こんにちは、ドラム講師の川島です。
「ドラムって、何年くらいやれば上手くなるんですか?」
これは体験レッスンや普段のレッスンでも、本当によく聞かれる質問です。
ただ、この質問に答えるときに最初にお伝えしたいのは、「上手くなる」の定義を先に分けないと、話がズレてしまうということです。
というのも、
- 簡易バージョンで1曲叩けるようになる
- 原曲に近い形で完コピできるようになる
- 上級者のように自由に叩けるようになる
この3つは、必要な時間がまったく違うからです。
たとえば、初心者の方が「とりあえず1曲叩けるようになりたい」のか。
それとも「原曲通りに細かいフィルまで再現したい」のか。
あるいは「どんな曲でも自由に対応できるようになりたい」のか。
それぞれで、目指すゴールは大きく変わります。
ですので、最初に大まかな目安を整理しておきます。

| 上達の段階 | 目安期間 | 内容 |
|---|---|---|
| 簡易バージョンで1曲演奏 | 約2〜3か月 | 難しい部分を簡略化しながら、1曲を最初から最後まで通せる状態 |
| 8ビート中心の曲を完コピ | 約2年〜 | 原曲に近い形でリズムやフィルを再現できる状態 |
| 16ビート・シャッフルなどを含む曲を完コピ | 約3年〜 | より複雑なリズムやノリにも対応できる状態 |
| 自由な演奏・アドリブ | 数年〜10年以上 | 経験をもとに、自分の判断で自在に演奏できる状態 |
もちろん、これはあくまで一つの目安です。
練習時間、レッスンの有無、過去の音楽経験、曲の難易度、年齢、練習環境などによってかなり変わります。
ただ、全体像としてはこのように考えると、かなり現実に近いと思います。
初心者が簡易バージョンで1曲叩けるまで【2〜3か月】
まず、一番希望を持っていただきたいのがここです。
完全初心者の方でも、2〜3か月程度あれば、簡易バージョンで1曲叩けるようになる可能性は十分あります。
私の教室でも、最初の目標として「まず1曲完成させる」ということをとても大事にしています。
そのときにやることは、最初からドラムのすべてを練習することではありません。
そうではなく、
- その曲で必要な基礎練習
- その曲で使うリズム
- その曲で必要なフィルイン
- その曲に必要なテクニック
このように、その曲に必要なものだけに絞って練習します。
そして、原曲をいきなり100%そのままやるのではありません。
初心者の方がまだできない部分は簡略化して、まずは「1曲を通して叩けた」という成功体験を作ることを優先します。

たとえば、難しい16分のフィルインが出てくる曲なら、最初は8分音符ベースの簡単なフィルに置き換えてもいいです。
バスドラムの細かいパターンが難しければ、まずは土台となるビートだけに絞って叩くこともあります。
こうやって難易度を調整しながら完成させていくと、
「自分はまだ何もできない」
という感覚ではなく、
「曲が1曲完成した」
という自信に変わっていきます。
初心者にとって、この最初の成功体験は本当に大きいです。
基礎練習だけを何か月もやるよりも、曲を通して叩けた経験があると、その後の練習へのモチベーションも上がります。
原曲通りの完コピができるまで【2〜3年以上】
次に、簡易バージョンではなく、原曲にかなり近い形で1曲を叩けるようになるまでについてです。
ここは正直、2〜3か月とはまったく違う世界です。
原曲通りに叩く、いわゆる完コピを目指す場合は、単に手足が動くだけでは足りません。
必要になるのは、
- 基本リズムの理解
- フィルインの理解
- 楽譜を読む力
- リズムを音として感じる力
- 曲の流れを把握する力
など、いくつもの要素です。
しかも、完コピの精度を上げていくには、1曲だけを見ていても足りません。
簡易バージョンの曲を何曲も経験しながら、いろいろなリズム、音符、フィルイン、ノリに慣れていく必要があります。
まずは楽譜を見てリズムを歌えるようになる
完コピを目指すうえで大切なのは、楽譜を見た瞬間に、そのリズムが頭の中で鳴ることです。
たとえば楽譜を見たときに、
「タ・タ・ンタタ」
「ドン・タン・ドドン」
のように、口で歌える状態まで持っていけると強いです。
逆に、楽譜を見ながら毎回、
「右手がここで、左手がここで、足がここで……」
と考えている段階だと、曲の流れの中で再現するのが難しくなります。
大事なのは、手順を覚えることより先に、リズムを音として理解することです。

8ビートと16ビート・シャッフルでは難易度が違う
「完コピまで何年ですか?」という質問が難しい理由は、曲によって難易度が大きく違うからです。
たとえば、8ビート中心の比較的シンプルな曲であれば、しっかり練習を継続していけば約2年が一つの目安になります。
一方で、16ビート、シャッフル、ハーフタイムシャッフル、速いテンポ、複雑なフィルイン、バスドラムの細かいコントロールなどが必要になる曲は、約3年以上を見ておいたほうが現実的です。
もちろん、これは私が実際に生徒さんを見てきた中での一つの目安です。
全員に完全に当てはまるわけではありません。
ただ、初心者の方が最初から「半年でどんな曲でも原曲通りに叩けるようになる」と考えてしまうと、かなり苦しくなりやすいです。

初心者が半年で難曲の完コピを目指さないほうがいい理由
もちろん、「この曲を絶対に叩けるようになりたい」という強い気持ちは、とても良いことです。
ただ、初心者の段階でいきなり難しい曲の完コピだけを目標にしてしまうと、1曲に何か月も、場合によっては1年以上かかることがあります。
そうなると、
- 全然完成しない
- いつまでたっても達成感がない
- 自分には才能がないのではと思ってしまう
- 練習そのものが苦しくなる
という流れになりやすいです。
私は初心者の方には、まずは次のような流れをおすすめしています。
簡易バージョンで1曲完成させる
↓
別の曲にも挑戦する
↓
また1曲完成させる
↓
少しずつ難しい曲へ進む
この積み重ねのほうが、結果的には上達しやすいです。
1曲だけに何年もかけるより、何曲も経験しながら土台を増やしていったほうが、後で難しい曲に挑戦したときの吸収も早くなります。
上級者のように自由に叩けるまでには長い時間がかかる
ここからは、さらにその先の話です。
「曲が叩ける」と「自由に叩ける」は、似ているようでかなり違います。
自由に叩けるというのは、単に暗譜しているフレーズを出すことではありません。
その場の音楽を聴きながら、
- 今どういうノリが必要なのか
- どういうフィルが合うのか
- どのくらい音量を出すのか
- どこで引くのか
- どこで前に出るのか
といったことを自分で判断して、演奏を組み立てられる状態です。
これは単発の練習だけでは、なかなか身につきません。
曲をコピーするだけでは身につかないもの
完コピは非常に大事ですし、むしろ上達には欠かせません。
ただし、コピーだけをやっていても、自由に叩ける力が十分に育たないことがあります。
なぜなら、自由な演奏には「選ぶ力」が必要だからです。
どのフレーズを使うのか。
どのタイミングで入れるのか。
どういう音色で鳴らすのか。
そういった判断は、実際の音楽の中で試して、失敗して、修正していく中で育っていきます。
バンド・セッション・ライブ経験が演奏を変える
上級者に近づくためには、たくさんの経験が必要です。

- たくさんの曲をコピーする
- いろいろなジャンルに触れる
- 個人練習を重ねる
- バンドを組む
- 他の人とセッションする
- ライブをする
- 他人の演奏を聴く
- レッスンを受ける
- 失敗して学ぶ
こういう経験の総量が増えるほど、演奏は自由になっていきます。
よく「1万時間の法則」という言葉もあります。
ただし、これは「1万時間やれば誰でも自動的に一流になる」という意味ではありません。
高いレベルへ行くには、それくらい長い時間をかけて積み上げる世界なのだ、というイメージとして考えると分かりやすいと思います。
上手くなりたいなら時間だけでなくお金も必要になる
ここからは、少し現実的な話になります。
「できるだけお金をかけずに上手くなりたい」
そう思う気持ちは、もちろんよく分かります。
ただ、私の経験上、本当に上手い人ほど、楽器や音楽にしっかり投資しています。
ここで言う投資とは、単に高いものを買うことではありません。
自分が本気で取り組むための環境や経験にお金を使うという意味です。
たとえば、
- スタジオ代
- ドラム本体や練習パッド
- 電子ドラム
- レッスン代
- 教則本や教材
- ライブ鑑賞
- 機材
- 音楽学校やワークショップ
こういったものは、上達のきっかけや土台になってくれます。
もちろん、YouTubeや無料の情報にも価値はあります。
今は、本当に良い情報が無料で見られる時代です。
ただ、無料だけで全部を済ませようとしてしまうと、本来必要だった経験や環境まで避けてしまうことがあります。
私は、無料の情報を活用しつつも、必要な場面ではしっかりお金をかける。
そのバランスが大事だと思っています。

スタジオで練習する
生ドラムを練習するには、音楽スタジオを借りる必要があります。
個人練習で1時間数百円程度から使えるところもありますが、地域や店舗によって料金は違います。
週に何回も使えば、それなりの出費になります。
ただ、その分だけ、生ドラムならではの音量感、反発、鳴り方、体への振動などを実際に体験できます。
これは、上達のうえで非常に大きいです。
電子ドラムを購入する
スタジオへ毎回行くのが難しい場合は、自宅に電子ドラムを置くという選択肢もあります。
電子ドラムは価格の幅が広いですが、本格的に長く練習するのであれば、ある程度しっかりしたモデルを選んだほうが、叩き心地や機能面で使いやすいことが多いです。
必ず高価格帯でなければ上達できない、ということではありません。
ただ、長期的に練習を続けるつもりなら、10万円以上のクラスも十分に選択肢に入ってくると思います。
レッスンを受ける
レッスンを受けることにも、当然お金はかかります。
ただ、独学で何か月も悩む内容を、1回のレッスンで整理できることもあります。
何ができていて、何ができていないのか。
どこから直すべきなのか。
それを客観的に見てもらえるのは、大きな価値です。
特に初心者の時期は、最初の方向性を間違えないことがとても重要です。
教則本やライブにもお金を使う
上達に必要なのは、練習そのものだけではありません。
教則本で体系的に学ぶこと。
上手いドラマーのライブを観ること。
実際の音を体で感じること。
これらも全部、上達につながります。
自分の中にある音のイメージが増えるほど、演奏の幅も広がっていきます。
私はドラムに1000万円以上使いました
これは、あくまで私自身の話です。
私はドラムを30年以上続けています。
これまでに、
- ライブをする
- 個人練習をする
- 音楽スタジオを借りる
- 楽器や機材を買う
- 教則本を買う
- レッスンを受ける
- 音楽の専門学校へ通う
- 海外へ勉強に行く
といったことを積み重ねてきました。
金額で考えれば、ドラムや音楽に使ったお金は1000万円以上になると思います。
でも、私はそれをまったく後悔していません。
なぜなら、そのお金によって単に技術が身についただけではないからです。
- たくさんの人とバンドを組めた
- いろいろな場所で演奏できた
- 友人がたくさんできた
- 普通ならできない経験ができた
- 今の「ドラムを教える仕事」にもつながった
こういったものが、自分の中に残っています。
たとえば1000万円の車を買えば、車という形あるものが残ります。
私は、そのお金をドラムに使ってきました。
形として残らない出費も、たくさんあります。
しかし、その代わりに、30年以上の経験、演奏技術、人との出会い、思い出、そして仕事につながる道が残りました。
私にとっては、とても価値のあるお金の使い方だったと思っています。

それでも「コスパが悪かった」とはまったく思わない
今の時代は、何をするにも「コスパ」や「タイパ」が重視されやすいです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
時間もお金も大切です。
ただ、私は自分がドラムにかけてきた時間とお金を考えたとき、コスパが悪かったとはまったく思いません。
むしろ、十分すぎるほど元を取ったと感じています。
技術が身についたこともそうですが、それ以上に、人生の中で味わえる経験が圧倒的に増えたからです。
練習して、できなかったことができるようになる。
人と一緒に音を出して、通じ合う。
ライブで緊張する。
成功する。
失敗する。
そして、また練習する。
そういう一つひとつの体験は、お金に換算しきれない価値があります。
好きなことまでコスパだけで考えなくていい
私は、好きなことに関しては、効率だけで判断しなくてもいいと思っています。
もちろん、無理をして浪費する必要はありません。
ただ、本当に好きなものに対してまで、
「元が取れるか」
「最短で上手くなれるか」
だけを基準にしてしまうと、その世界に深く入っていく楽しさを失ってしまうことがあります。
上手くなるまで時間がかかるのは、ある意味では当たり前です。
時間をかけることで、その間に経験することがたくさんあります。
お金がかかることもあります。
でも、その時間も、その出費も、自分にとって意味のあるものなら、単なるコストではありません。
むしろ、自分の人生を豊かにしてくれる投資になることがあります。
効率を重視しすぎることで、本当に好きなことへ挑戦する機会まで失ってしまうのは、私はもったいないと思っています。

まとめ|2〜3か月で1曲は叩ける。でも「自由に叩ける」は一生続く
最後に、今回の内容をもう一度整理します。
- 簡易バージョンで1曲叩けるようになるまでは、約2〜3か月が目安
- 原曲に近い形で完コピするには、数年単位で考えたほうがよい
- 上級者のように自由に演奏できるようになるには、長期間の練習と実戦経験が必要
つまり、「ドラムは何年で上手くなるか?」という問いに対しては、どのレベルを「上手い」とするかで答えが変わるということです。
ただ、初心者の方にぜひ知っておいてほしいのは、最初の1曲を叩けるようになるまでなら、思っているより早いということです。
2〜3か月でも、やり方を絞れば曲は完成できます。
そこから先は、
昨日できなかったことが、今日できるようになった。
先月叩けなかった曲が、今月叩けるようになった。
そういう小さな変化を楽しみながら続けていくことが、とても大切です。
ドラムに使った時間もお金も、単なる費用ではありません。
その時間を通じて得られた技術。
人との出会い。
ライブの思い出。
さまざまな経験。
そこまで含めれば、私は十分すぎるほど元を取ったと思っています。
何か本当に好きなものがあるのであれば、効率だけではなく、その世界に思い切って飛び込んでみることも、人生ではとても大切なことだと思います。
ドラムは、楽譜や動画を見ているだけでは分かりにくい部分がたくさんあります。
たとえば、どんな音を出せばいいのか、どのくらいの力加減で叩けばいいのか、曲に合わせるときに何を意識すればいいのかなど、実際に叩きながら覚えていくことが大切です。
船橋周辺で直接レッスンを受けたい方、またはZoomで個別に見てもらいたい方には、無料体験レッスンや課題曲マスターコースをご用意しています。
一方で、ご自宅で自分のペースで学びたい方には、動画で学べるオンライン会員、初心者8週間プログラム、買い切り型の単品オンライン講座もあります。
ご自身の目的や生活スタイルに合わせて、下記より学び方をお選びください。
\あなたに合ったドラムの学び方をお選びください/
直接教わりたい方には個人レッスン型、
自宅で学びたい方にはオンライン学習型をご用意しています。
個人レッスン型
講師に直接見てもらいながら、対面またはZoomでじっくり学びたい方におすすめです。
船橋周辺の方は対面レッスン、遠方の方はZoomオンラインレッスンにも対応しています。
「この曲を叩けるようになりたい」という方へ。課題曲に合わせて、必要な基礎からフレーズまで個別に練習していくコースです。
オンライン学習型
自宅で動画を見ながら、自分のペースで練習したい方におすすめです。
オンライン講座を見ながら練習したい方へ。分からないところをLINEで質問できる学習スタイルです。
完全初心者から、8週間でテンポ100の安定した8ビートを目指す伴走型オンライン講座です。
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