
アクセントを叩いた後は、必要以上に力を入れ続けないようにしましょう。
② タップストロークの振り幅が大きい
タップはアクセントとは違い、小さな振り幅で叩くストロークです。
タップまで大きく振り上げてしまうと、動作が大きくなり、高速化の妨げになります。
低い位置で、コンパクトなストロークを心がけてください。
③ ダブルのところで強く握りすぎる
今回の高速化のポイントとして、ダブルのところで少し強めに押す感覚を紹介しました。
しかし、強く握り込んでスティックを止めてしまっては逆効果です。
大切なのは、リバウンドを妨げずに2打をコントロールすることです。
④ すべての音を自力で叩こうとする
タップストロークを叩くたびに、手首でスティックを大きく動かそうとしていませんか?
高速化では、スティックが自然に跳ね返るリバウンドを上手に利用することが大切です。
自分でコントロールする部分と、リバウンドに任せる部分を分けて考えてみましょう。
⑤ スピードばかり意識してリズムが崩れる
パラディドルは、速く叩ければそれでよいわけではありません。
音符の間隔が不安定になったり、アクセントの位置がずれたりしてしまう場合は、練習のテンポを見直しましょう。
一定のテンポで繰り返し叩けることを優先してください。
⑥ 右手と左手で動作が違っている
右手のダブルは自然に叩けるのに、左手のダブルだけ力んでしまうこともあります。
このような場合は、苦手な手だけを取り出して練習してみましょう。
まとめ|パラディドルの高速化はストロークの使い分けが重要
今回は、シングル・ダブル・トリプルパラディドルを高速化するためのポイントについて解説しました。
改めて、片手だけの動作を整理してみましょう。
| 種類 | 片手の動作 |
|---|---|
| シングルパラディドル | ダウン → ダブル |
| ダブルパラディドル | ダウン → タップ → ダブル |
| トリプルパラディドル | ダウン → タップ → タップ → ダブル |
どのパラディドルでも基本的な考え方は同じです。
- 最初のアクセントはダウンストロークで叩く。
- 途中のタップは自然なリバウンドを利用する。
- 最後のダブルだけ少し強めに押す感覚で叩く。
シングル、ダブル、トリプルの違いは、その間に入るタップストロークの数です。
まずは右手だけでこの感覚をつかみ、次に左手でも同じ動きを練習してください。
そして両手を組み合わせ、動作が安定してから徐々にテンポを上げていきましょう。
パラディドルを高速化するには、ただ速く動かそうとするのではなく、スティックの自然な動きを利用することが重要です。
ぜひ今回紹介した3種類のストロークを意識して練習してみてください。
パラディドルをドラムセットでどのように活用するかについては、こちらの記事もおすすめです。
パラディドルの動きをレッスンで確認してみませんか?
パラディドルの高速化は、文章だけではわかりにくい部分もあると思います。
特に、アクセントの後の脱力や、タップからダブルへ移る瞬間の力加減は、実際の動きを確認すると理解しやすくなります。
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